▼月刊コミック百合姫とは
毎月18日発売、女の子の思いを描いた唯一無二のガールズラブ専門誌です。 百合姫コミックスも雑誌と同じ毎月18日発売。雑誌・単行本ともに電子書籍も同時発売中。
http://www.ichijinsha.co.jp/yurihime/

▼SFマガジンとは
早川書房が発行しているサイエンス・フィクション専門雑誌。
https://twitter.com/Hayakawashobo

▼ガガガ文庫とは
物語の新次元へ! 小学館ガガガ文庫は2007年5月に創刊した少年向けエンタテイメントノベル文庫です。
https://gagagabunko.jp/

▼書泉百合部とは
書店「書泉」の百合好きスタッフが、百合作品を盛り上げる為に結成した部活動。
各店舗で棚の展開等を行い、ツイッターでも随時百合作品の情報を発信している。
https://twitter.com/shosenyuribu/

募集部門

短編部門
本文文字数:5,000字以上~19,999字以下

中・長編部門
本文文字数:20,000字以上~120,000字以下

※pixiv上に表示される本文の文字数により、自動的に応募部門が振り分けられます

書泉百合部×pixiv

「第3回百合文芸小説コンテスト Twitterプレゼン会」開催!

<募集テーマ>
「第3回百合文芸小説コンテスト」に投稿されているおすすめ作品。
自薦・他薦は問いません。
素晴らしい百合文芸小説を、全国の百合ファンにおすすめしましょう!

<内容>
読者の皆様から寄せられた オススメの「第3回百合文芸小説コンテスト投稿作品」について、
書泉百合部部長とpixiv小説編集部員が、Twitter上でコメントしたり話したりする企画です。
※本企画はコンテストの選考には一切関係ございません

<参加方法>
①「第3回百合文芸小説コンテスト」のコンテストページをご覧頂き、
あなたがおすすめしたい投稿作品を選んでください。
②①の作品URLと感想やオススメポイントを、あなたのTwitterアカウントから
ハッシュタグ「#百合文芸3プレゼン会」をつけてツイートしてください。

<日程>
オススメ作品募集期間:2020/12/28(月)14:30~ 2021/1/25(月)12:00
コメント期間: 2021/1/15(金)~ 2021/2/1(月)23:59予定

第3回百合文芸小説コンテスト 受賞 posts
2020年11月17日(火)~2021年1月31日(日)まで開催しておりました、コミック百合姫×SFマガジン×ガガガ文庫×書泉百合部×pixiv「第3回百合文芸小説コンテスト」の受賞作品がついに決定しました。
女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説を募集した本コンテストでは、1,200作品以上の応募作が集まり、800名以上の方にご参加いただきました。たくさんのご応募ありがとうございました。
Read application conditions
大賞
賞金10万円、コミック百合姫に扉イラスト・挿絵イラスト付きで掲載
ある女学校の高等科では、「菫の姫」と呼ばれ学園中の憧れを集める女生徒がいた。
しかし、少女たちの憧れが過熱し崇拝へと変わりゆくなかで、「菫の姫」は突如としてその命を失ってしまう。
残された少女たちは深い哀しみの果てに「自分こそがもっとも菫の姫に愛されていた」と互いに主張し始めるが、
次第にその想いは歪んでいき、やがて狂乱した一人が「己の手で菫の姫を殺害した」と証言したことをきっかけに、他の少女たちも連鎖的に「私こそが菫の姫を殺した」と虚偽の供述を口にし始める。
女学校の閉じた世界に次々と生み出されていく「菫の姫」の殺害証言。
少女たちはさまざまに「菫の姫」との記憶を創り上げ、その殺害について語るが、その中にひとつとして真実はなく、
ただ「菫の姫」に向けられた強い愛と執着だけが浮き彫りになるのみである。
学園で唯一「菫の姫」を崇拝していなかった少女は、学園の狂気から親友を救うため、少女たちの証言を記した調書を紐解き始める。少女はどれほどの調書を目にしても「菫の姫」の魔性にあてられなかったが、親友の調書を読んだことをきっかけに錯乱し、ついには自らも「菫の姫」の信奉者になってしまう。そこに至るまでの手記と、狂乱した少女たちの証言調書の形を借りた、奇妙な百合虚言オムニバス。
「私が菫の姫を殺した」という、複数の証言を集めて一人の人間を語るという、読む人の興味を掻き立てる構成の妙を評価。 その上でしっかりと主人公の強い心情が伝わってくるなど、敷居が高いと感じさせないバランスもある作品だった。 こちらの第一話を含む「菫の姫を殺すまで」シリーズとしての受賞です。
コミック百合姫賞
賞金5万円、コミック百合姫にコミカライズ掲載
ある初夏の日、売れない声優YouTuberであるゆにまる。は紺野さやかという女性から「私の葬式で遺書を読み上げてほしい」と依頼される。さらに紺野は、夏の終わりを〝デッド〟に定め、時給付きで遺書の内容を決める会議に付き合ってほしいと言う。ドン引きするゆにまる。だったが、高額の報酬につられて依頼を受ける。
紺野との会議は全く会議らしくなく、ただ遊び回るだけのものだった。インスタ女子っぽい紺野を、自分とは異世界の人間だと思うゆにまる。は、最初は彼女を拒絶していた。しかし同じ時間を過ごすうち、次第に何を考えているかわからない紺野に翻弄されていく。
紺野に心を開いていったゆにまる。は、夏の終わりを前に、死ぬのやめたら、と言ってしまう。紺野は淡々となぜと問う。紺野との問答の最中、ゆにまる。は紺野にとって自分は、役に立つから好きだっただけの、誰でもいい、替えのきく存在なのだと気付く。ゆにまる。はショックを受け、紺野の前を去る。
それ以来紺野からの連絡は来ず、以前の生活に戻ったゆにまる。は、いつものように動画配信をしようとする。そこへ高額の拍手が投げ込まれてくる。アカウント名を見て紺野だと悟ったゆにまる。に、紺野から遺書の原稿が送られてくる。ゆにまる。は配信を放置して紺野のもとへ走る。
自殺する直前の紺野を見つけたゆにまる。は、泣きながらそれを止める。役に立つからと泣きじゃくるゆにまる。に、紺野は彼女を選んだ理由を語る。人を傷付ける練習をしようと思った、誰でもよかった、でもこの人なら私のせいで泣いてくれるかと思った、と。相変わらず紺野のことが理解できないゆにまる。は涙しつつも、互いを隔てるものが薄らいでいくのを感じる。
泣き疲れたゆにまる。に、紺野は今の生活を捨てて、消えるつもりだと語る。消えた後どうするかはわからない、とも。そして、一緒に行きませんかと誘ってきた。ゆにまる。は迷うが、返事をしなければならないと思い、ためらいつつ口を開く。
その後、二人は秋の山手線に乗り、品川駅で降りていった。
売れない声優YouTuberである主人公「ゆにまる。」。そんな彼女に「遺書を葬式で読んで欲しい」と依頼してきた「紺野さやか」という女性、 二人のキャラクターがしっかり立っていて魅力的に描かれている。 終盤はやや急ぎ足になってしまっていたが、二人の関係性がどうなるのか非常に気になる作品。
SFマガジン賞
賞金5万円、SFマガジンに掲載
リサはその夏の日、恋に落ちた。相手は電信柱だった。
彼女は電信柱を切る仕事をしていた。その電信柱はまごうことなき女性で、どの電信柱にもない気品に満ち溢れた姿をしていた。リサはその電信柱を切ることができず、咄嗟に作業を後回しにしてしまう。
迷ったリサは、その電信柱のすぐ横にある家の主に相談をしに行く。私有地にすることなどを提案するが断られてしまう。しかし、家主の厚意で、しばらくその家の庭から電信柱を眺めてもよいことになる。
夫妻はよい人たちで、その奥さんはリサと同郷でもあり話に花が咲く。リサは自分が電信柱を切る仕事を志した訳を奥さんに語る。母は助産師で、物心ついた頃からリサはその手伝いをしていた。記憶に残っているのは、死産をしても「ありがとうございました」と頭を下げる産婦の姿だった。リサは自分が電信柱を切る仕事を選んだのは、そんな母を汚したかったからだと話す。
夫妻はその電信柱に電気を通すことで、切り倒す対象から外すことにする。リサはその電信柱の姿を見て言葉を失う。そして最後に、夫妻に向かって「ありがとうございました」と頭を下げ、そして二度とその町へ戻らなかった。
電信柱と、それを切り倒す職人の百合。生物と無生物の関係性、家主の夫妻の視点を通じて描かれる物語など、本コンテストではあまり他に類を見ない題材でしたが、強く切実な百合を感じました。虚実の入り交じる舞台設定も滋味深く、この分量で多くの背景を想像させる巧みさがあります。本作を読み終えたとき、道ばたの電信柱1本1本に対する読者の感情も変化するのではないでしょうか(私は変わりました)。
ガガガ文庫賞
賞金5万円、ガガガ文庫編集部の担当が付き、書籍化検討
昭和六十年。中学二年生の桂木真弓と藤堂和枝は、いわゆる「スケバン」だった。教師には目の敵にされ、同級生たちからも白眼視されている。複雑な生い立ちがあり、孤独を抱えた真弓と和枝は、寄り添うように学校生活を送っていた。
 ある日、真弓はクラスメイトの小松佐恵子がいじめに遭っているところに出くわし、なりゆきで彼女を助ける。

 数日後の身だしなみ検査で、真弓は反抗的な態度をとり、教師から体罰を受けた。それが引き金となり、ひどい腹痛に襲われた真弓は、佐恵子に付き添われ保健室にいく。
 いじめが怖くて教室に戻るのをしぶる佐恵子を、真弓は学校の外に連れ出す。しかし、校外で腹痛がぶり返し、真弓は救急車で病院に運ばれることとなった。
 真弓の腹痛は虫垂炎のせいだった。真弓が佐恵子を誘って学校を抜け出したことを知り、和枝は嫉妬と焦燥をいだく。

