テレポンプ
▼エドワード・ページ・ミッチェル(1852年~1927年)の古典SF小説“The Man Without A Body”(1877年3月)の拙訳です。原題は直訳すれば『体のない男』になりますが、現代の読者にはいささかインパクトに欠けるのではと思い、作中に登場するガジェットの名前を用いた『テレポンプ』の訳題を付けました(余談ながら、原題と同名の1957年のイギリス製ホラー映画がありますが、本作とは何の関係もありません)。
▼テレポンプの「テレ」はテレフォンやテレビジョンのテレと同じ語源から来ており、テレフォン(電話)が電気の力でテレ(遠く)にフォン(音声)を送る装置であり、テレビジョンがやはり電気の力でテレ(遠く)にビジョン(映像)を送る装置であるのと同様に、電気の力でテレ(遠く)に物質をポンプ(運送)する装置です。いわゆる現代のSF用語を使えば、物質電送装置と言えるでしょう。
▼この物語はおそらく世界で最初に機械による物質の電送を扱った小説であり、その皮肉な結末は、ある意味ではジョルジュ・ランジュランの『蝿』の先駆的作品とも呼べるかもしれません。
▼原文は
http://www.forgottenfutures.com/game/ff9/tachypmp.htm にあるものを使用しました。