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この作品 「Good luck with that.」 は 「空」「夜空」 等のタグがつけられた作品です。

「夕焼けってどこにいくんだろうな」「あー?ブラジルとかじゃないの」彼は気だるそう...

Alu.M(ALPCMAS)

Good luck with that.

Alu.M(ALPCMAS)

2016年5月23日 15:14
「夕焼けってどこにいくんだろうな」「あー?ブラジルとかじゃないの」彼は気だるそうな生返事をしながら、自販機とにらめっこをしていた。「ブラジルへの日帰り出張とは精が出るなぁ。俺なんて一昨日提出の進路志望書が舞子さんも顔負けの色白美人だよ」「またよくわからない例え方するなぁ」「知的な比喩って言いな。...続きを見る
「夕焼けってどこにいくんだろうな」
「あー?ブラジルとかじゃないの」
彼は気だるそうな生返事をしながら、自販機とにらめっこをしていた。
「ブラジルへの日帰り出張とは精が出るなぁ。俺なんて一昨日提出の進路志望書が舞子さんも顔負けの色白美人だよ」
「またよくわからない例え方するなぁ」
「知的な比喩って言いな。でも良いよなー、夕焼けは。行き先もやることも決まってて」
「そうごねるなよ。炭酸でも飲んで機嫌直せ」
「お、サンキュー。お前にしては気が利く」
「『お前にしては』は余計だ」
新発売の奇抜なラベルのそれは、別段美味しいとは言えなかった。
沈みゆく夕日を定時帰りの烏が追いかけていた。
「……お前はどうすんだ」
「俺か?俺はなぁ」
彼は空を見上げ少し悩んでいる様子だった。
「……世界の平和を守るスーパーヒーローか、世界の破滅を保証するラスボスかな」
笑いながら言う彼を見て僕は少し呆れて、少しどこか安心した。
「アホくさ」
「冗談だよ。俺も正直わっかんねぇ」
口の中はくどいくらいの甘さの余韻が残る。少しだけ冷たい夜風が僕等を愛撫した。
「でも俺は、こんな穏やかで馬鹿げてるような時間が永遠続いていれば良いと思うんだ」
生返事の時より幾分か真面目そうな声で彼は続ける。
「アホなことやったり、たまに喧嘩したり、そして笑ってな。でもどうにも進まないといけないらしい。たとえその先にどんな苦労や苦痛があってもな」
ふと真面目に話す彼の横顔はどこか大人っぽく見えた。なんだか少し悔しい気がした。
「今日はなんだか饒舌だねぇ」
「茶化すな茶化すな」
煮え切らない気持ちと残った甘水をぐいと飲み干した。
「……Good luck with that」
彼は不思議そうな顔をしていた。
「なんだそりゃ」
「お前のお望みのスーパーヒーローになれるおまじないさ」
「ラスボスにもなれる優れものってか。景気のいい話だ」
「そうかもしんねぇな」
明日もまた暑くなりそうな気がした。

-化け猫の手記 (不明)-閉じる

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