 退院した真弓が学校に戻ると、佐恵子へのいじめがエスカレートしていた。
「親に心配をかけたくない」と拒む佐恵子を説得して、真弓は彼女の親にいじめのことを話しに行く決意をする。
 スケバンの姿のままでは、話を聞いてもらえないだろうと考えた真弓は、髪を黒く染め、スカートを校則通りの長さにした。
 その姿を見た和枝は愕然とし「あたしを置いていくのか」と、不安を真弓にぶつける。そんな和枝に「ぜったいに戻ってくる」と約束して、真弓は佐恵子の家に向かった。

 真弓が付き添うことで、佐恵子もようやく「学校から逃げたい」と、親に本心を伝えることができた。
「大切に育ててもらったのに、じょうずにやれなくてごめんなさい」と泣く佐恵子。自宅への帰り道、真弓は佐恵子の言葉を思い出し、自分もどれだけ母親に心配をかけてきたのだろうと、ひとり涙を流した。
 家の前では、和枝が待っていた。不安そうに「帰ってこないかと思った」と呟く和枝。そんな和枝に「一番のダチはおまえだ」と真弓は伝える。和枝も「真弓に置いていかれたくないから」と、スカートを短くする決意をする。

 教師たちの熱心な指導のおかげで、真弓は商業高校へ、和枝は普通科の高校に進学した。高校卒業後、バブルの波に乗って真弓は大手企業に就職。和枝は「男に頼らず、女も手に職をつける時代だ」と、放射線技師を目指す。
 一方、中三で他校に転校した佐恵子は、学力を存分に発揮し、県外の名門大学に合格した。三人は過去に決着をつけ、胸を張ってそれぞれの道を歩んでいく。
スケバンを語る語彙が秀逸!ライブ感あります。学園ものでありながら登場人物の家庭の描写もいきいきとしていて、青春映画の良作の手触りです。 こちらの第一話を含む「絶対安全不良少女」シリーズとしての受賞です。
書泉百合部賞
賞金3万円、書泉百合部限定グッズ
高校3年生の主人公・山田(ヤマちゃん)には同級生に佐藤という友人がいた。佐藤はこの世の美しさの概念をかき集めて形にしたような少女だ。学校の大勢が彼女に目を奪われ、褒め称え、恋をする。山田もそのうちの1人である。山田の事を大切に思う佐藤はそれに気づかないフリをして、告白されないように努めていた。
卒業式も迫ったある日、山田は「最後に美しい佐藤との日々をこの感情で汚して、全部終わりにしよう」と考え、告白を実行する。だが佐藤は山田の意図に反してそれを承諾した。困惑しながら山田と話すうちに、彼女の様子から、佐藤が山田に恋愛感情を持つ日は訪れず、自分の行動で山田の美しさが損なわれる事など絶対にありはしないのだと悟ってしまう。そして、山田は佐藤を一方的に汚したかったのではなく、佐藤からも汚い感情を返して欲しかったのだと気づく。佐藤と決別し逃げ出した帰り道には、3年間で積み重ねた美しい思い出と佐藤の笑顔がこびりついていた。
初めて人を好きになった時の独りよがりな感情を短編でここまで想像させる人物描写が凄いです。超エモーショナルな読後感の青春百合でした。筆力を感じるので、別作品も読んでみたくなりました。
pixiv賞
pixivオリジナルデザインAmazonギフトカード2,000円
とある高校の写真部の、先輩と後輩の、卒業式の日のお話。
その先輩は写真を撮ることにしか興味がなかった。一つ下の後輩は、そんな先輩に興味津々だった。後輩は学校見学の時に先輩と先輩が撮った写真と出会い、興味を持ったと同時に進学を決めて入学した。写真には興味ないのに写真部に入部し、先輩を追っかけた。先輩は、そんな後輩を不思議に思いつつも、荷物持ちに便利だな、と思っていた。
先輩が撮る写真は風景ばかりだった。春、夏、秋、冬。どの季節であろうと、先輩が美しいと思うものだけにカメラは向けられた。シャッターを切る先輩の横顔はツンとして近寄りがたいが美しく、後輩はそれを満足げに眺めた。写真が出来上がっていくのを、ただ見守った。「次はどこにいきましょうか」。先輩のあとをついていきながら、後輩は尋ねる。「どうしようか」。先輩には計画性が無かった。美しいと心が動いた瞬間に撮ればいいと思っているらしく、遠出をするにしても思いつくまま電車に乗って、適当に降りて、適当に歩いて、といった感じで、下調べとかはしないらしかった。それに付き合うのも後輩は楽しかったが、ある日の会話で「隣の県に湖がありますよ」と言ってみた。「湖」「朝日の反射が綺麗らしいです」「朝日の反射」。先輩の返事は反芻ばかりで、碌な発展がない。しかも表情が乏しい。けれど、先輩を毎日追っかけている後輩には、先輩がワクワクしているのがわかったので、「じゃあ次はそこにしましょうか」と次のお出かけ先を決めた。そのまま、後輩が場所のセッティングをするのが常になった。
後輩が調べた場所を巡りながら先輩が写真を撮る日々を過ごす内に、二年の高校生活が過ぎた。今日が先輩の卒業の日。早朝、後輩は早く家を出た。なぜなら前日に雪が降ったから。先輩がこの機会を逃すはずがないと思った。予想通り、先輩は雪景色を撮っていた。手先が凍える寒さなど微塵も感じない、ただカメラのレンズを真剣に覗いている。この横顔を見るのも今日で最後か、と後輩は思った。寂しいと言ったところで、きっと先輩には伝わらない。先輩の心がレンズ越しの風景でしか動かされないことを、後輩は誰より知っている。否、知っていたはずなのに。先輩は「ねぇ、最後の記念に撮ってあげよっか?」と言い出した。後輩は慌てた。先輩が風景以外のものを撮ることが信じられなかった。「でも先輩、人は撮らないって……」「この子では撮らないけど、スマホならいいよ」。先輩はスマホを撮りだし、後輩に向けた。ピピッと機械音が響いた。後輩は先輩が自分に向けたスマホの画面を見た。真っ赤な顔した後輩が居た。後輩の目に涙が滲んだ。「コレ、ちゃんとあたしに送って下さいね」。先輩の視界に自分が写っていることが嬉しくて、後輩は初めて先輩にお願い事をした。最後になんてしてあげない、と思いながら。
これぞ学生百合の王道! 先輩・後輩サイド両方を書くとともに回想シーンも挟む事で先輩と後輩お互いの出会いから別れ、今この時の二人の感情がとても伝わってきました。これには私も百合見守りオジサンになって思わずニッコリです。この二人のその後も読んでみたくなるとても良い作品でした。
『「ああセックスセックス!」 あたしは嗚咽した。嘔吐した』――教育実習中の大学生、せりは、飲み屋のトイレで泣きながら嘔吐する。片思いの相手、『曽根崎心中』を美しく読む女、鈴代涼が二次会のさなか、男に持ち帰られたからだった。顔さえ知らない男、兎丸に涼を奪われ、せりは苦しむ。しかしせりの友人、セックスジャンキーの晶は兎丸から3Pに誘われたと明かし、ホテルへ行き涼を連れて逃げろと提案する。せりは悩むが、涼を奪い返すと決意する。
 ホテルでは涼と兎丸のセックスが既に始まっており、せりは絶望し、トイレで嘔吐する。すると晶がふたたび、兎丸を薬で眠らせて涼を連れていくよう提案する。せりが疑問をぶつけると、晶はせりへの親しみやセックスへの愛情を語り、ベッドルームへ飛び込んでいく。
 ベッドルームで、せりは重なって眠る三人を前におびえる。全裸の涼の美しさ、なやましさに苦しみながらも服を着せ去ろうとしたとき、兎丸に呼び止められる。彼は嬉々として自身の薬物への耐性を語り、何をおもい涼をつれていくのか、せりへ問いかける。せりがこたえに窮するうち、目覚めた晶が、兎丸の相手をしているうち逃げるように言う。せりは涼を背負い、ベッドルームをあとにする。
 涼を連れたせりはやがて人気のない公園にたどり着く。眠る涼を眺めながら、兎丸の問いをくり返す。しかし突然、酔った涼がせりを抱きしめキスをせまる。せりは悩むが、涼をこばむ。ふたたび眠った涼のかわいさに、せりはひとりで泣く。
 翌朝、せりは自身のベッドで眠る涼に感動し、朝食を用意しようと考える。準備をしているうちに涼は目覚め、シャワーを浴びはじめる。しかし涼はずぶ濡れのままバスルームから出てくると、全裸でせりを追い詰め、昨夜のすべてを思い出したと語る。涼は自らがセックス依存症であると打ち明け、せりの目的を問う。せりは、涼を救いたいとこたえる。何も知らないと反論する涼へ、せりは自らがストーカーであり、そういう生き方しかできない苦しみから救われたいと告白する。話し終えたせりは、すべてが終わったと思いながら涼の美しさを眺める。しかし涼は、どのように救われるかたずねる。愛がすべてを変える、とせりはこたえる。涼はセックスが好きだと語り、しかしそこが自分のいたい場所ではないのではないかと、苦しみを吐露する。涼はせりを受け入れ、友だちから、一緒に変わっていこうと言う。せりは歓喜したのち、愛ですべてを変える、そのおそろしさをおもう。
