pixiv事務局です。
2014年10月1日(水)~11月30日(日)に開催された、講談社新少年マンガ誌「この出だしがすごい!新人賞」へたくさんのご応募ありがとうございました。
ゲスト審査員の片岡人生・近藤一馬両先生ならびに編集部で厳正に選考した結果、下記のとおり入選作が決定しました。力作ぞろいのため、大賞に加えて急遽特別賞を選出しました。
■総評
[ゲスト審査員・片岡人生氏]
いろんなタイプの漫画が集まりましたが、どうしても既視感がありました。
絵なり演出なりで、新しいアプローチを試して欲しかったです。新しいセンスを持っている方はいるんですが、それを自分で新しいと理解し表現できている作品は僅かでした。既存の漫画にカテゴライズできてしまう現状を、新人の方にはぜひ打破して欲しいです。
[ゲスト審査員・近藤一馬氏]
バラつきはあれど、漫画慣れしているなと思える作品がいくつかありました。ただ、8Pをどう使うかの戦略——「これをやれば審査員を引っ掛けられる」それをきちんと考えている人もいれば、自分がやりたいことの一部をヒキなど関係なしにそのまま送ってきている人もいるので、判断は難しかったです。あと、背景に気を回してる人があまりいなかったのが残念。そこまで楽しんで描きましょう。
[編集部]
多数の応募ありがとうございました。様々なテイストの作品が集まり、どれも楽しんで描かれているのが良くわかる作品ばかりでした。その中で「読者をどう楽しませたいか」ということまで原稿に盛り込めた作品が上位に残ったと思います。大賞作品が掲載される新雑誌を、どうぞ楽しみにしていてください!
■大賞
賞金20万円+今夏創刊予定 新少年マンガ誌&pixivコミック掲載
『
黒猫と白犬』/
まさゆみ さん
[片岡人生氏]
今風の絵、今風のネタ。中2っぽい設定もうまく使っている。特定の読者に向いて描けている感があり、ばらけていない。8Pでキャラと世界観がちゃんと見えるのが良かった。
[近藤一馬氏]
非常にこなれている。ガンアクションをやるのならば、もう少しそれが見たくなる絵にして欲しい。
[編集部]
華があるキャラ、ケレン味たっぷりの台詞、ワクワクできるアクション。作品の「売り」を詰め合わせた冒頭で、文句なし。スタイリッシュな絵柄にして、通底するノリが熱いのも素晴らしい。即戦力!
■特別賞
賞金10万円
『
ほしふり 〜星の腕〜』/
こなしあかや さん
[片岡人生氏]
センスが非常に面白い。重たさと優しい空気をうまくとけ込ませていて、それが不穏さを出している。8Pでキャラの魅力と世界観の謎が描かれていて、良い意味で気になる箇所が多かった。
[近藤一馬氏]
不思議な要素もあるし、キャラへのヒキもある。ただ、話に背景が追いついてないのがもったいない。その説得力がプラスされれば、もっと良くなる。
[編集部]
設定(謎)とその提示の仕方が上手くて、続きが読みたい!と強く思わせる。
世界観や絵柄にも独特の雰囲気があって良い。背景をもうひとがんばりすると物語の説得力が向上するので、いっそう精進してほしい。
■特別賞
賞金10万円
『
神様の悩み事』/
市宮圭 さん
[片岡人生氏]
「新しい」と思った作品。猫がしゃべる所などの演出も面白い。
キャラもテンポも良い。先が読めないが、作者の感性に期待できる。
[近藤一馬氏]
もっと弟に興味が引ける8Pならよかった。姉を登場させるより、弟の不思議さや兄弟の関係性にページを使うべき。現時点では画力不足だが、この人なりの絵が描けるようになる人だと感じた。
[編集部]
弟の唐突な告白から、説明なしに傘のエピソードを畳み掛ける展開に、見事つかまれた。兄弟間に横たわる、不可思議なのに愛を感じるコミュニケーション。その心地よさに魅了された。この才能がどう伸びていくのか、非常に楽しみ!
受賞者の皆さんの今後の活躍にご注目ください。
たくさんのご応募ありがとうございました。
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