▼月刊コミック百合姫とは
毎月18日発売、女の子の思いを描いた唯一無二のガールズラブ専門誌です。 百合姫コミックスも雑誌と同じ毎月18日発売。雑誌・単行本ともに電子書籍も同時発売中。
http://www.ichijinsha.co.jp/yurihime/

▼SFマガジンとは
早川書房が発行しているサイエンス・フィクション専門雑誌。
https://twitter.com/Hayakawashobo

▼ガガガ文庫とは
物語の新次元へ! 小学館ガガガ文庫は2007年5月に創刊した少年向けエンタテイメントノベル文庫です。
https://gagagabunko.jp/

▼書泉百合部とは
書店「書泉」の百合好きスタッフが、百合作品を盛り上げる為に結成した部活動です。
各店舗で棚の展開等を行い、ツイッターでも随時百合作品の情報を発信しています。
https://twitter.com/shosenyuribu/
第2回百合文芸小説コンテスト 受賞作品
2019年11月1日(金)~2020年1月9日(木)まで開催しておりました、コミック百合姫×SFマガジン×ガガガ文庫×書泉百合部×pixiv「第2回百合文芸小説コンテスト」の受賞作品がついに決定しました。
女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説を募集した本コンテストでは、1,200作品以上の応募作が集まり、800名以上の方にご参加いただきました。たくさんのご応募ありがとうございました。
応募要項を見る
大賞
賞品:賞金10万円、コミック百合姫に扉イラスト・挿絵イラスト付きで掲載
私の家は三人家族だった。私と、母と、それから叔母の三人。叔母は正確にいうと『叔母』ではなく、母の中学時代の後輩だった。他人に彼女との関係を説明する手前、『叔母』というのが一番楽だったために私はそう呼んでいた。優しい母と、明るい叔母。父親はいなかったけれど、そんな二人の愛情を受けながら、私はしあわせな毎日を過ごしていた。
娘と母、そして母のことを好きな「叔母」という3人の関係が、丁寧かつ冗長にならず書かれていた。ままならない感情を抱えて生きていく残酷さと、それだけでない力強さが伝わってくる作品。
百合姫賞
賞品:賞金5万円、コミック百合姫にコミカライズ掲載
弓木百花(ゆぎももか)は「永遠に少女でいたかった」女子大生。momoという名前で人気キャラ「ふーちゃん」のコスプレをした自撮りをSNSにアップしている。衣装にしか興味がないキャラの、媚びたコスプレ写真でイイネを稼ぎ承認欲求を満たす日々を送っていたある日、写真を目にとめたカメラマンのコウから今度作る写真集のモデルになってくれないかと打診された。人気のある版権キャラではなく、あなた本人をモデルに少女の写真を撮りたいといわれ困惑する。自分に自信のない百花は一度は断ろうとするものの、かつてコウが撮った写真の美しさに惹かれ、モデルとなる。少女という存在に対し、二人は同じ理想を抱えていた。そうして作った写真の中の自身の姿は、まさに「こうありたかった理想の少女」だった。自ら望んだ少女になれた百花はしかし、コウに恋したことでもう自分が少女ではいられないことに気付いてしまう。写真集が完成したあと、また写真を撮らせてほしいというコウに対して、二人でつくった「少女」を永遠にしたいからと別れを告げるのだった。
「理想の少女像」というテーマがしっかりと軸になっていて、読みやすい丁寧な作品。相手にとっての理想のままでいたいからこそ…という主人公の感情が鮮やかで、心地良い虚無感があった。
SFマガジン賞
賞品:賞金3万円、SFマガジンに掲載
hIEと呼ばれる人型ロボットが一般的になり、超高度AIと呼ばれる人の知能を越えたIAが存在する未来。個々の機体が自ら判断し動くことはない他律制御型ロボットのhIEは、その制御をネットワーク上に点在するクラウドに任せている。クラウドは様々な企業が日夜追記を重ね、あるいはふとした拍子に新たなクラウドが誕生することで発展していた。そんな中、社長のナコと副社長のチカ、たった社員が二人だけの新興ベンチャー企業リリィコネクトでは、ひとつのプロジェクトが立ち上がっていた。それは、hIEが百合らしい振る舞いを行うためのクラウド――百合クラウドの作成プロジェクトである。ほぼ百合好きのナコの趣味によって始まったプロジェクトだったが、何故かスポンサー企業が現れ、潤沢な開発環境が整っていた。しかし、その環境とは裏腹に百合クラウドの開発は難航。三か月後にはスポンサー企業へのプレゼンテーションが迫っていたが、まるで成果を上げることが出来ていなかった。そして、百合クラウドという存在そのものに立ち込める暗雲。果たしてナコとチカは、無事に百合クラウドを作り上げることが出来るのか。
長谷敏司『BEATLESS』の設定を自由に利用できる仕組み(アナログハック・オープンソース)を使った作品。物語としても面白く、「百合は人が感情移入してしまうセキュリティ・ホールである」という着眼点とその問いに対する結論がいい。
事故で怪我を負い、全身を機械化している小学生、ユイカは、オンラインゲームで出会った唯一の友人カナエを目の前で失う。その夜、何者かにふたりで遊んでいたゲームに呼び出され、そこでカナエの自動応答用の疑似人格――キャッシュに出会う。カナエのキャッシュは設定によれば三日で消えるという。それまでに「きれいなものがみたい」と言うカナエの願いをユイカは叶えることにする。カナエは自分が脳機能に障害のある十八歳の女性であったことを明かし、ユイカも機械の身体のことを話す。ふたりは現実世界を満喫し、その過程でユイカは成長を実感する。しかしその翌日、ユイカはカナエの同意なしに彼女の実家へと足を運び、自分と同じように機械の身体をもらえとカナエに言ってしまう。ユイカはカナエのキャッシュが身体を手に入れれば、自分のように生き延びられると信じていた。カナエはユイカを激しく拒否し、閉じこもる。絶望したユイカはあらわれたカナエの母親にカナエの死について質問を発し、傷つけてしまう。キャッシュが消える日の朝が訪れ、ユイカがカナエの願ったとおりにきれいな海へと向かうと、彼女はすべてを許して姿をあらわす。そしてすぐに消える。
サイバーパンク風の設定で、それぞれ人としてのあり方が現実世界とは少し異なる少女同士の関係性を、儚くも綺麗に描いている点は魅力的。幼さの残る一人称視点の文体で、失いたくない友達への想いがよく描けている。
ガガガ文庫賞
賞品:賞金3万円、ガガガ文庫編集部の担当がつき、書籍化検討
