タキポンプ ~ある数学的実験~
▼エドワード・ペイジ・ミッチェルの小説“THE TACHYPOMP, A Mathematical Demonstration”の拙訳です。
▼「無限大の速度」という概念を扱った1874年サン紙掲載のこの短編は、クリフトン・ファディマンにより1958年に編纂された数学SFアンソロジー『第四次元の小説』に収録されたことで、唯一忘却を免れたミッチェルのSF小説であります。言い方を変えれば、『タキポンプ』以外のミッチェルの全ての作品は、1973年にモスコウィッツにより再発見されるまで行方不明となったままでした。
▼ミッチェルが忘れられた作家となった大きな理由の一つとして、サン紙の編集者であった彼の作品のほとんどが匿名で発表されていた事が挙げられるでしょう。現代の読者にはちょっと信じられないかもしれませんが、当時の雑誌や新聞小説はよほどの大作家以外は作者名すら明記されないのが普通でした。
▼原文は
http://www.forgottenfutures.com/game/ff9/tachypmp.htm にあるものを使用しました。なお、リヴァロルによるタキポンプの解説等の一部の文章では、横書き表示での読み易さを考慮して1バイトのアラビア数字を使用しています。また、翻訳にあたっては『第四次元の小説』に収録されている三浦朱門氏の訳文も参考にさせて頂きました。