 数日後、せりは涼とのできごとを、親しみを築いた晶と兎丸へ話す。せりを励ましてふたりが去ると、涼がやってきて、初デートがはじまる。
 水族館のイルカショーを楽しみ、せりはデートの成功を確信する。しかし涼がトイレへ行くと、柱の影でセックスをしている男女を目にする。せりはかれらの誘いから逃げるが、性のにおいに導かれトイレへむかうと、個室から聞こえたセックスの音に絶望し、嘔吐する。そのとき別の個室から涼があらわれ、せりを優しく介抱する。涼は個室を思い切り殴り、せりを連れて逃げ出す。水族館のそこかしこでおこなわれるセックスのただ中を走りながら、せりは涼を疑ったことを打ち明ける。涼もまた、せりを疑っていると明かしながら、少しずつ変えればいいと強く言う。せりは出口の手前で立ち止まり、決意をして、ほんとうに恋をしたと涼へ告白する。涼はほほえみ、かわいいとせりへ言う。せりは泣きながら、ふたりでいこうとこたえる。
するすると頭に入ってくる言葉と滑らかな映像喚起力!文章の美しさに息をのみました。百合ファンの枠を超えて読まれる力を感じました。エネルギーたぎる文体と大学生百合ならではの酒・セックス描写に元気があります。
ある夏、祖母が死んだ。
 祖母と薄いつながりしか持たないゆき。そして祖母に複雑な感情を抱く叔母。ゆきと叔母、二人で共に彼女の遺品整理をすることになる。雑多なものを片付けるうち、祖母の昔使っていた寝室で「ゆきちゃんへ」と書かれた手紙を見つけるゆき。祖母と繋がりの薄かったゆきはなぜ自分に祖母が手紙を遺したのか分からない。祖母の真意を追ううちに、その手紙が遺言であることがわかる。好奇心にかられたゆきは、祖母の遺言について調べていくうちに、祖母と、祖母の幼馴染み、下女。三人が関わった過去の事件について知ることとなる。それによって明らかになったのは、祖母が手紙に込めた優しい嘘と、告発と、贖罪だった。祖母の想いを受け取り、遺言を野焼きで燃やすことにするゆき。
 その彼女に叔母は「ああ、やっぱり」と告げる。叔母は、祖母を憎み、想うあまり遺言に細工をしていた。遺言は孫のゆき宛てではなく、祖母の幼馴染みのゆき宛てだったのだ。「許せなかった」と呟く彼女をあとに、祖母の想いは煙となって空に立ち上っていった。
主人公同様「祖母の過去に何があったのか」引き込まれる上質なミステリーでした。また過去に心を置き去りにしたまま亡くなった祖母とその彼女を許せない叔母の描写も見事で、現在まで続くそれぞれの報われない関係性が上手く表現されていました。
主人公は病室で目を覚ますと、自分の頭の中で響いている声が自分のものではないことに気づく。頭の中の声は「思考リハビリテーションプログラム」と名乗った。混乱する主人公。思考リハビリテーションプログラムは、主人公がビルの屋上から落下し、脳を損傷するほどの大けがを負ったこと、自らの主体が、欠損した脳やその機能を代替するための生体脳補填材にあることを説明する。説明に納得したものの、主人公は自分の頭に異物が埋め込まれていることや、思考リハビリテーションプログラム自体に嫌悪感を抱く。
 医師から改めて、自分の容態と思考リハビリテーションプログラムについて説明を受けた主人公は、確かに気味が悪いが、受け入れるしかないと結論を出す。主人公が窓の外を見ていると、自身の空腹に気づく。配膳用ロボットによって運ばれてきたゼリーを食べ、辛みそを付けた豚バラを食べたいと主人公は思う。
 数日後、主人公は病院の中庭にいた。景色を見ていると、記憶の一部が戻ってきた。自分が自殺しようとして失敗したことを思い出した主人公は泣き出す。思考リハビリテーションプログラムは主人公を慰め、主人公は生きる気力を取り戻した。
 時は過ぎ、主人公は固形物が問題なく食べられるほど回復していた。夕食を食べている主人公は思考リハビリテーションプログラムの声が聞こえなくなっていることに気が付く。
 退院する主人公に思考リハビリテーションプログラムが語り掛けてくる。思考リハビリテーションプログラムは別れの言葉を告げる。
 主人公は思考リハビリテーションプログラムの声が聞こえなくなるのを確かめてから、歩き始める。
患者(の人格)を「きみ」と呼ぶ文はゲームブック形式なのかと思わせる導入で"脳内で展開される会話劇"という難解さを上手く噛み砕いており、良質なSFでした。最後まで患者の性別が不明のため百合は薄めですが、主人公が脳内の声との遣り取りのなかで心を癒していく過程に友愛を感じました。
アンが仕事を辞めたのは、恋人のサリーが無職を楽しんでいたからである。
突然、なんの前触れもなく仕事を辞めたサリーは、預金の余裕があるかぎり気ままに暮らす様子だった。それを横目に出勤するのは、アンにとっては難儀なことだ。同棲を始めてから、仕事が忙しいせいでろくに恋人との時間が作れない。一緒に暮らしているのにもかかわらず。
やがてアンも仕事をやめた。
先のことを考えるのは、もう少し先延ばしにして、ようやくふたり暮らしを楽しみ始める。
世界では様々な事件が起こっているが、当面自分たちには関係がなさそうだった。
サリーとアンはウェディングドレスを通販で購入する。
ふたりはドレスを着回しながら、スマホで写真を撮り、ひそかな記念にする。
朝は丁寧にコーヒーを淹れて飲む。かわりばんこに食事をつくる。誰にも邪魔されないふたりの時間を過ごす。世界が終わる日まで、そうやって過ごす。アンは、サリーこそが、世界が終わる瞬間一緒にいたい相手だと思うのだった。
終末に向かって壊れゆく世界に対し、悲嘆するでも立ち向かうでもなく、日々の生活を謳歌し愛を強め合う二人がとても新鮮で印象的でした。
古代日本に、オオムロという有力な里があった。その里に暮らす十二歳の娘クルヒは、里のオサの一族の女子で二つ上のテオシベを姉のように慕っていた。
その里にヤマトという国家の使者が現れ、服属を迫る。里の老齢のオサはこれを断り、ヤマトとの抗争を決断する。そして高齢の自分から若いテオシベにオサを譲ることを里の者達に告げる。クルヒはテオシベがオサになることを苦しく思っているように感じるが、里の命運がかかっている以上止めることはできないと思う。
そんな折、クルヒはテオシベからオサを委譲する儀式に呼ばれる。クルヒが儀式で見たのは、自身の胸に槍を突き差すテオシベの姿だった。だが、テオシベの傷はすぐにふさがり、テオシベがオサになる奇妙な儀式は無事完了した。以前はクルヒを守ると言ってくれたテオシベは、それとは逆にオサである自分を守ってくれとクルヒに言う。クルヒはテオシベが変わってしまったと感じるが、オサを守らないと里が滅びるのだからやむをえないと諦める。
戦争が始まり、クルヒはテオシベの身を守るため二人で行動する。テオシベは馬を狂暴化させる不思議な力などで敵軍に打撃を与えるが、そんなテオシベの前にヤマトの将軍が現れる。将軍の目的は里の侵略ではなく、テオシベの体に入っている生物を殺すことだった。その生物は自分の肉体を持たず、ほかの動物の肉体を移動して生きながらえる存在なのだ。本来のテオシベは彼女が自分の胸に槍を刺した時点で絶命していた。
将軍はテオシベの中に入った生物を殺そうとした。だが、クルヒは生物のものとなっているテオシベを守ろうとする。それが役立たずの小娘の自分が従軍した理由なのだ。だが、それとは逆に生物の人格に変わっているはずのテオシベがクルヒをかばい、瀕死の重傷を負いながらヤマト側の軍を駆逐した。
もう命が長くない生物の人格のテオシベはクルヒに自分の正体を話し、本来のテオシベを死なせてしまっていることを詫びる。だが、クルヒは今のテオシベだって変わらずテオシベだと言う。でなければ、クルヒを守る理由などなく、捨て石にしていなければおかしいのだから。クルヒは生物の人格に変わっている瀕死のテオシベを連れて、残された時間を二人で逃げることを選ぶ。
村のために自ら槍で自分の胸を刺し、ある生き物に体を受け渡したテオシベはその精神と体がなくなってもクルヒのことを忘れていなかった。切ない読後感に加え、古代日本を舞台とした作品世界の描写が見事でした。
この孤独は私一人のものであり、私一人だけのものではない――。