銃規制が解かれ、一般市民が銃の所持を許可された現代日本。元いじめっ子にして現在いじめられっ子の『わたし』は十八歳の誕生日、すなわち銃の所持を許可されたその日、とある決意をする。 『よし、いじめっ子どもをぶっ殺そう!』 連中の頭を撃ち抜き、『わたし』は自由の身になる。もはや眠れぬ夜を過ごすことはなくなり、誰に誇りを傷つけられるでもない、素晴らしい世界が待っている――そう思っていた。 しかし、彼女にとっては最悪なニュースが流れ込んでくる。それは『自分が殺そうとした三人が何者かに銃殺された』というものであった。 『わたし』にはひとりだけ、その犯人に心当たりがあった。かつて中学時代に自分がいじめていた少女にして、才色兼備文武両道、現在自分の通う高校でスクールカースト最上位に君臨する生徒会長『黒川唯』が。復讐の機会をよりにもよって、この世で一番気に入らない女である黒川に奪われたことで怒り狂う『わたし』。しかし黒川唯は『わたし』が想像していた以上の闇を抱えていて――。
「百合」「ライトノベル」「趣味嗜好」を混ぜ併せたような内容でとても好きな作品です。「お前の敵であり続ける」それは、引力みたいなもので、生きている以上切り離せない関係──愛ですね。二人の”結末”を見たいと思いました。
書泉百合部賞
賞品:賞金3万円、書泉百合部限定グッズ進呈
25歳の猿投さとりは連日の勤務や細々とした不幸が重なった結果、衝動的な路線への飛び込み自殺を企てた。終電を待っていると、「あなたの事が嫌いです」と言い放つ少女に自殺を止められる。初対面の少女はそのまま猿投さとりの家に住み込み、彼女の世話をしだした。翌日うつ病診断をされ休職する事になった猿投さとりは、少女……小春川こなと本格的に同棲生活を始める事にする。初対面のはずの小春川こなは何故か猿投さとりに尽くした。その理由を、恐らくかつて出会っているのではないかと考えるものの、他人に深く踏み込む気力がない猿投さとりは思考を放棄して現状を受け入れる。赤の他人でしかない二人は、明確な理由もないまま不安定で不透明な生活を続け、少しずつ関係を深めていく。ある日、会社からクビの報せを受けた猿投さとりは、小春川こなとの生活を続けるために別の仕事を探すことを決める。そして携帯電話が鳴り、スクリーンに映った名前は、彼女の義理の父親で……。
読者を掴んで離さないタイトルもさることながら、急展開からはじまる主人公と少女のぎこちない対話や、最後を見据えた儚げな展開は、読んでいて大変面白かったです。
pixiv賞
賞品:商品券2,000円分、pixiv小説編集部が製作する冊子へ収録
ある日、遅刻ぎりぎりに登校すると、私の下駄箱にラブレターが入っていた。そのラブレターに浮き足立っていたせいで遅刻してしまった私だったけど、生まれて初めて貰ったラブレターの前に、遅刻なんて些末な問題だった。ラブレターに書かれていた通り、素直に昼休みの校舎裏を訪れた私は、絶句した。と言うのもそこで待ち受けていたのが、幼馴染み和希だったのだ。幼馴染が自分にそんな想いを抱いていることに驚く私だったが、本気のラブレターを受け取ってしまった手前、彼女の想いにはちゃんと応えなければならないと決意する。しかし、なぜか和希のほうまで私の顔を見て絶句していた。どういうことかと尋ねると、彼女が手紙を出したのは私ではなく、私の靴箱の隣の女なのだという。遅刻ぎりぎりで焦っていた私は、靴箱を間違えた挙げ句、そこに入っていたラブレターを自分に宛てられたものだと勘違いしてしまったのだった。ラブレターを幼馴染みに見られてしまったことで意気消沈した和希は『どうせダメだから』と告白を諦めようとしてしまう。しかし『お前の書いた手紙は少なくとも私を本気にさせたんだ』と私は和希を説得させ、何とか告白までこぎつける。その告白の様子を見て、私は和希の直向きな姿に見惚れてしまうのだった。
テンポの良い掛け合いと青春を感じさせる作風に惹かれる。ひょんなことから動き始めたお互いの関係と気持ち、その過程を楽しく読めた。
原田一香の趣味は人の恋愛事情に首を突っ込むことで、そのおかげで視線や仕草で恋愛感情を持っていることを察してしまう。
一方で自分の恋愛にはあまり興味がなく、誰かに恋をしたことはないし、誰かに恋をされた経験もなかった。
ところがある日、一香はクラスメイトの沙羅から自分に向けられた思いに気付く。沙羅はクラスでは誰とも話そうとしない大人しく暗い印象の少女だった。しかし一香は彼女のことを知ろうとして調べてところ、ポッドキャストの配信をしていることが判明。一香はその配信を聞き始める。
普段とは違う沙羅の様子に、一香は戸惑いながらも彼女のことを好ましく思っていく。しかしその思いはファンとしての感情だと一香は感じていた。
ある日の配信で沙羅は自分の配信を聞いてくれた人が近くにいたことを明かす。それは一香にとっては自分以外のファンが身近に居たことに驚くと同時に、嫉妬に似た感情を覚える出来事だった。
そんな暗い感情が恋のはずがない。そんな感情は消えて欲しいと願う一香だが、思いは強くなるばかり。
その思いは恋じゃないと思いつつも、彼女の配信で聴いた言葉。
『もし苦しいなら、伝えるだけでもいいんだよ』『関係を進めるだけが、告白じゃないよ』と、それは自分が以前恋する少女に送ったアドバイスだった。
その言葉を聞いた一香は、自分の気持ちを全て彼女に伝えることに決めるのだった。
「自分のことが好きなはず」な同級生の配信を聴きながら学校生活を送る、というシチュエーションが魅力的。優位に立っているはずの主人公が、だんだんと振り回されていく様子が心地よかった。
その日、美空は大人が泣くことをはじめて知った。迷いこんだ祖母の家の離れに広がるプラネタリウムの宇宙のなかで、ひとりの女性が泣いていた。紬という名のその女性は、美空の叔母にあたるひとらしい。紬は引っこみ思案で親戚の集まりにはあまり顔を出さず、いつも宇宙のことばかり考えていた。
彼女に興味を覚えた美空は、親戚の集まりがあるたびに紬のもとへと遊びにいった。美空は彼女から宇宙に関するさまざまなことを教わった。星は星に引かれて落ち続けながら、けれど落ちきらずに天体の周りをくるくると回っている。そんな天体の回転についてのイメージに、美空はひととひとの関わりの不思議さを重ね合わせる。
年に一度か二度、親戚が集まるときにだけふたりは出会う。互いに別の軌道を回るふたつの星が、近星点で近づくように。そんな逢瀬を重ねるうちに、美空は紬に対する恋心を自覚する。けれど紬は、自らの孤独を乗り越えようとするように「普通」であることを志向した。
季節は巡り、年はすぎる。誰も同じではいられなくなる。時代も、家も、親戚たちも、美空も紬も変わっていく。ときに近づき、ときに離れながらもふたりは人生を生きていく。そんなふたつの天体の、回転についての物語。
とても美しい文体。世間になじめなさそうな叔母と、打算的な子供の触れ合いに引き込まれる。主人公がちゃんと一人の人間として考えているし感じているところが好印象。
「あの花はどこにもないの。私にもあなたにも、この街のどこにも」

