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まだ春浅い夕刻の薄闇の中、不意に立ち止まったイギリスが耳もとで囁いたので、ロシアは驚いて目をしばたかせた。
「え?」
「だから、キスしようぜ」
少し下の至近距離から見つめる彼の緑の瞳は真剣だった。ロシアは慌てて周囲を見渡した。ここはモスクワの中央。赤の広場の前で、人通りも多い。
「こんなところで?」
ロシアは困惑した声をあげた。こんな衆目のある中、男同士でキス。それが何を意味するのかイギリスだって知らないわけじゃないだろう。
「だめだよ。誰に見られるかわからないし、それに僕の家は」
知ってるでしょ、とロシアはイギリスに怒った声で小さく囁いた。ロシアの家では同性愛はきつく規制されている。
「聞かれたら挨拶だって答えればいい。キスはお前の国の挨拶なんだろ?」
「そんな…。それじゃここじゃなくてもっと人目につかない場所で」
「今、ここでしたい気分なんだ」
ロシアは眉を寄せた。
「……やっぱり駄目だよ。だっていくら僕がかばっても逮捕されたらただでは帰してあげられないよ。終身刑になっちゃうかもしれないし」
「終身刑?…はは、そいつは面白えな。禁固何百年のつもりだ?でもそれならずっとお前の家にいられるよな」
「イギリス君、冗談じゃなくて」
「俺も冗談は言ったつもりはねえぞ」
イギリスはロシアの頬をふんわりと両手で包んで、その紫の瞳を見据えた。
「それとも、お前に手を出した不敬罪で捕まるのか。それも悪くねえな」
「……イギリス君」
「本望だ」
緑の瞳に最後の残照が差し込み鮮やかに光る。その目の力強い輝きは彼がかつての大英帝国として暴れていた頃をロシアに思い出させた。引き寄せられ重なり合った唇は絡み合って睦みあい、二人は周囲の好奇の目も気にせず恋人同士の“挨拶”を長い間交わしていた。