かなえは中学の時に親友と、あることですれ違う。その日からかなえは、ニュースで見かけた事故死した女の子をサクラと名付けて瞼の裏に住まわせ、現実の人物とは向き合わずにいた。大学生になったかなえはサクラとそっくりな同級生、さくらに出会う。かなえの提案で、二人は桜の咲く時期だけ、短期のアルバイトを始めることになる。

二人はバイト先で浅井という同級生に出会う。根から明るい浅井を苦手に思うかなえ。一方で、さくらは自分の演じる狂言を観に来てという浅井の誘いを受け入れる。かなえはさくらとは分かりあえていると思っていたが、浅井に対する彼女の行動だけが分からなかった。なぜ浅井と関わるのかさくらに訊けないかなえ。そこでかなえはと人の関わり方を知らないことに気づく。

かなえは瞼の裏にさくらとそっくりな女の子が住んでいたことを伝えようとするが、その前にさくらはかなえに、妹がいたこと、その妹が死んだことを伝える。サクラがさくらの妹だったことに気づくかなえ。その妹を現実の逃げ道に使っていたことを恥ずかしく思いその場から逃げ出す。逃げ出した先には浅井がいた。浅井は、さくらがかなえのことを大切に思っていたことを伝える。かなえはさくら、そして浅井ともっと関わっていきたいと思い、浅井の連絡先を尋ねる。
他者との関わりを避け心を閉ざしていた主人公が、友人たちの言葉により視界がクリアになっていくさまがとても鮮やかでした。また桜咲く京都の濃密な空気も細やかに描写されており表現の豊かさを感じます。
 最終戦争で人類がいなくなった世界を旅する、〈死ならざる者〉吸血鬼の少女カミーリアと、〈生命なき者〉機械人形の少女サナギの物語。
 核攻撃で破壊された都市をさまよっていた吸血鬼最後の生き残り・カミーリアが、廃アパートで人間と間違えて襲った少女は、二度と帰らぬ主人を待って床を磨き続けていた汎用家事機械人形であった。カミーリアは彼女にサナギと名前を付け、人間の生き残りを探し出すための道具として利用することに決める。
 どこかにいるはずの人間を求めて、棺と太陽電池をバンに積み込み、あてどのない旅に出るカミーリアとサナギ。旅の途中の退屈しのぎに、カミーリアはサナギに、かつて人間に両親を殺されたことと、そして人間を憎悪しつつも、核戦争の荒廃から人間を救うために不死を与えようとしている自分の信念を語る。
 やがて長い旅のあいだに、カミーリアは単純な対話機械に過ぎないサナギの中に人格を見出し、不思議な愛着と友情を覚えていくようになる。
 けれども不死者であるカミーリアとは違い、消耗品に過ぎないサナギは、部品の劣化により次第に衰えていく。ふたりの旅が終わり、今まさに消えゆかんとする腹心の友に涙するカミーリアに、サナギは優しく告げる。「わたしはお嬢さまと出会う前も一緒でしたし、お別れのあとも一緒です――」サナギの言葉の真意とは一体なんなのか? ……というような話です。
永遠の命をもつ吸血鬼が無生物であるロボットとのやり取りに「愛」を見出し、自分の身を投げうってまでロボットを助けようとするラストに心を打たれました。
高校一年生、須賀リコの十年来の幼馴染である来栖イチゴは、突然巨大化する体質になってしまう。
 夏真っ只中、巨大化の被害を避ける為に周囲の人間から隔絶されて暮らすイチゴのもとには、何を原因として巨大化するかわからないイチゴの精神を安定させるために日替わりで同じクラスの女子達が訪れる。
 来る花火大会の日、当日イチゴの元へ行けなくなった友人と入れ替わったリコは、クラスの男子からイチゴを放って一緒に花火大会に行かないかと誘いを受ける。
 にべなく突っ返したイチゴは花火大会当日、イチゴのいる場所へ行く。しかしそこにあったのは、あの誘いかけてきた男子の姿だった。かつてリコに優しくされた思い出に縋って迫ってくる男子と、おびえるリコの姿をイチゴは見てしまう。
 リコの危機に動揺したイチゴは、ずっと隠し通していたリコへの想いが溢れ出てしまい、高揚する精神と同調してかつてない規模に巨大化してしまう。
 誰の声も届かないほどに巨大化してしまったイチゴに想いを告げ返す為、リコは多くの人の助けを借りながらイチゴのいる場へと辿り着く。
 リコとイチゴは互いに秘めていた想いをぶつけ、一緒にい続ける事を違う。が、巨大化を止める事も戻る事も出来なくなったイチゴはリコにそれは無理だと告げる。
 しかしリコは、イチゴの無限に増大し続ける質量を収束させる事で重力の穴を形成し、自分が自分らしくあれる世界、自分が愛したい人を愛せる世界へと飛び立つ事を提案する。
 アイデアを実行した二人は高次の思念体となり、理想の世界へと旅立っていく。
自分への好意によって巨大化が止まらない幼なじみと理想の世界へ旅立っていく。SF的でちょっとびっくりな展開ながらも話のテンポがよく描写に勢いもあり、爽快な疾走感がありました。
八ヶ月前に起きた銃撃事件。
 あの日、鳴り響いた銃声に、私は今も取りのこされている。
 犯人の少女――筑葉美琴と私が出会ったのは今から一年も前のことだった。彼女は旧校舎の女子便所にレジャーシートを敷いて昼ご飯を食べる変な女だった。その珍しさに惹かれて、私は彼女と連むようになった。そこそこに筑葉と親しくなったところで連休が入り、連休明けも私は彼女の元を訪れていた。筑葉は「買物をした」と意味深なことを言いながら拳銃を取りだす。筑葉は「これを持っていると安心する」と語ったけれど、私には到底理解できない感情だった。
 七月に予定されている学校祭を一緒に回ろうと筑葉と約束し、しばらく経ったある日のこと。いつもより少し遅い時間に旧校舎を訪れると、そこには先客がいた。先客は筑葉のことをイジメることを目的とした女たちで、私はどうすることもできずに隠れていることしかできなかった。
 ただあまりにも酷い光景に筑葉が拳銃を買った意味を理解した。
 そして訪れた学校祭当日、筑葉とふたりで女子トイレに篭もっていた。筑葉に小腹が空いたからなにか買ってきて欲しいと頼まれ、学校祭の中へと乗りこんで行く。そんな折、旧校舎のほうから『銃声』が聞こえたような気がした。私は慌てて旧校舎へと戻るが、すでにいじめっ子たちは筑葉に撃たれた後だった。私はたまらず、残りのひとりを庇ってしまう。これ以上、筑葉に罪を重ねて欲しくはなかったから。だけど筑葉は「私のことは庇わなかったのに、こいつのことは庇うんだ」と言って、いじめっ子のことを撃った。私は筑葉のことを守れなかった自分が不甲斐なくて、筑葉に私のことも撃つように頼むが、筑葉は拳銃を置いて、その場から立ち去ってしまう。
 私は拳銃で自分を罰そうとするが、どうすることもできず。
 ただあの日の銃声と筑葉のことを思うことしかできないでいた。
旧校舎の女子トイレでレジャーシートを敷き、昼食をとる筑葉。そんな彼女と偶然出会い交流を深めていく近見。理不尽な暴力の描写を鮮明に描くことで、止めに入れなかった近見、最後に引き金を引く決断をしてしまった筑葉、両者の行動に説得力を持たせていました。この作品の良さを凝縮して一言で表したようなタイトルも素敵だと思います。
少し先の未来の話。脳内の記憶を全てバックアップとして保存できるようになり、身体は毛髪の一本から再現できるようになった時代。
病室で目が覚めたコハクの前にはコハクがいた。目覚めたコハクは七年前の脳内のバックアップから再現されたコハクで、目覚めたコハクの前にいたのは現在のコハク。
現在のコハクは過去のコハクから見ると大人びており、所作や物腰なども過去のコハクの理想の女性となっていた。また彼女とは感性が一致し、彼女の勧めるもの全てが好きになった。過去のコハクにとって彼女はとても好ましかった。
そして何よりも、コハクの全てを理解している彼女とのコミュニケーションは完璧で、誰にも内緒で好きだった人のことなども、もちろん全て知っていた。そんな完璧な現在のコハクに、過去のコハクは恋をした。
ある日、二人でホログラムの縁側で花火を見る。過去のコハクは現在のコハクにキスをされた時、彼女の瞳の中に私が過去に好きだった人が映っていた。
記憶のバックアップから作られた7年前の私が全て通じ合う現代の私に恋をする。倒錯的でありながら美しい描写、設定も生きていて伏線の張り方も華麗でした。
姉妹百合SF(すこしふしぎ)短編
空から猫が降ってくる話

猫好きの姉の要望により、猫を飼うことになった。
クロと名付けられたそいつを姉は可愛がったが、姉に構われなくなった私は面白くなかった。
あるときクロが家から脱走し、私はそれを探すことにする。
しかし、迷子になって途方に暮れてしまう。そこで猫が降ってくる。
恐ろしくなり逃げ出すも、猫に埋もれてしまい、気づくと暗闇にいた。
猫の概念的存在と対話し、この世が猫であることを悟る。
それでは猫好きの姉が自分を見てくれないと嘆くが、存在が言うにはそれは心配ないらしい。
現実に戻ると、姉が迷子の私を探しに来てくれた。クロが脱走していたことには気が付いていなかった。
一日経ってもクロは見つからず、私の風邪も快復する。
そこで姉に「私と猫、どっちが好き」と問いかけ、妹である私の方が好きだという答えを引き出す。
私は、どこかにいるであろうクロにそれを伝え、勝利宣言とした。
姉がかわいがる猫を探しまわる主人公の上に空から沢山の猫が降ってきて...。姉妹百合とSF(すこしふしぎ)を非常に上手くまとめたとても良い構成で、読んでいて楽しい作品でした。
東京の東の端あたりにあるウォーターサーバーのメーカー、『㈱足立湧水』に新人エンジニアとして親会社から出向した足立瑞穂(あだちみずほ)は、北千住の美容院『Magnolia』に初めて一人で修理に赴く。そこで出会ったカリスマ美容師の名は安堵城キイラ(あんどじょうきいら)といい、同い年にも関わらず美容師会で一目置かれる存在。キイラは瑞穂のメカニックとしての腕前の良さと、その髪質の良さに興味を持ち、『あなたの身も心も美しくできる』という自負から彼女にカットモデルになってくれないかと懇願する。
 髪を切ってイメージを変えることに関してトラウマを抱えていた瑞穂は素直に承諾できなかったが、自他ともに仕事が出来ないという評価である自分の現状を変えたいとも思っていた。キイラのライフワークは、まさに瑞穂が抱えるような変化への拒絶が、自分の手で切り開かれる瞬間にあった。彼女は大勢の人が見ているカットコンテストの会場で、瑞穂を一皮むけた存在にするべく鋏を取る。
自分に自信のない主人公が、カリスマ美容師との出会いで心も見た目も変わっていく。キャラクター描写がしっかりしているので、奇をてらわない題材ながらとてもキュンときました。二人の関係はこれから百合になるかもしれない……そんなピュアな作品です。
私は姉が欲しかった。だからネットで姉を募ったが、現れたのは妹を名乗る異常者たちだった。
妹を騙る不審者は際限なく増え続け、13人を越えたところで私は頭を抱えた。
両親に相談しようとしたが両親も妹になっていた。五親等以内の親族は全て妹になっていた。
増えた妹を一掃するため課金制度を提唱したが逆効果で、むしろ妹は増え、妹料は山のように積みあがった。その勢いは留まるところを知らず、新興宗教の教祖のようだと思ったのも一瞬、気づけば都市予算を越えて私を絶対なる姉とする妹国家が成立していた。
増え続ける妹を養う国土を賄うため、私は宣戦布告をし、世界征服に成功する。しかしそのせいで全世界が妹になってしまったため、結局食料は足りず、宇宙開拓を謳った棄民政策によって妹たちは地球とスペースコロニーに分断された。
やがてアース妹とスペース妹は宇宙間妹戦争を始め、和解し、またいがみ合う。その繰り返しを長い長い間続けた末、宇宙は妹に覆いつくされた。
宇宙と一体化した妹たちはそれでも際限なく増え続け、あらゆる過去と未来へ妹は浸食し、やがてたった一人の私を除いた全ては妹となった。
全てである妹との対話を通じて、私は自分と妹が分かちがたく二つで一つだったことを悟り、深いキスをして新しい宇宙へ旅立った。