1942年2月。敵軍に包囲され孤立したソ連の都市・レニングラードは飢餓と極寒の地獄を迎える。
周囲の人間が次々に息絶えていく中、少女アーリャと死にゆく姉を救ったのは、姉のかつての友人ヴラジレーナだった。

姉を病院に入れ、アーリャとともに暮らしはじめるヴラジレーナ。彼女はアーリャや見ず知らずの他人にまで親身に接する。
アーリャは極限状況における彼女の善意に戸惑いを抱くようになり、ヴラジレーナが党幹部の娘であることが判明したとき、その疑問は頂点に達する。
なぜ恵まれた生活をしているはずの彼女がこんなことを、と問えば、アーリャの姉の絵のおかげだという。互いを助けあう人々と花の絵を描くさまを見て以来、ヴラジレーナはアーリャの姉に憧れていた。あの絵の世界を実現させたい、あの花を見るまで死ねないのだと笑うヴラジレーナ。

しかし彼女の純粋さはアーリャと姉の心を蝕んでいく。
ふたりはかつて飢餓に陥った妹を救うため人肉食を犯し、それゆえ家族の死を招いていた。図らずも生き延びたふたりは罪の意識に苛まれるが、入院する病院が空襲により焼き尽くされたことで、姉は苦悩から永遠に解放される。

一方で何も知らないヴラジレーナは「どうして何も悪くないあの子が死ななきゃいけないの」と嘆き、アーリャに絶望的な断絶を確信させた。善意ゆえの傲慢、救いによる苦痛。そしてアーリャの胸には生まれて初めての激情――ヴラジレーナへの殺意が芽生える。

