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"COMITIA123 合同誌「いのりの、先へ。」表紙", is tagged with 「オリジナル」「退廃的」 and others.

概ね小説本です。「祈り」と「退廃」がテーマです。※2018/1/31追記小説合同...

久世うりう

COMITIA123 合同誌「いのりの、先へ。」表紙

久世うりう

12/11/2017 02:03
概ね小説本です。「祈り」と「退廃」がテーマです。※2018/1/31追記小説合同になったのと、表紙イラストに多少手を加えたので、追加でアップロードしました。1枚目が実際の表紙、2枚目が手を加える前の(もともと掲載していた)もの、3枚目がおまけでラフです。以下、表紙イラストに関するフレーバー的なS...Keep reading
概ね小説本です。「祈り」と「退廃」がテーマです。

※2018/1/31追記
小説合同になったのと、表紙イラストに多少手を加えたので、追加でアップロードしました。
1枚目が実際の表紙、2枚目が手を加える前の(もともと掲載していた)もの、3枚目がおまけでラフです。

以下、表紙イラストに関するフレーバー的なSS。
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 物心がついたときから、私は、祈っていた。

  ◆ ◆ ◆

「わあ、きれいなお人形さん」
 女の子が、飾られた人形を見て、頬を緩めた。
 人形は、球体関節人形。ゆるやかな稜線を描く豊かな金髪は、よく精錬された絹のように、鮮やかな光沢を湛えていた。陶磁の肌にはくすみ一つなく、金と白磁の取り合わせは白人の女性を想起させるが、人形が纏っているのは、和装だった。
「外国のお人形さんなのに、お着物を着せるの?」
 女の子は疑問をそのまま口にし、父親に尋ねる。
「そうだよ。ニイナを守ってくれるんだ」
 父親はニイナの頭を撫でつけながら、日本の市松人形を買うつもりだったが、ニイナの母親が市松人形は怖いから嫌だと言ったので、ビスクドールにしたのだ、などと説明したが、ニイナの耳には、もう届いていない様子だった。
 ニイナは、人形に向かい合い、微笑みかける。
「よろしくね、アンナ!」
 人形が、家族になった日だった。

  ◆ ◆ ◆

 以来、ニイナとアンナは、どこへ行くにも、一緒だった。
 ニイナは、アンナを実の妹のように大切に、どこへでも連れ歩いた。

  ◆ ◆ ◆

 色彩を失った白黒の風景。
 血色を失った白いニイナと対面する、黒い服の大人たち。
 さめざめと泣くニイナの母親と、それを支える父親。
 別れは突然に訪れ、あまりに理不尽でもあった。

  ◆ ◆ ◆

 母親は感情的になり、父親との喧嘩が絶えなくなった。
 程なくして、ニイナを思い出すからと倉庫へ仕舞われたアンナには、その後のことはわからない。

  ◆ ◆ ◆

 どれほどの年月が経ったのかはわからない。
 恐らく今となっては、父親も、母親も、ニイナと一緒にいるだろう。
 ホコリが山積しているものの、倉庫が取り壊されることはなく、奇跡的に、ここにいる。
 アンナは祈っている。
 ニイナを守ることはできなかったけれど、少しでも多くの人が、穏やかに過ごせますように。Close
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