寒さで目が覚め、予報を眺めれば正午から先は雪達磨がぞろりと並んでおられる。閑古鳥な社とはいえ間違えてこられるといけないと柵を立てて今日は休み。外にも出る気はないと意気込んで暫くして一服ついでに戸を開くと、吹き抜ける風と一寸先すらも染めてしまう程に冷たい白き花々。開けた瞬間に「さっみ・・・ああ、くそ。」と呟く口から白煙が漏れる。紫煙欲しさに迂闊な事をしたと言いながら点ける火は、それに当てられた煙草の先で燻る黒煙に似ていた。
口に含んだ煙なのか、単なる冷えた吐息なのかも分からない白煙と風に吹かれる紫煙の先に或るのは煙一つ残さず奪われた冷えた珈琲。こんな日は・・・おや?
消えかけてるが、饅頭の真似事が巧い誰かさんが来てたようだ。煙に巻かれる前に見つけられてよかったと思える反面、アイツの丸くなった姿を思うと少しばかり饅頭を食べたくなる気分にさせられる。
・・・けど、多分ないだろうなあ・・・。