敵軍から爆撃される可能性の高い疎開ルートへ足を踏み入れ、アーリャはヴラジレーナと最後の旅路に出るが……
歴史上の出来事という高いハードルを舞台に、確かな筆力と、これが書きたいんだという熱さを感じさせる。時代背景も生かされた重い空気感と感情が素晴らしい。
マヤという同性の恋人が交通事故にあった女性、ハルカが主軸になっている話です。理不尽な勘違いや、不当な扱い、そんな不条理を体験しても尚、側に居たいと思える人と出会った女二人が平穏を模索する話でもあるかもしれません。
大学で出会った二人は、同性同士ということを除けば、至って平凡に距離を縮めて交際を始めます。残念ながらマヤの家族の理解というものは得られませんでしたが、二人のみの規模で見れば、交際は順調そのものでした。そんな二人の最期にして始まりの物語です。
誤解を解くことすら馬鹿馬鹿しい、まるで何かの事象や現象のように、下らない言葉を”普通”という壁の後ろから投げつける者に対する、一種のカタルシスのようなものが含まれている、と感じる方もいるかもしれません。
”死ぬまで一緒だとはよく言うけど、できることなら死んだって一緒にいたい”、と願える誰かがいる方を応援するような作品です。
「とっとと死ね」という言葉だって、シチュエーションによっては愛の囁きになるんじゃないか、という思い付きから書きました。
性癖に刺さる。刺さりました。「うるせぇとっとと死ね」物語の起点から最後まで、すごく好きです。
清藤由希と沢渡くるみは幼稚園来の親友だった。
小中高と毎日一緒に学校に通い、放課後は一緒に寄り道をして帰り、休日もどこかへ遊びに行く。互いの家にもよく行き来をして、もはや家族と言っても差し支えない間柄だ。
あるとき二人は気付く。もしかして、相手は私のことを好きなのでは、と。
戸惑いながらもその気があるのなら付き合ってもいいかなと考えた二人は、しかし自分から言い出すことには抵抗があった。勘違いだと困るし、なにより相手から告白された方が将来マウントを取れると思ったからだ。
二人はそれぞれ相手に好きと言わせるために策を講じることにした。
一方が百合マンガをわざと相手に見るともう一方は結婚情報誌を相手に見せる。
一方が映画のラブシーンで気持ちを高ぶらせようとすると寝たふりをしてこれを回避。さらには相手のいたずらを誘おうとする。
一進一退の攻防を続けるなか、いつもと違う様子の二人を見てクラスメイトからケンカをしたのかと心配をされる。
心配をかけまいといつも通り由希の体に触るくるみ。このとき二人はいつになく高ぶる自身の心臓の鼓動を聞いた。
その日の帰り道、二人は自然と心を通わせて手を繋ぐのだった。
尊い。読んでいて自然に笑いがでてくる言葉選びとテンポが好印象でした。
佳作
賞品:Amazonギフトコード2,000円分
日々原ナズナは百合を嗜む淑女である。そして、ナズナの幼馴染である入須リコは小説投稿サイトで百合作品を投稿する百合作家であった。ひょんなことから幼馴染が百合小説家であることを知ったナズナは、ファンとして陰ながら応援することを心に誓う。穏やかな百合ライフを送るナズナであったが、リコが投稿した一つの百合小説が彼女の人生を大きく変えることになる。タイトルは「リコリスの花言葉」。それは、「ナズナ」という少女をヒロインにした恋愛小説であった。
百合作品が好きな気持ちがストレートにあらわれている。やさしいせかい。
「――ではまた来週のニュースキャッチ・ナインで」
 凛とした声がスタジオに響いて、沈黙の時間が数秒続く。3歳年下の彼女が告げるその声を合図に、番組は終わりを告げた。

 キー局、ゴールデンタイムのニュース番組『ニュースキャッチ・ナイン』のお天気コーナーを担当する上田紘子は、同じ番組でメインキャスターを務める広瀬季衣アナと共にスポーツコーナーを担当する有原アナからスポーツバーに行かないかと誘われる。スポーツ観戦が苦手な上田はそれを断り、その場を去ろうとするが、残してきた広瀬アナの様子がどうしても気になってしまっていた。
 翌日、お天気コーナーで流星群の話を持ち出し、さり気なく広瀬アナが有原とスポーツバーで夜を過ごしたのか確かめてしまう始末で、上田は年下の女の子に嫉妬するだなんてと自分を責めてしまう。
 そんな気分を紛らわせようと、上田は休日に科学館の企画展を見に出かけようとするが、そこには偶然広瀬アナがいて――
 お天気おねえさん×女子アナの、不器用な恋愛ストーリー。随所に散りばめられたお天気要素にも注目です。
大人女子の解像度が高いな、と思った(成人男性)。ビジュアルの描写にリアリティがある、と思った(成人男性)。
アルファの少女たちが通う女子高のクラスメイト、ココとマユ。ふたりが通学に使う電車には、黒い首輪をした少女がいつも姿を現す。彼女の姿が見えると、車内はいつも騒がしくなる。彼女がオメガなのか、運命の相手はもういるのか……。ロマンスに興味のある年頃の少女たちの想像が、あちこちで飛び交う車内で、マユはそれを「バカみたい」と一蹴する――。
描写が大変読みやすく、オメガバースの設定をしっかり活用している。危機からの脱出の仕方がややあっさりしているが、展開にも起伏があってよくまとまっている。
歯科技工士の裕子にはかつて頼れる先輩、ソラがいた。だがソラはある日、心身を壊し職場からも裕子の前からも姿を消してしまう。12年後、ソラと同様に壊れかけていた裕子のスマホにメッセージが届く。それはソラからだった。ソラはいま北海道で害獣駆除のハンターをしているという。灰色の日常を変えられるかもしれない、なによりもソラに会いたいという一心から、裕子は見学させてもらえないかと頼む。ソラは快諾する。ソラはただのハンターではなく、それによって利益をあげる持続可能なビジネスモデルを築き上げる起業家となっていた。ソラは、本当はもっと会社が軌道に乗ってから、あらためて誘うから、もうすこしだけ待っていてくれないかと言う。だが裕子は、ソラと一緒に苦労がしたいと申し出る。今度は後輩としてではなく、ともに歩んで会社という「子供」を育てるソラのパートナーになりたかったのだ。ソラも了承する。12年の時を経て、ふたりはようやく隣を歩く相手を見つけたのである。
登場人物の職業がリアルに描写されているが、決して説明的になりすぎず、読んでいて興味深い。百合を匂わせる描写はあまり多くはないけれど、それでも十分だと思わせてくれるのが凄い。
空飛ぶハンマーヘッドシャークが日本の夏の風物詩になって早十数年。