そうして目覚めた私の前にはたった一人の姉妹が居た。彼女と私は双子だった。
姉を求めていたはずなのに、妹を語る異常者が次々に現れ最終的には妹で宇宙があふれてしまう!頭が混乱しそうな冒頭から雪だるまのように話が転がっていくとてもスリリングな展開で、最後のオチもしっかり決まっていました。
主人公・滝沢エリは幼いころに父親、中学時代に母親に捨てられ、身寄りのない中街のはずれにある年季の入った木造アパートで一人生活していた。極貧にあえぐ中、早朝に新聞配達、夜はそば屋の出前のアルバイトをこなすことでようやく生活を立てていた。
 ある日エリがそば屋の出前から帰宅する途中、自宅手前の竹林から光る竹を発見する。異常事態であるにも関わらず彼女は何かに導かれるように光る竹に触れる。するとその中からこの世のものとは思えない美少女・かぐやが現れた。
 かぐやは惑星イースから派遣された調査員であり、地球まで精神転送装置と現地の原子を原材料にしたアバター・活動体の二つの技術を利用して現着した。彼女はエリに使命である「『恋愛』の概念を理解する事」に協力を申し出るものの、エリはそれを貧乏を理由に断る。
 しかし、かぐやの持つ超能力やマイペースな態度、極めつけに調査に協力すれば少なくない金額が手に入るという取引を持ち掛けられ、エリの生活はいやおうなしにかぐやが割り込んでくる。始めこそかぐやに振り回されていたものの、エリ自身その生活を悪いものではないと受け入れ始めていた。
 そんな二人の生活にイースの監察官が割り込む。監察官曰く「かぐやの能力を地球で浪費させるのは母星のためにならない」とエリの目の前でかぐやは一度強制送還される。このような事態を想定していたかぐやは事前にエリの中に活動体の一部を割り込ませていたことで地球に帰還できたものの、二人は一緒に過ごせる時間に限界がある事を悟る。
 イースに恋愛の有用性を示すことが出来れば二人でいられる。そう考えたエリは初めてかぐやをデートに誘う。そこでエリは己のルーツである街を訪れ、初めて誰かの、かぐやのために行動をした。
 デートの終わりに再び監察官が現れ、かぐやを連れ戻そうと決死の態度で臨む。その中でエリはかぐやが自分に恋をしている事に気付き、かぐやもまた恋心を理解すると「恋愛を理解した」と正式に母星に帰還した。
 時は流れて夏休み、別れに納得していたものの、それでもエリの中にはかぐやへの想いがわだかまっていた。帰路の中叫び声をあげると目の前にかぐやの姿が現れる。どうやらけぐやは母星で休暇を申請したらしく、またしばらく地球で過ごせるらしい。素直に喜ぶとまたかぐやが去ると思ったエリはつっけんどんな態度をとりつつも、また二人で過ごせる事を彼女なりに表現するのだった。
両親に捨てられアルバイトを掛け持ちし生活するというハードな境遇の主人公が、光る竹を発見。中からは美少女という幸運なのかさらなる悲劇なのか分からない展開に笑ってしまいます。一見、SF・コメディ要素が強いですが、一人で生きていくことにしがみついていた主人公の変化を描くヒューマンドラマ百合でもあります。 こちらの第一話を含む「かぐやとエリ」シリーズとしての受賞です。
ある日、17歳の傷魅挽歌(いたみ・ばんか)はかつての親友で、自分を高校退学においやった聖真理愛(ひじり・まりあ)から「殺されるかもしれないから助けて欲しい」と頼まれる。

彼女はその言葉を無視するが、真理愛は三日後にバラバラ死体となって発見されてしまう。

そんな事件の三ヶ月後、挽歌の元に死んだはずの真理愛から電話がかかってきた。
そして「私を捜して」と言われ、なぜか家に爆弾が仕掛けれてあり、挽歌もケガをしてしまう。

挽歌は戸惑いながらも、真理愛が生きているのか、本当に死んでいるのか調べ始める。
死んでいたのなら、殺した犯人に御礼を言うために。
生きていたのなら、今度こそ殺すために。

生前にありとあらゆる犯罪に手を染めていた少女の死の謎を探るべく、挽歌は危険を顧みずに裏社会へと足を踏み入れる。
絶大なカリスマ性を持ち、天才的な犯罪者だった少女は何を企み、何をしようとしているのか。
お互いに歪な感情で依存していた少女たちの恋情が、交差していく
絶大なカリスマ性と、天才的な犯罪者の素質をもつ聖真理愛というキャラが作中の登場人物だけでなく、読者までをも振り回していきます。長編ですが最後まで作品の雰囲気がブレることなく、作者の熱量の高さを感じることができました。
売春婦と警官。
女と、女と、女。

