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ひまわり紅茶でティータイム!

公開グループ
APHの英露(アサイヴァ)の腐向けグループです。英露スキーならどなたでも参加OKですのでお気軽に☆
英露botの三次創作も投稿OKとしていますので、どしどしご参加してくださいね。
※英露以外の関係のない投稿はご遠慮ください。悪質だと判断した場合は管理人が削除します。キャラやカップリング、作品、個人などに対する誹謗中傷も削除いたします。
※固定カップリング。リバ不可とさせていただきます。
※18禁発言や作品は禁止です。エログロ、激しい流血表現等もここではご遠慮ください。
カバーとアイコンはいつでも募集中ですよ!
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  • 眉毛の日おめでとうー!ということで滑り込み英露です。今回ちょっとロシアちゃんがかわいそうになりました(汗)
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    「キスしていいか?」
    まだ春浅い夕刻の薄闇の中、不意に立ち止まったイギリスが耳もとで囁いたので、ロシアは驚いて目をしばたかせた。
    「え?」
    「だから、キスしようぜ」
    少し下の至近距離から見つめる彼の緑の瞳は真剣だった。ロシアは慌てて周囲を見渡した。ここはモスクワの中央。赤の広場の前で、人通りも多い。
    「こんなところで?」
    ロシアは困惑した声をあげた。こんな衆目のある中、男同士でキス。それが何を意味するのかイギリスだって知らないわけじゃないだろう。
    「だめだよ。誰に見られるかわからないし、それに僕の家は」
    知ってるでしょ、とロシアはイギリスに怒った声で小さく囁いた。ロシアの家では同性愛はきつく規制されている。
    「聞かれたら挨拶だって答えればいい。キスはお前の国の挨拶なんだろ?」
    「そんな…。それじゃここじゃなくてもっと人目につかない場所で」
    「今、ここでしたい気分なんだ」
    ロシアは眉を寄せた。
    「……やっぱり駄目だよ。だっていくら僕がかばっても逮捕されたらただでは帰してあげられないよ。終身刑になっちゃうかもしれないし」
    「終身刑?…はは、そいつは面白えな。禁固何百年のつもりだ?でもそれならずっとお前の家にいられるよな」
    「イギリス君、冗談じゃなくて」
    「俺も冗談は言ったつもりはねえぞ」
    イギリスはロシアの頬をふんわりと両手で包んで、その紫の瞳を見据えた。
    「それとも、お前に手を出した不敬罪で捕まるのか。それも悪くねえな」
    「……イギリス君」

    「本望だ」

    緑の瞳に最後の残照が差し込み鮮やかに光る。その目の力強い輝きは彼がかつての大英帝国として暴れていた頃をロシアに思い出させた。引き寄せられ重なり合った唇は絡み合って睦みあい、二人は周囲の好奇の目も気にせず恋人同士の“挨拶”を長い間交わしていた。
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      やがて人ごみを割るようにして、紺色の制服の警官が幾人か現われ二人を包囲しようとした。しかしロシアの顔を見知る人物が中にいたらしく、彼らが動揺している。その隙を見て、イギリスはロシアの手をとった。
      「逃げるぞ!」
      「う、うん!」
      周囲の国民や、やんやと声援を投げかける外国人観光客達に紛れ込むように、二人は駆け出した。
      「とりあえず、俺の家の大使館に駆け込むぞ」
      「イギリス君、こっちだよ!僕、抜け道知ってるから!」
      「おう、流石だな」
      「結局逃げることになるなら最初からしなきゃいいのに!」
      「ははっ!スリルがあっていいだろ?」
      「どうして普段臆病すぎなぐらい慎重なくせに、こういう時だけ大胆なの?!」
      ロシアは泣きそうな顔をしている。イギリスは少し上を向いてしばらく考え事をしていた。
      「ロシア」
      「……なに」
      イギリスは息を吸い込み大声で叫んだ。

      「好きだぜ!」

      ロシアは耳まで真っ赤になった。

      「……ばか!」

      ああ、なんでこんな相手好きになっちゃったんだろ。ロシアは思わず自分を呪った。だが彼にはきっとこれからも言いすくめられる予感しかしない。単純に、好きだと一言いわれたぐらいで喜んでいる自分がいる限りは。

      二人は言い争いながら、人気のないモスクワの小路を全速力で駆けていった。

      (終)
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