■質問の前にちょっと試行錯誤しようぜ！
質問は、どこがわからないかできるだけ具体的にするために、漠然とでもいいのでなにがわからないのかを明確にするためにいろいろ試してみるといいです。

よく質問で見かけるのですが「はじめて＊＊したのですが、上手く行かなくて、これはどうやっていいのかわかりません」という内容。
言いたいことは分かる。
わかるけど、まずそこはちょっと待とう。

そりゃ、分かるわけないです。だってはじめてだもん。

今までそこそこ色々試してきて色々出来るようになってきて新しいことに挑戦しよう、って時に「あれ、今までやってきたことで上手く対応できない、基準がないからどうしよう、なにすればいいんだろう」って不安になるのはわかります。

でも、考えてみてください。

今まで描いてる絵だって、はじめて描いた時にいきなりそこそこ描けてわかってる状態で描けなかったよね？
それと同時に、初めて絵を描いた頃、まだ人物の顔どころか線の一本すら上手くできないで困ってる時。その頃に赤ペンで全身の描き方アドバイスしてもらってもあんまり身にならなかったってのもわかると思う。
もちろんそれが全く無意味とかそういう話じゃない。道に迷ったらもちろん聞くべきだし、困ったら助け合うのは大事なことだと思ってるし、時にはよくわからなくなったらすがってもいいし、よくわからないうちにいい話を聞くのも重要だと思う。
だけど「自分がまだ何をどうしていいか、どういうところがわからないか」を知らない、何を質問したら分からない時にはアドバイスを聞いても、活かしにくいんです。
なぜかというと、自分が何がわからないかをわかっていないから。つまり何を直さないといけないか、何が必要かをわからない時は、すごく身につきにくいんです。

いい実例として「学校の勉強」がそうだと思います。
誰もが必要だって思っていながら、やりたくないし覚えたくない。
でも、社会人になったり社会人というところが見えてくるにつれ、それが必要だとわかるからやらないといけないと思うし、頑張って受験勉強とかするし、社会に出たらむしろ必要な物を自分で買ってきてまでわざわざ勉強します。場合によっては自分でお金出して学校に行きます。

それと同じように、人間、必要だと思わないと学ばないんです。
正確には全くためにならないわけでもないんですが、とにかく覚えが悪いです。

なので、出来れば質問する前に、出来ればどういう所で上手くいかないで苦しんでるのか、どこを直したらハッピーになれそうなのかを考えて色々試してみてください。

これ、実は絵で最も重要な能力で「自分の何が良くないかを判断して修正できる」というのがすごく大事なんです。
自分の絵で「ここがうまく行ってない、ヤバイ！」というところがわからないことには自分で直しようも調整もできないわけで、それは誰も直せません。
他人が直せない以上自分で気づいて自分で直したり上手く調整する必要があるのですが、ともすれば安易な質問はこの能力の成長機会を奪います。考えないで試さないで答えが与えられるなら自分で考える必要が減るからです。
自分で考えて発見することの必要が薄れてしまったらそれは成長が遅くなります。

ここではどんどん質問して欲しいけど、ただ分からない不安を質問するのではなく、なにがわからないかを少しでも明確にする訓練だと思って色々試してみてください。
初めて試して上手く行かずに質問するより、とりあえず数枚描いてみて質問するほうが自分のためになると思います。