 一人で生きることを余儀なくされてきたフェリスは、売春業から逃げ出し、ブルーパブで働き始める。
 足を洗えたとはいえない仕事ながら、トラブルを通して知り合った警官のルイと親しくなる。同時に、かつての仕事仲間で、何かと面倒をみてくれていたサリーと再会した。
 サリーやルイとの距離に戸惑いながらも落ち着きつつあったフェリスだったが、強圧的なマスターから、ドラッグ使用の一端を担う仕事を指示される。これまでの生活から変わりたいフェリスは拒否し、揉み合いへと発展。誤って死に至らしめてしまった。
 このことを知った、サリーとルイ。フェリスへの思いが、それぞれに大きい二人がとった行動は、気が弱いフェリスの身代わりに、サリーが捕まるというものだった。
 二人の案をいったんは受け入れたフェリスだったが、ブルーパブ を隠れ蓑に、ドラッグの密造と販売をしていた同僚から逆恨みを受け、襲われる。
 その危機は、またもやルイに救われた。同時に、過去を明かしても去ることなく助けてくれるルイを失いたくない気持ちを自覚する。
 逃げるだけから変わりたい。何度もくじけていたフェリスは、分署で留置されているサリーを自由にすべく、今度こそはと自ら動き始める。本当の名前である「フェリシア」に戻ることを目指す途上で、サリーに付けられた「フェリス」としての自分であろうとする。
「他者から愛されること」と「自分を愛すること」を主眼に置きつつ、最後主人公が自分の罪に対して責任を負う事で物語を完結させたことがとても誠実だと思いました。海外もののハードボイルドのような重厚な描写にも引き込まれました。
ライン生化学工業で生体科学技師兼デザイナーとして働く尾上環は、世界中でシェアを伸ばし続ける“指輪型携帯ナノマシンプラント”の開発者であり、同社の広報部門に所属する“私”、和達雪子の高校時代の友人でもある。2人は高校で出会って親しくなったものの、大学進学以降は疎遠になっており、勤務先が同じなのは互いに想定外のことだった。
 環は最新型である第3世代モデルの発表を行い、その日の夜には“私”を誘って夕食を共にした。和やかな食事の途中で、環は“私”に対し、発表されたばかりである第3世代の“指輪”の試作品が余っているから、それをあげると言う。“私”は遠慮するものの、押し切られる形でもらいうけた。食後に向かった環の自宅地下にある専用の工房で、私は黄金に輝く作りかけの指輪を発見するが、それについて環は、表面は金に見えるだけの合金であると言った。
 第3世代発表以降を忙しなく過ごし、ひと段落がついたところで2人は「お疲れ様会」と称して環の家で夕食を共にする。その中で、環は疎遠になっていた高校卒業〜ライン生化に至るまでの経緯を“私”に話した。
 “私”には男性の恋人がおり、交際期間は7年ほどになる。互いに緩やかに長く関係を続けることを指標としており、そんな彼から“私”はプロポーズを受ける。そのことを環にも話すと、環は“私”を祝福し、“私”は幸福を実感する。
 しかしながら、間もなく恋人は事故死し、“私”は心をひどく乱される。警察が自殺の可能性について問うてくるが、“指輪”による体内監視が機能している以上、通報もなしにそのようなことが起こる可能性は考えられなかった。
 どれほど考えても恋人が自殺に至る要素は見当たらず、疑問に思った“私”は“指輪”の開発者である環を訪ねる。環は“私”を快く受け入れ、痛みに共感しながら、「自殺の可能性は低く、他殺の可能性がある」と告げ、協力を約束する。
 その日の夜、環の家に泊まった“私”は、環から何かを強要されかける。一度は拘束を逃れたものの、環が仕込んだ特殊なナノマシンプログラムによって肉体を支配されてしまう。環は“私”をずっと愛していたこと、手に入れるためにあらゆる手を尽くし、“私”の恋人をも殺害したことを告げる。“私”は環の独善的な様に嫌悪感を覚えるが、やがて肉体だけでなく心までもを支配され、環に愛を誓うことになるのだった。
環は自らが開発し世界中で愛用されるようになった生体管理ツールとしての指輪を用いて雪子を束縛していく。指輪というモチーフの使い方が秀逸でした。また未来の描写に納得感があり物語にリアリティがありました。
いたって普通の女子高生・前田ひなたは、パーフェクトアイドル・早見希月のガチ恋女ヲタク。希月に近づきたい一心でオーディションを受けて事務所の後輩となるが、当の希月はアイドルをクビになりかけていた。
希月とひなたの組み合わせに可能性を感じた事務所の社長は、希月のクビを撤回する条件を突きつけてくる。それはひなたと希月の二人でデュオを組んで「サバイドル」で優勝すること。ただ、サバイドルはアイドルを潰すことで有名な過酷なオーディション番組だった。歌とダンスに対するモチベーションが皆無なひなただったが、希月に「優勝したらどんなファンサでもしてあげる」と餌をぶら下げられ、必死に特訓に食らいつく。予選、本選とさまざまな困難を乗り越えて、二人はアイドルデュオとして成長していく。
決勝戦目前。希月を気に入った有名アイドルプロデューサーから、彼がプロデュースするグループに加入しないかと話を持ちかけられる。ただし、誘われているのは希月ひとりだ。プロデューサーは審査員を掌握しており、断ればサバイドル優勝は茨の道となる。ひなたは希月の栄転を願って身を引くことを決意した。
しかし、決勝戦当日。ヲタとして応援にいったひなたは、希月がプロデューサーからの誘いを断ったことを知る。いつの間にか自分の中に「アイドルをやりたい」という気持ちが芽生えていたことに気づいたひなたは会場に乱入。希月と二人でステージを盛り上げ、逆転優勝した。そして、当初の条件通り希月に頬にキスしてもらった。
パーフェクトアイドルとそのガチ恋女ヲタは、月(希月)と太陽(ひなた)。お互いの存在なくしては才能を開花させることができなかった運命のアイドルだった。
アイドルヲタが高じて推しの事務所に入ったファンと推しの話。熱い展開と完成度の高さで一気に読めます!気持ち悪い感じの「好き!!!!」という描写の圧が強くて面白いです。 こちらの第一話を含む「女ヲタがガチ恋で何が悪い」シリーズとしての受賞です。
舞台は1968年のアメリカ。アンナはレイプされて生まれた子として蔑まれてきた。娼婦として各州を転々とする日々を送っていたある日、アンナはレイプされてしまう。被害を訴えるも、犯人たちは無罪を勝ち取る。納得できないアンナは銃を購入し、クリスマスに犯人たちを射殺する。追われる身となったアンナはたまたま見かけた家に住む黒人の少女、ゾーイを人質に逃避行をはじめる。ゾーイは母親によってクリスマスを含めたあらゆる娯楽から切り離された環境で育った子だった。はからずも外の世界に連れ出されることになったゾーイは目にするものすべてに感激し、急速に成長していく。ついにはゾーイはアンナのメキシコへの逃避行に積極的に手を貸すようになる。だが捜査と追跡の手は確実に迫っていた。包囲されたアンナはゾーイを人質にたてこもる。そしてゾーイの母親に解放の条件として「クリスマスは毎年ちゃんと祝うこと」と突きつける。ゾーイを解放したアンナは拘束され、裁判の結果死刑が言い渡される。1982年、アンナは薬物注射で処刑された。だが致死量の麻酔薬を注射されていたにもかかわらず、彼女はうわごとで「ああ、ゾーイ、どうして」とつぶやいた。同時刻、ゾーイは自宅で銃を使って自殺していたのだった。
性被害や人種差別など重いテーマを扱っていますが、安易に善悪を提示しようとしない物語のあり方がとても印象的でした。読後に映画を観たような満足感があります。多くの人に読んで欲しい作品。
鮎川縦子、二十四歳。預金と財布の中身を合わせて五千三百円とちょっと、という貧困女である縦子には、お金がたまらない理由があった。そりの合わない家族の手から逃れて洋菓子店に就職してから半年後、縦子が触る商品に髪の毛が混入するようになった。どんなに気を付けていても、確認しても、洋菓子に髪の毛が混ざる。カビが生える。理由もわからない異変を解決する事が出来ず、縦子は洋菓子屋を退社するものの、その後も彼女の周りでは異変が続き、一か所で仕事を続けることができない。
ついに水商売に手を出す縦子だったが、一日体験のキャバクラですら一時間で首になってしまう有様だった。しかしキャバクラのオーナーから『君にもできる仕事がある』と紹介された寂れたバー、ルシャボテの店内で、縦子は猫のような女に出会う。種垣まほろと名乗った自称『心霊処理人』いわく、縦子には大量の生霊が憑いているという。
腹立たしくも胡散臭い女だったが、どうせもう失うものもない人生だと腹をくくり、縦子は彼女に除霊を依頼する。『わたしは除霊はできないけれど、幽霊を消すことはできる』というまほろの除霊方法は、幽霊を食べるというもの。お金がない縦子にまほろが要求した報酬は、『わたしの愛人になること』だった。
やっかいな生霊に取り憑かれた主人公と、除霊はできないけれど霊を食べ消すことはできると言う心霊処理人。とにかくキャラクターにインパクトがあり、設定もユニーク。ぐんぐん読み進めていけました。まだまだすくい切れていない要素がたくさんありそうなので、シリーズ長編で読みたいと思ってしまう一作でした。
第九銀行女子バスケットボールチーム「アルバトロス」はリーグ万年最下位の弱小チーム。28歳の瀬田衣央里が自身の引退時期を考え始めていたある日、アメリカのWNBAで活躍中の超一流選手・樫井千夏が帰国するとのニュースが日本バスケ界を沸かせる。一バスケファンとしてそれを遠い国の出来事のように捉えていた瀬田だったが、どういう経緯からか樫井がアルバトロスに入団することが決まる。アルバトロスを見下し瀬田を一方的に目の敵にする樫井だったが、その実力は本物で、最年長の宮前あかりに代わってスターティングメンバーに入ると桁違いのスピードと精確性でゴールを量産していく。「私がこのチーム優勝させてみせる」と宣言した樫井にメンバーは顔をしかめるが、瀬田は胸の高鳴りを抑えられずにいるのだった。戦友・宮前との別れを目前に控え、また、憧れていたヘッドコーチの進退を賭して、アルバトロスの新しいシーズンが始まった。

 樫井の影響によりチームが大きく成長していく中、瀬田は憧れていたヘッドコーチがかつて現役を引退した理由が自分にあることを知り、動揺する。樫井の助けを得て自らの長年のスランプの原因を探り当て、大事な場面でようやくシュートを決めた瀬田だったが、今度は樫井の重大な不調に気がついてしまう。樫井が日本に来た本当の理由は、フリースローが打てないという重度のイップスのリハビリのためだった。勝負をかけた最後の試合、絶好のタイミングで樫井にフリースローのチャンスが巡ってくるも、樫井の身体は固まって動かない。メンバーたちの叫び声に反応して樫井が放った不恰好な2ショット目は、リングに弾かれて狙いどおり瀬田の手元に届く。ラスト3秒、瀬田がスリーポイントシュートを決め、アルバトロスは念願のプレーオフ進出を決めるのだった。
 シーズン終了後、樫井はWNBAのトライアウトを受けるために日本を発つことを告げる。また一緒にバスケをしようとの約束にうまく答えられない瀬田に、樫井はふわりと笑ってキスをする。
 ヘッドコーチの首の皮は繋がり、宮前はマネージャーとしてチームに関わることになった。樫井のいなくなったアルバトロスは、それでも果敢に次のシーズンへ挑むのだった。
バスケットボールの社会人チームを舞台に、それぞれの挫折や葛藤、成長をきめ細かく描写している誠実な群像劇。ほのかに百合を感じさせる爽やかな終わりも素敵でした。
戦争の終結から5年が経った某国にて。

元女性兵のタチアナはかつての記憶を夢に見る。幼い少女が兵士たちに強いられて、女性を撃ち殺してしまう夢だ。タチアナはいつもそれを止めようとして間に合わない。罪悪感のなか目を覚ますのが常だった。

ある日、タチアナは少女・ゾーヤと再会する。彼女こそ夢の記憶の中の少女だった。
生まれ育った村は戦時中敵国に占領され、そこで敵国人に協力していた母親が解放の際にリンチされた。ゾーヤはその処刑人となることを強制されたのだ。タチアナはこの過ちを止められず、結果、自分自身に絶望して軍を辞めた。

しかしゾーヤは明るく活発に育ち、将来は士官学校に行ってタチアナのような軍属になりたいと笑う。まっすぐな思慕に戸惑うタチアナ。だが家に泊めたゾーヤがあの時のトラウマでうなされているのを目にして、ずっと抱えていた自責が爆発する。
裁きを望むタチアナをゾーヤは抱きしめ、こう告げる。

「悪いことなのに、誰も止めてくれなかった」
「でもタチアナさんだけが止めようとしてくれた」
「ありがとう。あなたのおかげで、わたし、絶望せず生きていける」

誰も救えなかった自分がゾーヤの心だけは救えていたと知り、タチアナは彼女とともに泣き叫び、将来へわずかな希望を見る。

タチアナが寝静まった隣で、ゾーヤは未来を思う。敵国のスパイになり、あるいはクーデターを画策し、再び軍人となったタチアナに殺される未来を。
あんな「悪いこと」を誰も止めなかった。自分も逆らえなかった。あの時止めようとしたタチアナだけが、世界で唯一正しい存在だ。だから彼女に裁いてほしい――

「ただひとり正しくあろうとしたタチアナに、過去の自分と同じ絶望を刻みたい」。
恋慕のような「殺意」に気づかないまま、ゾーヤは穏やかな眠りについた。
行動したが救えなかった、行動してもらえたことで救われたと考える2人のすれ違いから始まり、最後はまた不穏な関係性の始まりを予感させる百合小説です。暗い話ですが少女の感情は表面化していないので、この先、好転も暗転も選択できそうな上手い終わらせ方です。続編を期待したくなる一作でした。
ハロー、私はニニ、時代遅れの汎用お手伝いロボット、通称機械式家政婦である。背中の刻印によると製造番号は22号、だからニニと呼ばれている。
今の主人は昔ながらの美容院を女手一人で切り盛りしているポーカーフェイスな店長。
店長の色素の薄い瞳や抑揚のない声は冷淡な印象を与えるが、そうではないことを私はよく知っている。
単にそういう人なのだ。

私たちの美容院には優しいおばあさんからイマドキスポーツ女子高生までたくさんの人がやってくる。
シャンプーして、カットして、おしゃべりして、レジのチェックをして、夜が来れば店長の隣で眠る。
そんな生活が私は好きだ。

けれども、ある日私はパーツ目当ての誘拐にあってしまう。困ったな、おつかいの途中だったのに。早く帰らなきゃいけないのに。

電源を喪失した私は、目が覚めると社員寮のお手伝いロボットになっていた。
そして、ちょっとした偶然から私の人格―基盤内のデータ―は量産ラインに乗ることになる。

あるときの私はお掃除ロボット、またあるときは飛行システム、さらには愛玩犬型ロボットであった。
こうして、私はこの地球上の津々浦々に広がっていったのである。
店長との懐かしい思い出とともに。

