『ボツだな』
『…はぁ』
高校生ながら、漫画家としてデビューした僕は
担当のアスナさんに7週目のネームをチェックしてもらっている
『イシノ…お前の描いてる漫画のジャンル
なんだっけ?』
『えっと…魔王と勇者が共にその後の旅をする
ファンタジーもので…』
『そうだよなぁ!主人公が最も感情をだして
最も活躍する絶好のシチュエーション設定
だ!』
なぜか怖い顔をしながらアスナさんは何かを訴える
あまりリアルな言葉のキャッチボールの慣れてない僕はただタジタジと質問する
『そ…それならなんで…』
『目立たないんだよ!勇者も魔王も!
逆に村人やそこらへんにいた少女が
いい感じに客寄せになってる!』
『客寄せになってるなら別にいいんじゃ
ないんですか…?』
アスナさんは少しため息をつき、パイプ椅子にもたれかかる
『はぁ…あのなイシノ…いや、あらすじ先生
仮にもコレはバトルものなんだろ?長期連載をメドにした漫画だろ?ここで主人公がなんか名言っぽいこと言ったり、読者の記憶に残るような戦闘シーンの一つや二つを残していかないと
あとあと足にカセつくぞ』
『ど、どういうことですか?』
『あー…んじゃあワンピース例えるよ?
「生きたいと言ぇえ!」ってやつ?
あれルフィじゃなくて他のやつが言ったら
どう思う?』
『…別にいいんじゃないですか?名言だし』
『なっ!んじゃあこれならどうよ!
もし最初の1話で!ルフィじゃなくてコビーが
アルビダを倒したらどう思う!』
『そ…それはさすがスッキリしないです』
『それだよ!お前の漫画!1話は面白かったよ!
主人公が只者じゃないことがわかる場面だったし…。だがその後なんだよ!なんかサブキャラがでっかいコマ使うの多くなってねぇか!なんでただの木こりが盗賊やっつけちゃうの!
なんで売れないサーカス団が必死こいて
さらわれた子供たち助けちゃうの!勇者と魔王
ここ最近あいづちしかうってないぞ!』
『でも…面白いんですよね?』
『…まぁ確かに面白いではある…あるけどよ!
このままじゃ長続きしないぞ。』
『そんな…』
『……前から思ってたけど…
お前、なんか「主人公」って柄は
似合わねぇな』
…また言われた
はじめまして、シロマルさま。
どんな相手を『捜索中』なんですか? 文章を絵にしてくれる相手ですか? それともリレー小説の相手? 原作を書いてくれる相手なのか、はたまた、逆か。
ちゃんと書いてあった方が解りやすいですよね。
運命の相棒に、出会えれば良いですね。