主人公の葉月は中学生最後の夏休みを、祖母の家でだらだらと過ごしていた。そんなある日、葉月の目の前に空から一頭のハンマーヘッドシャークが落ちてくる。しかもその口から楓夏と名乗る少女が飛び出してきて、巨大なフカヒレと引き換えに葉月にとある依頼を持ちかけた。なんでも楓夏はこれからの十日間で、自身を吐き出したハンマーヘッドシャークの肉をすべて食べつくさなければいけないらしい。ハンマーヘッドシャークに伝わる通過儀礼なのだという。
さまざまな困難を乗り越えた葉月は、必死に通過儀礼をこなそうとする楓夏に触発され、夏休みをだらだらと過ごしている自分を反省するようになった。幼いころ好きだったが頭の悪さから諦めていた天文学の道を、再び目指してもいいのではと思うようになった。
そして最終日。葉月は、楓夏といっしょにペットボトルロケットの打ち上げを成功させ、ハンマーヘッドシャークに戻った楓夏の背中に乗って自らも宇宙を泳ぎ回りながら決意する。もう一度、次は楓夏がいなくたって、宇宙に行ってやる、と。
楓夏を見送った葉月は、楓夏の形見であるハンマーヘッドシャークの頭部を自らの人生の指針として大事に携えながら、己の道を歩みだす。
起きてること全部が普通じゃないけれど、戸惑うより面白さが勝つ。作者の感性と構成力がすごい。
1975年4月17日,カンボジア共産党ポル・ポト派,通称クメール・ルージュはカンボジアの首都であるプノンペンを占領し独裁政権を樹立させた。
荒廃した首都で目を覚ました5歳の少女ペイファは街から逃げ出す途中,同い年の少女ケツァナと出会う。二人は行動を共にすることになり,原始共産制の旗の下,強制労働と虐殺で地獄と化した4年弱を助け合いながら生き延びる。
「腐った林檎は箱ごと捨てなければならない」として医者,教師を始めとした知識人は皆殺し。歌を歌った人間,時計が読める人間,眼鏡をかけている人間,美人なども粛清。大人たちは次々と消え,いつしか洗脳教育を施された子供たちが人口の大半を占めるようになった。
1979年1月6日,カンボジア・ベトナム戦争のさなか,来るはずのない2つの台風がインドシナ半島を直撃。カンボジアへ侵攻していたベトナム軍は撤退を余儀なくされ,終わるはずだった独裁政権が首の皮一枚で繋がってしまう。
どうしよう……。
愛憎の巨大感情が爆発していて良かった。
佐原霧絵は、芸術がわからない芸大生。孤独にまみれ、学内のハンバーガーショップで暴食を繰り返していた彼女は、あるとき名も知れぬ美しい先輩に『写真の被写体になってほしい』と頼まれる。
突然、自分の存在が求められたことに喜ぶ霧絵だったが、先輩が必要としていたのは彼女の『食べている姿』だった。先輩に心惹かれる霧絵は、撮影のたびエスカレートする要求に答えていく。
しかしラブホテルでの撮影を終えたその時、限界がおとずれた。霧絵は撮影以上の行為を求め、拒絶されてしまう。心に蓋をした彼女は、この関係の正体が芸術だと信じ、作品の展示を心の支えにするのだった。
展覧会当日。霧絵は先輩の写真を探し求める。しかし彼女の目の前にあったのは、自分の写真ではない、ただの空の写真だった。事情を問いただすと、先輩は真相を明かす。これまでの撮影は芸術ではなかったこと。霧絵のことを愛していること。ただ、なにもかもが遅すぎた。霧絵は先輩に失望し、踵を返して立ち去ってしまう。
それから霧絵は、ひとりだけになっても撮影を続けた。思い出の先にある姿を求め、先輩に真の芸術を捧げるために。再び情熱を囁き合う日を夢見て、霧絵はシャッターを切り続けるのだった。
恋愛感情を芸術と置き換える描写、写真を撮ることと、食べる行為で繋がる二人の関係性。間接的な表現力が素晴らしく、完成度が高い。
ミッションスクール聖ルチア女学園高等部二年に所属する二人の少女、睦月亜衣と嶋利和音がとある日の放課後から消息を絶つ。二人が学内でも有名な恋人たちであったこと、名士の娘である亜衣に見合い話が持ち上がっていたこと等から駆け落ちとみられた二人の出奔を、ルチアの乙女たちのある者は憧れのまなざしみつめ、またある者は冷笑する。乙女たちがさんざめく学園の中で唯一二人の出奔の真相を知るのは、物語の語り手である「私」だけ。いつ何時でも私に見られることを嫌悪した二人は、視線を感じる学園から逃げ出そうとしたのがそれだが、二人のことを語ることが存在意義の私は物語世界の枠を踏み越えてまで逃げる二人につきまとい、二人の行動をつぶさに語ろうとする。亜衣と和音の二人は当然逃げに逃げる。
語り手であることから私が優勢のように思われたこの勝負だが、油断と慢心をつかれて私は逆に聖ルチア女学園の出てくる物語の世界に番人である読み手とともに名もない一少女という立場で閉じ込められてしまう。登場人物兼語り手になってしまった私にはもはや物語の外に出てゆく力はなく、読み手とともにその世界で暮らすしかなかった。
そういった理由から読み手のことをきらっていた私だが、私がノートにしたためる物語を通じて距離が縮まってゆき、いつしか二人の意識が亜衣と和音のものになっていることに気付く。読み手の誘導によってそう語らされていたことに気付いた私は、それを受け入れ最終的には睦月亜衣に変化する。そしてともに嶋利和音になった読み手とともにもう一度学園の外に出るのだった。
語り手に人生を決められている主人公たちが、そこから逃れようとする設定もさることながら、物語の構成力の高さに舌を巻いた。
「さくちゃん、わたしな、女の子が好きかも知れん」
小六のある日、「わたし」は幼馴染の「さくちゃん」にそのことを打ち明けた。シロツメクサを編むのが好きな、ちょっぴりクールで大人びていたさくちゃんがそれを受け止め、認めてくれたことで、わたしの人生はもう全部「大丈夫」になったのだった。それからだんだん年を重ね、中学生、高校生、そして社会人と成長していく間も、わたしとさくちゃんはずっと一緒にいた。中学校のクラスが離れても、さくちゃんが男に告白されても、高校が別れ別れになっても、さくちゃんが花屋さん、わたしが地元の小さな会社で働き始めても、わたしたちが離れることはなかった。
そして、ある寒い日に、わたしはようやく気づくことになる。女の子が好きなわたしが、手をつないでデートをしたりキスをしたり、その先のもっとエッチなことをしたいと思う相手──それは、ずっとそばにいてくれたさくちゃん以外には考えられない、ということに。恋に気づいたわたしは、大きなうれしさと一抹の悲しさを胸におぼえながら、真っ赤になったさくちゃんに、生まれて初めてのキスをしたのだった。
情感やときめきを狙わず、愛のありようを追体験させてもらうような感じがした。淡々と話が進んでいくけれど、かなり踏み込んだ書き方の葛藤もあり、不思議な読後感。
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本コンテストでは、女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説を募集します。優秀作品には賞金が贈られるほか、月刊コミック百合姫への掲載やコミカライズ、書籍化などの展開を予定しております。
テーマ
女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説を募集します。
開催期間
2019年11月1日〜2020年1月9日 23:59
投稿形式
(1)参加方法
①pixivの小説投稿機能を使用し、女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説をお書きください。

