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この作品 「ノスタルジック・シンドローム 「年下の男の子」」 は 「ノスタルジック」「星空」 等のタグがつけられた作品です。

 いまどきコンビニすらも車じゃないと行けないような田舎町。舗装されていないがたが...

EDC

ノスタルジック・シンドローム 「年下の男の子」

EDC

2015年11月7日 10:23
 いまどきコンビニすらも車じゃないと行けないような田舎町。舗装されていないがたがたの道に、夜になると見える金平糖をちりばめたような空。毎年お盆になると遊びに行くおばさんの家は、私にとって夏休みの象徴みたいなものだ。 ある年の夏、近所に住んでいるという年下の男の子を紹介された。とにかくがさつで愛想...続きを見る
 いまどきコンビニすらも車じゃないと行けないような田舎町。舗装されていないがたがたの道に、夜になると見える金平糖をちりばめたような空。毎年お盆になると遊びに行くおばさんの家は、私にとって夏休みの象徴みたいなものだ。
 ある年の夏、近所に住んでいるという年下の男の子を紹介された。とにかくがさつで愛想のない子で、最初はちょっとこわかった。平気でセミやカエルを手でつかまえるなんて、普段女の子とばかり遊んでいた私にとっては理解不能な生き物だ。
 でもおばさんをがっかりさせたくないし、自分のほうがお姉さんなんだからって我慢して遊んでいるうちに、だんだんと「なーんだ、ただのやんちゃな男の子だ」って思えるようになってきた。ひとりっこだった私にとつぜん弟ができたように思えて、あれこれとおせっかいを焼いたっけ。
 だけどいつだって、短い旅には、夏休みには、終わりがやってくる。
 1年目の終わりには、なんだかふてくされている男の子に「さようならはちゃんと言いなさい」って叱ってあげた。
 2年目の終わりには、「来年もまた遊ぼうね」って肩を叩いてあげた。
 3年目の終わりには、「まだ帰りたくない」っておとうさんとおかあさんに泣きついた。
 まだ納得してないんだってアピールするように後ろばっかり見ていた帰り道。どんどん遠ざかっていく夏休みを見つめながら、私は祈っていた。
 いつのまにか私より背の高くなった彼が、来年まで私のことを覚えていてくれるといいな。
 昨日まで遊んでいた続きのように、「よう」ってぶっきらぼうな声を聞かせてくれるといいな。

■■■お知らせ■■■
2015年夏に開催されたCOMITIA113でご好評をいただいた「ノスタルジック・シンドローム」を連載化することになりました。
毎月7日をめどに新作を上げていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。閉じる
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