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この作品 「『旧暦編纂のサイダーセブン』」 は「SF・ファンタジー」「ピクシブ文芸大賞」等のタグがつけられた作品です。

 近未来。ほとんどの人類は“機械”とよばれるアンドロイドに生かされ、ドラッグでの...

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『旧暦編纂のサイダーセブン』

2017年3月31日 20:03
 近未来。ほとんどの人類は“機械”とよばれるアンドロイドに生かされ、ドラッグでの快楽を貪るだけの自堕落な生活を送っていた。
 そんな堕落した人類とは違い、主人公のサイダーセブンという歴史家の青年は、“機械”と人間の間で起きた戦争で失われた歴史――旧暦を調べ、蒐集し、編纂していた。
 サイダーセブンは次の調査対象を、人間を初めて殺した“機械”ミルムルグに決め、ミルムルグ本人から話を聞く為、彼女が幽閉されている北海道へと赴く。
 サイダーセブンは、苦労の末、ミルムルグを見つける。
 サイダーセブンは事情を説明し、ミルムルグに初めて人を殺したときの話を聞こうとする。だが、ミルムルグは、
「私は私のしたことを話す。だけど、一つだけ嘘を混ぜる。その話を聞いて、嘘を見破れなかったら、君には死んでもらう。この嘘が分からないようならば、君は人間の敵になる」
 と言い、サイダーセブンに命懸けの嘘見破りゲームを持ちかける。
 人類の敵という言葉の意味は分からなかったが、生き残るため――そして、歴史を知るためにサイダーセブンはミルムルグの誘いに乗る。
 その話とは、ミルムルグが仕えた津丸(つまる)タミという人間の生まれてから死ぬまでの話だった。
 ミルムルグは津丸タミを愛し、不幸な境遇にある彼を懸命に育てていた。しかし、津丸タミは、成長するにつれ、人間は“機械”にただ生かされているだけで、人間より優秀で万能な“機械”の邪魔しかしていないのだから世界から退場するべき、という思想にとりつかれていく。
 ミルムルグはなんとか彼が、そういう思想を捨て幸せに生きるように、手を尽くす。
 だが、ミルムルグの苦労も虚しく、最終的に津丸タミは爆弾を製造し、大量の人間を殺そうとする。ミルムルグは津丸タミを愛していた。愛故に葛藤するが、より多くの人間を守るために彼を殺す。
 ――これがミルムルグの話だった。
 サイダーセブンは、ミルムルグの話の嘘を見破り、ミルムルグは津丸タミを殺しておらず、津丸タミはミルムルグへの愛故に、彼女を守るために自殺した、という事実に辿り付き、生き残ることに成功する。
 現在の人類に悲観していたサイダーセブンであったが、ミルムルグとの出会いを通じ、人間と“機械”はもっと良い関係になれると信じるようになった彼は、未来を良くしようと努力し始める。
 しかし、サイダーセブンは、自分が人間でなく“機械”で、その存在理由が、堕落した人類を救うため、“機械”をこの世から消し去るべきかどうかの判断をするための装置だということを知らない。もし“機械”がこの世からなくなれば、ほとんどの人間は生きていけなくなる。だから、人間を愛しているミルムルグはサイダーセブンを試したのだ。
 ミルムルグはサイダーセブンが“機械”を消し去るという判断はしないだろうと思い、人類の敵になるかもしれない彼を殺さなかった。
 サイダーセブンは、そんな重責を背負っていることも知らず、今日も旧暦を編纂する。
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