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この作品 「【金星号】寒くても、温かいもの【常雪の街・トルメンタ】」 は 「キャプション芸」「幽玄少女の想い出」 等のタグがつけられた作品です。

雪で覆われた駅に降りると、全身が雪みたいな、雪だるまの住民達が珍しそうにこちらを...

ゆ~ふぉ

【金星号】寒くても、温かいもの【常雪の街・トルメンタ】

ゆ~ふぉ

2011年12月17日 01:25
雪で覆われた駅に降りると、全身が雪みたいな、雪だるまの住民達が珍しそうにこちらを見つめていた。「どこから来たの?」「観光客?」「あっちに街の名物があるんだ、案内してあげようか?」そう矢継ぎ早に聞かれる質問に、私は一つずつ丁寧に答えていった。雪だるまの住民達に案内されて、色々な場所を回った。動物や...続きを見る
雪で覆われた駅に降りると、全身が雪みたいな、雪だるまの住民達が珍しそうにこちらを見つめていた。「どこから来たの?」「観光客?」「あっちに街の名物があるんだ、案内してあげようか?」そう矢継ぎ早に聞かれる質問に、私は一つずつ丁寧に答えていった。

雪だるまの住民達に案内されて、色々な場所を回った。動物や城の形を模した氷像、丸いドーム型の彼らの住居。少し開けた場所では、子供達が雪合戦をしていた。面白そうだったので、子供達と一緒に遊ぶ事にした。彼らは雪に隠れるのが上手くて、全然当てる事は出来なかったけど、それでも日が暮れるまで遊び続けた。

辺りはすっかり夜になったので、ひとまず金星号に帰ろうかと思ったら、一緒に雪合戦をしていた子供達の父親の好意で、泊めて頂く事になった。ドームの住居の中は暖かく、そして、彼らも温かった。

ベットに潜り込んで、今日出会った人たちの事を思い返してみた。
彼らは一切表情を変えなくて、最初は何を考えているのか分からなかったけど、とても温かい心を持っていた。

私も、彼らみたいに、温かい心を持っているんだろうか。

時々、こうして自分が振舞って来た行動に不安を感じる事がある。
死んでいるのに、話したり、食べたり、寝たり。生きていた頃とまったく同じ行動をすることはおかしなことなんだろうか。そういえば昔、気味悪がられた事もあったっけ。
そう思うと、今日の人達に対しても、迷惑をかけたりしているんじゃないだろうか――

そんな考えが浮かび始めた時、一緒について来た幽霊が目の前に来たかと思うと、首を横に振るかの様に漂い始めた。
彼らは言葉を持たない分、行動で表そうとする。
「…ふふっ、ありがとう」
きっと、心配してくれたのだろう。私は励ましてくれた幽霊に微笑んだ。
私もまだ温かいんだね、そう思うと少し嬉しくなって、きゅっと枕を強く握った。

それじゃあ明日は、何をしようかな。街の特産品のジェンマは貰ったし、街の見学も大体済んだ。おいしいものでも探して食べ歩きでもしてみようかな――

色々と明日のことを考えているうちに、段々意識がまどろんできて、私は深い眠りについた。

◇まだまだ幼い心の幽霊っ子【illust/21984659閉じる