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「アナログハック・オープンリソース小説コンテスト」結果発表
2020年12月7日
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pixiv事務局です。

2020年8月3日(月)~2020年10月4日(日)まで開催された「アナログハック・オープンリソース小説コンテスト」の受賞作品がついに決定しました。



本コンテストでは、アナログハック・オープンリソースの設定・世界観を利用したオリジナル小説を募集しました。たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。

長谷敏司先生による最終選考の結果、受賞となりましたのは以下の作品です。

■大賞(1名)
賞品:賞金3万円+受賞作と長谷先生による講評を日本SF作家クラブ公式ネットマガジン『SF Prologue Wave』にて紹介
『環世界間通信』/れむまるさん

■優秀賞(2名)
賞品:賞金1万円+受賞作と長谷先生による講評を日本SF作家クラブ公式ネットマガジン『SF Prologue Wave』にて紹介
『アナクロハッカー・インタビュー』/泡國桂さん

『残響は遥か彼方まで』/広瀬凌さん

長谷先生からの総評
 アナログハック・オープンリソース小説コンテストは、レベルが高いコンテストだったと思います。
 とくに最終選考に残った作品は、小説としてきちんと体裁が整っていて、出版社の短編小説賞のようなクオリティのものをいただいて、驚きました。
 内容としても、SFとしてすぐれたもの、小説として感じるところのあるもの、キャラクター小説として彩り鮮やかなものなどさまざまでした。
 オープンリソースの使いこなそうとすると膨大な内容をかみ砕いて使っていただいて、運営している者としても心からうれしく思います。

 大賞の受賞作は、れむまるさんの『環世界間通信』です。今回、とてもレベルが高かったのですが、その中で総合力で選ばせていただきました。人物の丁寧な描写も、しっかりと未来を想像してありそうだと思わせる設定のつくりも、夏の思い出の空気感も、すべてが一体になって高いところで物語を完成させていたと思います。
 また、優秀賞として泡國桂さんの『アナクロハッカー・インタビュー』と、広瀬凌さんの『残響は遙か彼方まで』を選ばせていただきました。
 『アナクロハッカー・インタビュー』は、非常に達者で隙のすくない語りの、仕掛けのしっかりした作品でした。その軽妙さゆえに見過ごしてしまいそうになりますが、とても強い愛情の物語でもあります。
 『残響は遙か彼方まで』は、感情描写が非常に細やかな作品でした。アナログハック・オープンリソースの特徴である「人間のかたちをしたものを使って、人間の感情を誘導する」アナログハックの設定と、感情表現の繊細さは相性がよく、これをいかんなく発揮してくださっていました。物語の気持ちのよさも好印象でした。
 本来は大賞と優秀賞だけなのですが、今回、最終選考に残った全作品には長谷から講評をつけさせていただきました。受賞の三作について、そちらでももっとくわしく触れています。

 オープンリソースを始めたのは、現代SFを手軽に書き始められるたたき台として利用してほしいという動機でした。けれど、それだけではなく、この設定から長谷が書けない切り口や手つきや、書き切れない物語がいくらでもあると考えて、託したということもあります。
 コンテストの作品を読ませて頂いていると、本当にオープンリソースを始めてよかったと思えました。長谷敏司という作家が夢見た場所です。
 最終選考には残念ながら一歩届かなかった皆様の作品も、楽しみに読ませていただきます。本当にありがとうございます。


(ただしがき)
 コンテストについてですが、一点だけ、ただし書き的なお話をさせてください。
 今回は故人の身代わりをする身代わりhIEを扱った作品が多かった印象がありました。これについて、それぞれの書き手さんが皆さん、さまざまな書き方や切り口を見せてくださいましたので、問題ないと思っています。
 SFでは新しさが大きな価値をみられるところがあります。実際、SFジャンルでは、目新しさは大きな武器です。ですが、ネットワーク上で共通の設定を使うものでは、ネタがかぶることは、これもまたひとつの価値です。たとえば、ネット上のSSなどでは、面白いものをみんなが手を変え品を変えて使うことでミーム化してゆきますし、「小説家になろう」など小説投稿サイト発の小説文化では、ネタかぶりや模倣をお約束化することで面白いパートに進むまでの手順に圧縮をかける定石が、読書時間がない読者さんに受け入れられました。
 オープンリソースではどう扱うのが適切かはまだわかりませんが、ある程度ネタかぶりがあることは、宿命であると思います。今後オープンリソースが大きく成長するとしたら、そこを乗り越えたうえで獲得される何かが重要なのではないかと考えています。
 長々と脱線のようなお話になってしまいましたが、パクリまで行くのはよくないにしても、ネタかぶりを過剰に恐れず過剰に目くじらを立てずで面白い物語を模索してもらえると、とてもありがたいです。



受賞者のみなさま、おめでとうございます。

受賞作およびくわしい講評が日本SF作家クラブ公式ネットマガジン『SF Prologue Wave』に掲載されています。一次選考通過作品についての講評もいただいておりますので、ぜひご覧ください。


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