そして、私はある老婦人の元に行き着いた。

これは、汎用お手伝い型ロボットの私が、長いお使いから帰ってくるまでの物語。
美容院の店長と共に暮らすお手伝いロボットが、パーツ目当に誘拐されてしまうという一見物騒な展開ですが、語り口は穏やかで非常に読みやすい文章で描かれています。ロボットと人間の差異というテーマを初手で提示して、回収まで行き着く手際も鮮やかでした。途中まで百合感は薄めですが、最後の最後にぐっときます。
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株式会社ピクシブは、同社が運営する「pixiv」内で第3回百合文芸小説コンテスト(以下、「本コンテスト」といいます)を実施いたします。
Theme
本コンテストでは、女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説を募集します。優秀作品には賞金が贈られるほか、月刊コミック百合姫への掲載やコミカライズなどの展開を予定しております。
Period of event
11/17/2020〜1/31/2021 23:59
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(1)参加方法
①pixivの小説投稿機能を使用し、女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説をお書きください。
②以下に定めるタグを設定してください。
タグ:百合文芸3
※pixiv上に表示される本文の文字数により、自動的に応募部門が振り分けられます。
短編部門(5,000字以上~19,999字以下)
中・長編部門(20,000字以上~120,000字以下)
③以下のチェックボックスにチェックを入れてください。
表現内容:オリジナル作品
④シリーズのあらすじ、もしくは作品1話のキャプションに400~1,600字程度のあらすじをお書きください。中・長編部門への応募作品は、結末まで記載されたあらすじをお書きください。
※「このあらすじはネタバレを含みます」といった注意書きを記載しても構いませんが、あらすじの文字数にはカウントいたしません。
⑤上記②~④を満たした作品(小説)をpixivに投稿してください。

○こんな作品を求めています
女性同士の交流の中で生まれる、特別な親愛が描かれた作品。思わず口にしたくなるようなセリフや、心に沁みるシチュエーションに出会えることを期待しています。

(2)ご応募いただく小説(以下「応募作品」といいます)の文字数は、最終締切日(2021年1月31日23:59)の時点で
短編部門:5,000字以上~19,999字以下
中・長編部門:20,000字以上~120,000字以下
を満たしている必要があります。
文字数のカウントは、pixiv上に表示される数値を基準とします。
中・長編部門はシリーズ作品(連載形式)としての投稿を推奨しますが、締め切りまでに最終話を投稿してください。最終話が投稿されなかった作品は、未完結作品とみなし選考対象外となります。シリーズ作品(連載形式)として投稿する際は、完結したタイミングでシリーズ情報の「完結」フラグにチェックを入れてください。

(3)応募作品の内容は、日本語で記述されたもの、全年齢向けのものに限ります。

(4)シリーズのあらすじ、もしくは作品のキャプションに400~1,600文字程度のあらすじをお書きください。中・長編部門への応募作品は、結末まで記載されたあらすじをお書きください。
※「このあらすじはネタバレを含みます」といった注意書きを記載しても構いませんが、あらすじの文字数にはカウントいたしません。

(5) お1人様何作品(連載・シリーズ)でもご応募いただけますが、1回の投稿につき、1作品(1連載・1シリーズ)のみとさせていただきます。1シリーズの中に複数の異なる作品を投稿された場合は、選考の対象外となります。
NG例:シリーズ名を「第3回百合文芸小説コンテスト応募作品集」とし、複数の異なる作品を登録する。

(6)応募作品が受賞した場合、当該作品の元データ(保存形式は問いません)をご提供いただくことがありますので、データを削除・紛失等しないよう、ご注意ください。

(7)応募作品は、未発表・オリジナルのものに限らせていただきます。本企画の結果発表前に、応募作品が本企画以外のコンテスト等で受賞した場合には、選考対象外となります。ただし本企画へ応募する前に、応募者自身が主催・運営するblog等のWebサイト、応募者自身で作品の修正・削除等が可能な非営利目的の小説投稿サイト(pixivを含む)、過去に「百合文芸小説コンテスト」「第2回百合文芸小説コンテスト」以外のコンテストに応募し選外となった作品、応募者自身が非営利目的で制作・発行した同人誌で発表された作品は未発表作品とみなされます。
・「百合文芸小説コンテスト」「第2回百合文芸小説コンテスト」に応募し選外となった作品については、改稿等を行った場合につき未発表作品とみなされます。
Awards
大賞
両部門合わせて1名
・賞金10万円
・コミック百合姫に扉イラスト・挿絵イラスト付きで掲載
コミック百合姫賞
両部門合わせて1名
・賞金5万円
・コミック百合姫にコミカライズ掲載
SFマガジン賞
短編部門より1名
・賞金5万円
・コミックSFマガジンに掲載
ガガガ文庫賞
両部門合わせて1名
・賞金5万円
・ガガガ文庫編集部の担当が付き、書籍化検討
書泉百合部賞
短編部門より1名
・賞金3万円
・書泉百合部限定グッズ
pixiv賞
両部門より複数名
pixivオリジナルデザインAmazonギフトカード2,000円
副賞
全受賞者
短編部門:2021年にピクシブより発行予定の小冊子へ収録
長編部門:pixivノベルへ掲載
※未成年の方は、本応募要項への保護者の同意を得た上でご投稿ください。
※投稿する際にコンテストタグ【百合文芸3】を設定し、投稿してください。タグを設定していない場合は選考の対象外です。
※本文の文字数により自動的に応募部門が振り分けられます。
 短編部門(5,000字以上~19,999字以下)
 中・長編部門(20,000字以上~120,000字以下)

※本コンテストに投稿いただくことにより、後述の日本語での注意事項に同意いただいたものとみなします
※以下に該当する場合は選考の対象外となりますので予めご了承ください。
・応募テーマに関連のない作品。
・コンテスト指定タグが設定されていない作品。
・公開レベルを「マイピク限定」「非公開」「URL限定公開」で投稿した作品。
・第三者からのリクエストにより制作した作品(リワードを含む)。
・投稿期間を過ぎて投稿、再投稿、編集された作品。(誤字脱字など軽微な修正も編集とみなします)
・その他、「応募要項の注意事項」に当てはまる作品。
1.参加資格
pixivの利用登録者であって、本応募要項すべてに同意された個人。プロ・アマは問いません。法人および複数の方による共同作品は、選考対象外となります。
※18歳未満の方は、本応募要項への保護者の同意を得た上でご投稿ください。

2.参加方法
(1)女性同士の恋愛や友愛をテーマにして、自由に作品(小説)をお書きください。

(2)以下に定めるタグを設定してください。

タグ:百合文芸3

※pixiv上に表示される本文の文字数により、自動的に応募部門が振り分けられます。
短編部門(5,000字以上~19,999字以下)
中・長編部門(20,000字以上~120,000字以下)

(3)以下のチェックボックスにチェックを入れてください。

表現内容:オリジナル作品

(4)シリーズのあらすじ、もしくは作品(複数話ある場合は1話)のキャプションに400~1,600文字程度のあらすじをお書きください。中・長編部門への応募作品は、結末まで記載されたあらすじをお書きください。
※「このあらすじはネタバレを含みます」といった注意書きを記載しても構いませんが、あらすじの文字数にはカウントいたしません。

(5)上記(2)~(4)を満たした作品(小説)をpixivに投稿してください。

以上の内容をもって応募受付完了となります。

○こんな作品を求めています
女性同士の交流の中で生まれる、特別な親愛が描かれた作品。思わず口にしたくなるようなセリフや、心に沁みるシチュエーションに出会えることを期待しています。

3.選考方法
コンテスト投稿作品については、厳正なる審査の後、優秀作品を決定します。

本コンテストの結果発表は、月刊コミック百合姫7月号(2021年5月発売予定)・pixivにて行われる予定です。受賞作品においては、投稿作品およびpixivのニックネームが、pixiv公式のTwitter、Facebookページなどのpixiv公式SNSアカウントや、月刊コミック百合姫、SFマガジン等に掲載される可能性があります。
投稿者へ選考結果を個別にお知らせすることはありません。

以下の項目をすべてお読みの上、あらかじめご了承いただいてから応募いただきますようお願いいたします。「参加方法」に定める方法により小説を投稿いただくことにより、本応募要項に同意いただいたものとみなします。

(1)以下にあてはまる作品(ニックネームを含む)は、審査対象外とさせていただきます。また、審査後に審査対象外となる事由が認められた場合、採用を取り消させていただく場合があります。本応募要項に違反した結果、応募者がピクシブ株式会社及びその他の第三者に損害を与えた場合、当該損害を賠償していただきます。
・ピクシブ株式会社、pixivの他のユーザーまたはその他の第三者の所有権、著作権を含む知的財産権、名誉、信用、プライバシー等の権利を侵害するもの(パロディ、模倣を含みます)。
・特定の個人・団体を誹謗・中傷するもの。
・わいせつ・残虐・差別に相当するもの、その他第三者に不快感を与えるもの。
・公序良俗に反するもの。
・作品を公開することが適切でないとピクシブ株式会社が判断するもの。
・未発表・オリジナルのもの。本企画の結果発表前に、応募作品が本企画以外のコンテスト等で受賞した場合には、選考対象外となります。ただし本企画へ応募する前に、応募者自身が主催・運営するblog等のWebサイト、応募者自身で作品の修正・削除等が可能な非営利目的の小説投稿サイト(pixivを含む)、過去に「百合文芸小説コンテスト」「第2回百合文芸小説コンテスト」以外のコンテストに応募し選外となった作品、応募者自身が非営利目的で制作・発行した同人誌で発表された作品は未発表作品とみなされます。
・「百合文芸小説コンテスト」「第2回百合文芸小説コンテスト」に応募し選外となった作品については、改稿等を行った場合につき未発表作品とみなされます。
・必須記載事項に記載漏れもしくは誤りがあるもの。
・その他、ピクシブ株式会社が適切でないと判断したもの。

