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この作品 「ノスタルジック・シンドローム 「僕たちの入学式」」 は 「ノスタルジー」「ノスタルジック」 等のタグがつけられた作品です。

 春の匂いは新しいなにかが始まる匂い、サクラの色はそれが楽しいことであると予感さ...

EDC

ノスタルジック・シンドローム 「僕たちの入学式」

EDC

2016年3月29日 21:09
 春の匂いは新しいなにかが始まる匂い、サクラの色はそれが楽しいことであると予感させる色だ。 はらはらと花びらの舞い散る道に、かちこちと緊張した固い足音が刻まれていく。しゃんと糊のきいたまっ白なワイシャツ、自分の身体よりもひとまわり大きい制服、まだスカスカの鞄。 何度繰り返したって、この季節はどこ...続きを見る
 春の匂いは新しいなにかが始まる匂い、サクラの色はそれが楽しいことであると予感させる色だ。
 はらはらと花びらの舞い散る道に、かちこちと緊張した固い足音が刻まれていく。しゃんと糊のきいたまっ白なワイシャツ、自分の身体よりもひとまわり大きい制服、まだスカスカの鞄。
 何度繰り返したって、この季節はどこかそわそわうきうきして落ち着かない。大きく息を吸って校門をくぐり、張り出されたクラス分けの表を見てから、上履きにおそるおそる足を突っ込む。
 高校生。それは僕にとって、ずっと遠いところにあると思っていた憧れの響きだ。小説も、マンガも、ドラマも映画も、いつだって主人公は高校生。中学生ほど無力じゃなくて、大学生ほど物語から遠ざかってもいない。青春という言葉は高校生とイコールで、それはつまり、世界の中心にいる存在っていうことなんだ。
 話せる相手が誰もいなかったらどうしようって少しだけびびってたけど、そんな不安は教室に入った瞬間に吹っ飛んだ。だって、前と後ろの席に座ってるやつらが、さっそくしょうもないことで口げんかしていて、いつの間にか僕も巻き込まれていたんだ。言いたいこと言ったあとで、いまさらながら自己紹介。みんなでけらけら笑い合う。
 はじまった、はじまった。僕の高校生活が、ちゃんとはじまった。嫌だイヤだと勉強して、きらきらの汗をかきながら部活に打ち込んで、生まれて初めての恋をして。悩んで、迷って、それでも前を向いて歩き出す。
 大人になってから思い出したとき、きっと泣きたいほどに愛おしくなる、そんな宝箱みたいな三年間が待っているんだ。

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2016年5月5日(木・祝)に開催されるCOMITIA116に参加します。
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