②以下に定めるタグを設定してください。

投稿用タグ:百合文芸2

③以下のチェックボックスにチェックを入れてください。
表現内容:オリジナル作品

④シリーズのあらすじ、もしくは作品1話のキャプションに400~1,600字程度のあらすじをお書きください。

⑤上記②~④を満たした作品(小説)をpixivに投稿してください。

○こんな作品を求めています
女性同士の交流の中で生まれる、特別な親愛が描かれた作品。思わず口にしたくなるようなセリフや、心に沁みるシチュエーションに出会えることを期待しています。

(2)ご応募いただく小説(以下「応募作品」といいます)の文字数は、最終締切日(2020年1月9日23:59)の時点で(5,000文字以上~20,000文字程度)が好ましいです。連載形式(シリーズ作品)としての投稿を推奨しますが、締め切りまでに最終話を投稿してください。最終話が投稿されなかった作品は、未完結作品とみなします。連載形式(シリーズ作品)として投稿する際は、タイトルの前後に必ず番号を付けるとともに、最終話については「(最終話)」と併記してください。
(3)応募作品の内容は、日本語で記述されたもの、全年齢向けのものに限らせていただきます。
(4) 応募作品投稿時、シリーズのあらすじ、もしくは作品(複数話ある場合は1話)のキャプションに400~1,600文字程度のあらすじを記載してください(あらすじ以外の内容は記載しないでください)。シリーズにあらすじの記載があれば、各作品のキャプションにあらすじを記載していただく必要はありません。
(5) お1人様何作品(連載・シリーズ)でもご応募いただけますが、1回の投稿につき、1作品(1連載・1シリーズ)のみとさせていただきます。1シリーズの中に複数の異なる作品を投稿された場合は、選考の対象外となります。
NG例:シリーズ名を「第2回百合文芸小説コンテスト応募作品集」とし、複数の異なる作品を登録する。
(6)応募作品が受賞した場合、当該作品の元データ(保存形式は問いません)をご提供いただくことがありますので、データを削除・紛失等しないよう、ご注意ください。
(7)応募作品は、未発表・オリジナルのものに限らせていただきます。本企画の結果発表前に、応募作品が本企画以外のコンテスト等で受賞した場合には、選考対象外となります。ただし、本企画へ応募する前に、応募者自身が主催・運営するblog等のwebサイト、応募者自身で作品の修正・削除等が可能な非営利目的の小説投稿サイト(pixivを含む)、応募者自身が非営利目的で制作・発行した同人誌で発表された作品、過去に本企画以外のコンテストに投稿し選外となった作品は、未発表作品とみなされます。
受賞賞品
大賞
1名
- 賞金10万円
- コミック百合姫に扉イラスト・挿絵イラスト付きで掲載
百合姫賞
1名
- 賞金5万円
- コミック百合姫にコミカライズ掲載
SFマガジン賞
1名
- 賞金3万円
- SFマガジンに掲載
ガガガ文庫賞
1名
- 賞金3万円
- ガガガ文庫編集部の担当がつき、書籍化検討
書泉百合部賞
1名
- 賞金3万円
- 書泉百合部限定グッズ進呈
pixiv賞
複数名
- 商品券2,000円分
- コミックマーケット98にて頒布する小冊子へ収録
佳作
複数名
- Amazonギフトコード2,000円分
※未成年の方は、本応募要項への保護者の同意を得た上でご投稿ください。
※投稿する際にタグ【百合文芸2】を設定し、投稿してください。タグを設定していない場合は選考の対象外です。
※本コンテストに投稿いただくことにより、後述の日本語での注意事項に同意いただいたものとみなします。

※以下に該当する場合は選考の対象外となりますので予めご了承ください。
・応募テーマに関連のない作品。
・コンテスト指定タグが設定されていない作品。
・公開レベルを「マイピク限定」「非公開」で投稿された作品。
・投稿期間を過ぎて投稿、再投稿、編集された作品。
・その他、「応募要項の注意事項」に当てはまる作品。
1.参加資格
pixivの利用登録者であって、本応募要項すべてに同意された個人。プロ・アマは問いません。法人および複数の方による共同作品は、選考対象外となります。
※18歳未満の方は、本応募要項への保護者の同意を得た上でご投稿ください。

2.参加方法
(1)女性同士の恋愛や友愛をテーマにして、自由に作品(小説)をお書きください。

(2)以下に定めるタグを設定してください。

タグ:百合文芸2

(3)以下のチェックボックスにチェックを入れてください。

表現内容:オリジナル作品

(4)シリーズのあらすじ、もしくは作品のキャプションに400~1,600文字程度のあらすじをお書きください。

(5)上記(2)~(4)を満たした作品(小説)をpixivに投稿してください。

以上の内容をもって応募受付完了となります。

○こんな作品を求めています
女性同士の交流の中で生まれる、特別な親愛が描かれた作品。思わず口にしたくなるようなセリフや、心に沁みるシチュエーションに出会えることを期待しています。