(2)投稿作品の著作権は、投稿者に帰属するものとします。

(3)受賞者(各賞を受賞した者。以下同じ)は、一迅社および早川書房および小学館に対し、応募作品が受賞した時点(受賞者に対し弊社から受賞のご連絡をした時点又は結果発表時点のいずれか早いほう)で、受賞作品の利用(書籍化、電子書籍化、コミック化、アニメ化、実写映像化、ゲーム化、商品化、デジタル商品化等、受賞作品を翻訳・翻案・複製等したうえ利用することをいい、当該利用を第三者に再許諾すること等を含みます。以下同じ)を独占的に許諾することにつき、予め承諾するものとします。また、応募作品が受賞した場合には、受賞者は、一迅社および早川書房および小学館の事前の承諾なくして、受賞作品を自ら利用し、又は一迅社および早川書房および小学館以外の第三者に利用させることはできないものとします。

(4)投稿者へ審査結果を個別にお知らせすることはありません。なお、本コンテストの結果発表は、月刊コミック百合姫7月号(2021年5月発売予定)およびpixivにおいて行われます。受賞作品においては、投稿作品およびpixivのニックネームが、pixiv公式のTwitter、Facebookページなどのpixiv公式SNSアカウントや、月刊コミック百合姫等に掲載されます。
(5)投稿者は受賞の有無にかかわらず、コンテストへの投稿作品、作品コメントおよびpixivのニックネームの全部または一部が、pixiv公式のTwitter、Facebookページなどのpixiv公式SNSアカウントや、ピクシブ株式会社、株式会社一迅社、株式会社早川書房、株式会社小学館の運営するWebサイト、書籍等の媒体に転載、またはイベント等に展示される場合があることを、あらかじめ承諾するものとします。転載内容は一部翻案・改変する場合があります。
(6)一度投稿された作品の取消を行うと、選考の対象外となります。
(7)ピクシブ株式会社は、作品の投稿に際して生じた諸費用に関して一切負担しません。
(8)ピクシブ株式会社は、本コンテストへの投稿に際していただいた全ての情報を、本コンテストおよび選考作品の投稿者への連絡のためにのみ使用するものとします。また、投稿者の個人情報について、株式会社一迅社は株式会社一迅社のプライバシーポリシー、株式会社早川書房は、株式会社早川書房のプライバシーポリシー、株式会社小学館は、株式会社小学館のプライバシーポリシーに基づき取り扱うものとします。なお、ピクシブ株式会社は、本企画および第11項に規定する各種使用・利用を実施する目的のため、本企画主催の2社(ピクシブ株式会社、ピクシブ株式会社及びその関連子会社(ピクシブマーケティング株式会社、ピクシブプロダクション株式会社を含みますが、これらに限られません)に対し、応募者の個人情報を開示する場合があります。また、本企画への応募に際し、新たにpixivに会員登録した応募者が入力した個人情報は、上記による利用の他、ピクシブ株式会社がpixivの会員情報として、自らの責任により保管・管理・利用いたします。

4.諸権利について
(1)応募作品の著作権は、応募者に帰属するものとします。但し、ピクシブ株式会社は応募作品の全部又は一部を、本企画の広告宣伝物に複製等して、無償かつ無期限で使用すること(応募作品に変更を加えたり、応募作品を翻訳したりして使用することを含みます)ができるほか、当該行為を第三者(以下「再許諾先」といいます)に許諾すること等ができるものとし、応募者は、この旨予めご承諾いただくものとします。また、この場合、応募者は、ピクシブ株式会社及び再許諾先が、当該応募作品の応募者名(pixiv上のニックネーム)を明記・明示して使用することができることにつき、予めご承諾いただくものとします。
(2)受賞者は、応募作品が受賞した時点(受賞者とピクシブ株式会社との間で、受賞に伴うフォームの申請等の手続きが完了した時点)で、ピクシブ株式会社および各賞の主催者に対し、受賞作品の利用(書籍化、電子書籍化、コミック化、アニメ化、実写映像化、ゲーム化、商品化、デジタル商品化等、受賞作品を翻訳・翻案・複製等したうえ利用することをいい、当該利用を第三者に再許諾すること等を含みます。以下同じ)を独占的に許諾することにつき、予めご承諾いただくものとします。また、応募作品が受賞した場合には、受賞者は、ピクシブ株式会社の事前の書面による承諾なくして、受賞作品を自ら利用し、あるいはピクシブ株式会社および各賞の主催者以外の第三者に利用させることはできないものとします。

5.免責事項
(1)投稿者は、自己の責任において本コンテストに応募するものとします。
(2)ピクシブ株式会社は、投稿者の本コンテストへの応募、選考また、応募者とその他の第三者との間で生じたいかなる紛争についても、その原因の如何を問わず、いかなる責任も負担しないものとします。
(3)本コンテストは、システムのメンテナンス等ピクシブ株式会社が必要と判断した場合には、事前に何ら通告なく休止する場合があります。
(4)ピクシブ株式会社は、応募者が本コンテストに関して被ったいかなる損害(本コンテストの中断、停止または廃止を含み、これに限定されない)についても、その責めを負わないものとします。
(5)本応募要項に定めるピクシブ株式会社の免責については、損害発生の直接的原因となる事由がピクシブ株式会社の故意または重過失による場合には適用しないものとします。

6. お問い合わせについて
(1)本コンテストに関するご意見、ご質問がございましたらこちらまでご連絡ください。
(2)お問い合わせいただく際は必ず「返信先メールアドレス」「ニックネーム」「問い合わせ内容」をご記入ください。また、件名は必ず「第3回百合文芸小説コンテストについて」としてください。
(3)電話でのお問い合わせはご遠慮ください。
(4)選考結果についてはお答えできません。

7.準拠法と裁判管轄
本コンテストおよび本応募要項に関する事項には日本法が適用されます。また、本コンテストおよび本応募要項に関するピクシブ株式会社と応募者との間の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。
1. Confirm your application
Entry conditions are different for each contest.
Make sure to read them carefully before planning your submission(s).
2. Create something along this theme
本コンテストでは、女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説を募集します。優秀作品には賞金が贈られるほか、月刊コミック百合姫への掲載やコミカライズなどの展開を予定しております。
Period of event:11/17/2020〜1/31/2021
Uploading format
(1)参加方法
①pixivの小説投稿機能を使用し、女性同士の恋愛や友愛をテーマにした小説をお書きください。
②以下に定めるタグを設定してください。
タグ:百合文芸3
※pixiv上に表示される本文の文字数により、自動的に応募部門が振り分けられます。
短編部門(5,000字以上~19,999字以下)
中・長編部門(20,000字以上~120,000字以下)
③以下のチェックボックスにチェックを入れてください。
表現内容:オリジナル作品
④シリーズのあらすじ、もしくは作品1話のキャプションに400~1,600字程度のあらすじをお書きください。中・長編部門への応募作品は、結末まで記載されたあらすじをお書きください。
※「このあらすじはネタバレを含みます」といった注意書きを記載しても構いませんが、あらすじの文字数にはカウントいたしません。
⑤上記②~④を満たした作品(小説)をpixivに投稿してください。

○こんな作品を求めています
女性同士の交流の中で生まれる、特別な親愛が描かれた作品。思わず口にしたくなるようなセリフや、心に沁みるシチュエーションに出会えることを期待しています。

(2)ご応募いただく小説(以下「応募作品」といいます)の文字数は、最終締切日(2021年1月31日23:59)の時点で
短編部門:5,000字以上~19,999字以下
中・長編部門:20,000字以上~120,000字以下
を満たしている必要があります。
文字数のカウントは、pixiv上に表示される数値を基準とします。
中・長編部門はシリーズ作品(連載形式)としての投稿を推奨しますが、締め切りまでに最終話を投稿してください。最終話が投稿されなかった作品は、未完結作品とみなし選考対象外となります。シリーズ作品(連載形式)として投稿する際は、完結したタイミングでシリーズ情報の「完結」フラグにチェックを入れてください。

(3)応募作品の内容は、日本語で記述されたもの、全年齢向けのものに限ります。

(4)シリーズのあらすじ、もしくは作品のキャプションに400~1,600文字程度のあらすじをお書きください。中・長編部門への応募作品は、結末まで記載されたあらすじをお書きください。
※「このあらすじはネタバレを含みます」といった注意書きを記載しても構いませんが、あらすじの文字数にはカウントいたしません。

(5) お1人様何作品(連載・シリーズ)でもご応募いただけますが、1回の投稿につき、1作品(1連載・1シリーズ)のみとさせていただきます。1シリーズの中に複数の異なる作品を投稿された場合は、選考の対象外となります。
NG例:シリーズ名を「第3回百合文芸小説コンテスト応募作品集」とし、複数の異なる作品を登録する。

(6)応募作品が受賞した場合、当該作品の元データ(保存形式は問いません)をご提供いただくことがありますので、データを削除・紛失等しないよう、ご注意ください。

(7)応募作品は、未発表・オリジナルのものに限らせていただきます。本企画の結果発表前に、応募作品が本企画以外のコンテスト等で受賞した場合には、選考対象外となります。ただし本企画へ応募する前に、応募者自身が主催・運営するblog等のWebサイト、応募者自身で作品の修正・削除等が可能な非営利目的の小説投稿サイト(pixivを含む)、過去に「百合文芸小説コンテスト」「第2回百合文芸小説コンテスト」以外のコンテストに応募し選外となった作品、応募者自身が非営利目的で制作・発行した同人誌で発表された作品は未発表作品とみなされます。
・「百合文芸小説コンテスト」「第2回百合文芸小説コンテスト」に応募し選外となった作品については、改稿等を行った場合につき未発表作品とみなされます。
3. Use the tag "百合文芸3" on your illustration and post it!
Please check if your work meets the conditions required for application before uploading.
4. Applications complete!
Please wait till the judging is finished.
You will receive a notification regarding the contest results.
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