3.選考方法
コンテスト投稿作品については、厳正なる審査の後、優秀作品を決定します。

本コンテストの結果発表は、月刊コミック百合姫6月号(2020年4月発売予定)・pixivにて行われる予定です。受賞作品においては、投稿作品およびpixivのペンネームが、pixiv公式のTwitter、Facebookページなどのpixiv公式SNSアカウントや、月刊コミック百合姫、SFマガジン等に掲載される可能性があります。
投稿者へ選考結果を個別にお知らせすることはありません。

以下の項目をすべてお読みの上、あらかじめご了承いただいてから投稿いただきますようお願いいたします。「参加方法」に定める方法により小説を投稿いただくことにより、本応募要項に同意いただいたものとみなします。

(1)以下にあてはまる作品(ペンネームを含む)は、審査対象外とさせていただきます。また、審査後に審査対象外となる事由が認められた場合、採用を取り消させていただく場合があります。本応募要項に違反した結果、応募者がピクシブ株式会社及びその他の第三者に損害を与えた場合、当該損害を賠償していただきます。
・ピクシブ株式会社、pixivの他のユーザーまたはその他の第三者の所有権、著作権を含む知的財産権、名誉、信用、プライバシー等の権利を侵害するもの(パロディ、模倣を含みます)。
・特定の個人・団体を誹謗・中傷するもの。
・わいせつ・残虐・差別に相当するもの、その他第三者に不快感を与えるもの。
・公序良俗に反するもの。
・作品を公開することが適切でないとピクシブ株式会社が判断するもの。
・未発表・オリジナルのもの。本企画の結果発表前に、応募作品が本企画以外のコンテスト等で受賞した場合には、選考対象外となります。ただし、本企画へ応募する前に、応募者自身が主催・運営するblog等のWebサイト、応募者自身で作品の修正・削除等が可能な非営利目的の小説投稿サイト(pixivを含む)、応募者自身が非営利目的で制作・発行した同人誌で発表された作品、過去に本企画以外のコンテストに投稿し選外となった作品は、未発表作品とみなされます。
・必須記載事項に記載漏れもしくは誤りがあるもの。
・その他、ピクシブ株式会社が適切でないと判断したもの。

(2)投稿作品の著作権は、投稿者に帰属するものとします。

(3)受賞者(各賞を受賞した者。以下同じ)は、一迅社および早川書房および小学館に対し、応募作品が受賞した時点(受賞者に対し弊社から受賞のご連絡をした時点又は結果発表時点のいずれか早いほう)で、受賞作品の利用(書籍化、電子書籍化、コミック化、アニメ化、実写映像化、ゲーム化、商品化、デジタル商品化等、受賞作品を翻訳・翻案・複製等したうえ利用することをいい、当該利用を第三者に再許諾すること等を含みます。以下同じ)を独占的に許諾することにつき、予め承諾するものとします。また、応募作品が受賞した場合には、受賞者は、一迅社および早川書房および小学館の事前の承諾なくして、受賞作品を自ら利用し、又は一迅社および早川書房および小学館以外の第三者に利用させることはできないものとします。

(4)投稿者へ審査結果を個別にお知らせすることはありません。なお、本コンテストの結果発表は、月刊コミック百合姫6月号(2020年4月発売予定)およびpixivにおいて行われます。受賞作品においては、投稿作品およびpixivのペンネームが、pixiv公式のTwitter、Facebookページなどのpixiv公式SNSアカウントや、月刊コミック百合姫等に掲載されます。
(5)投稿者は受賞の有無にかかわらず、コンテストへの投稿作品、作品コメントおよびpixivのペンネームの全部または一部が、pixiv公式のTwitter、Facebookページなどのpixiv公式SNSアカウントや、ピクシブ株式会社、株式会社一迅社、株式会社早川書房、株式会社小学館の運営するWebサイト、書籍等の媒体に転載、またはイベント等に展示される場合があることを、あらかじめ承諾するものとします。転載内容は一部翻案・改変する場合があります。
(6)一度投稿された作品の取消を行うと、選考の対象外となります。
(7)ピクシブ株式会社は、作品の投稿に際して生じた諸費用に関して一切負担しません。
(8)ピクシブ株式会社は、本コンテストへの投稿に際していただいた全ての情報を、本コンテストおよび選考作品の投稿者への連絡のためにのみ使用するものとします。また、投稿者の個人情報について、株式会社一迅社は株式会社一迅社のプライバシーポリシー、株式会社早川書房は、株式会社早川書房のプライバシーポリシー、株式会社小学館は、株式会社小学館のプライバシーポリシーに基づき取り扱うものとします。なお、ピクシブ株式会社は、本企画および第11項に規定する各種使用・利用を実施する目的のため、本企画主催の2社(ピクシブ株式会社、ピクシブ株式会社及びその関連子会社(ピクシブマーケティング株式会社、ピクシブプロダクション株式会社を含みますが、これらに限られません)に対し、応募者の個人情報を開示する場合があります。また、本企画への応募に際し、新たにpixivに会員登録した応募者が入力した個人情報は、上記による利用の他、ピクシブ株式会社がpixivの会員情報として、自らの責任により保管・管理・利用いたします。

4.諸権利について
(1)応募作品の著作権は、応募者に帰属するものとします。但し、ピクシブ株式会社は応募作品の全部又は一部を、本企画の広告宣伝物に複製等して、無償かつ無期限で使用すること(応募作品に変更を加えたり、応募作品を翻訳したりして使用することを含みます)ができるほか、当該行為を第三者(以下「再許諾先」といいます)に許諾すること等ができるものとし、応募者は、この旨予めご承諾いただくものとします。また、この場合、応募者は、ピクシブ株式会社及び再許諾先が、当該応募作品の応募者名(pixiv上のペンネーム)を明記・明示して使用することができることにつき、予めご承諾いただくものとします。
(2)受賞者は、応募作品が受賞した時点(受賞者とピクシブ株式会社との間で、受賞に伴うフォームの申請等の手続きが完了した時点)で、ピクシブ株式会社および各賞の主催者に対し、受賞作品の利用(書籍化、電子書籍化、コミック化、アニメ化、実写映像化、ゲーム化、商品化、デジタル商品化等、受賞作品を翻訳・翻案・複製等したうえ利用することをいい、当該利用を第三者に再許諾すること等を含みます。以下同じ)を独占的に許諾することにつき、予めご承諾いただくものとします。また、応募作品が受賞した場合には、受賞者は、ピクシブ株式会社の事前の書面による承諾なくして、受賞作品を自ら利用し、あるいはピクシブ株式会社および各賞の主催者以外の第三者に利用させることはできないものとします。

5.免責事項
(1)投稿者は、自己の責任において本コンテストに投稿するものとします。
(2)ピクシブ株式会社は、投稿者の本コンテストへの投稿、選考また、投稿者とその他の第三者との間で生じたいかなる紛争についても、その原因の如何を問わず、いかなる責任も負担しないものとします。
(3)本コンテストは、システムのメンテナンス等ピクシブ株式会社が必要と判断した場合には、事前に何ら通告なく休止する場合があります。
(4)ピクシブ株式会社は、投稿者が本コンテストに関して被ったいかなる損害(本コンテストの中断、停止または廃止を含み、これに限定されない)についても、その責めを負わないものとします。
(5)本応募要項に定めるピクシブ株式会社の免責については、損害発生の直接的原因となる事由がピクシブ株式会社の故意または重過失による場合には適用しないものとします。

6. お問い合わせについて
(1)本コンテストに関するご意見、ご質問がございましたらこちらまでご連絡ください。
(2)お問い合わせいただく際は必ず「返信先メールアドレス」「ペンネーム」「問い合わせ内容」をご記入ください。また、件名は必ず「第2回百合文芸小説コンテストについて」としてください。
(3)電話でのお問い合わせはご遠慮ください。
(4)選考結果についてはお答えできません。

7.準拠法と裁判管轄
本コンテストおよび本応募要項に関する事項には日本法が適用されます。また、本コンテストおよび本応募要項に関するピクシブ株式会社と投稿者との間の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。

1. 応募の決まりを確認しよう
応募条件はコンテストごとに違います。
よく読んで、作品の構想を練りましょう。
2. テーマにそった作品をつくろう
女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説を募集します。
開催期間:2019年11月1日〜2020年1月9日
投稿形式
(1)参加方法
①pixivの小説投稿機能を使用し、女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説をお書きください。

②以下に定めるタグを設定してください。

投稿用タグ:百合文芸2

③以下のチェックボックスにチェックを入れてください。
表現内容:オリジナル作品

④シリーズのあらすじ、もしくは作品1話のキャプションに400~1,600字程度のあらすじをお書きください。

⑤上記②~④を満たした作品(小説)をpixivに投稿してください。

○こんな作品を求めています
女性同士の交流の中で生まれる、特別な親愛が描かれた作品。思わず口にしたくなるようなセリフや、心に沁みるシチュエーションに出会えることを期待しています。

(2)ご応募いただく小説(以下「応募作品」といいます)の文字数は、最終締切日(2020年1月9日23:59)の時点で(5,000文字以上~20,000文字程度)が好ましいです。連載形式(シリーズ作品)としての投稿を推奨しますが、締め切りまでに最終話を投稿してください。最終話が投稿されなかった作品は、未完結作品とみなします。連載形式(シリーズ作品)として投稿する際は、タイトルの前後に必ず番号を付けるとともに、最終話については「(最終話)」と併記してください。
(3)応募作品の内容は、日本語で記述されたもの、全年齢向けのものに限らせていただきます。
(4) 応募作品投稿時、シリーズのあらすじ、もしくは作品(複数話ある場合は1話)のキャプションに400~1,600文字程度のあらすじを記載してください(あらすじ以外の内容は記載しないでください)。シリーズにあらすじの記載があれば、各作品のキャプションにあらすじを記載していただく必要はありません。
(5) お1人様何作品(連載・シリーズ)でもご応募いただけますが、1回の投稿につき、1作品(1連載・1シリーズ)のみとさせていただきます。1シリーズの中に複数の異なる作品を投稿された場合は、選考の対象外となります。
NG例:シリーズ名を「第2回百合文芸小説コンテスト応募作品集」とし、複数の異なる作品を登録する。
(6)応募作品が受賞した場合、当該作品の元データ(保存形式は問いません)をご提供いただくことがありますので、データを削除・紛失等しないよう、ご注意ください。
(7)応募作品は、未発表・オリジナルのものに限らせていただきます。本企画の結果発表前に、応募作品が本企画以外のコンテスト等で受賞した場合には、選考対象外となります。ただし、本企画へ応募する前に、応募者自身が主催・運営するblog等のwebサイト、応募者自身で作品の修正・削除等が可能な非営利目的の小説投稿サイト(pixivを含む)、応募者自身が非営利目的で制作・発行した同人誌で発表された作品、過去に本企画以外のコンテストに投稿し選外となった作品は、未発表作品とみなされます。
3. できた作品に「百合文芸2」タグをつけて投稿しよう
投稿する前にもう一度、投稿形式が応募条件を
満たしているかチェックしましょう。
4. 応募完了!
審査が終わるまでお待ちください。
コンテスト結果が発表されると通知が届きます。
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