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創作同好会【Gemini】

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絵描き、字かきの練習のためのグループです!二次、一次創作またBL、NL、GL等何でも構いません!
毎月一日にお題を出したいと思います。イラスト、小説どちらでも大丈夫です、ぜひ参加してください!
支部に投稿する際は、#Gemini のタグをつけていただけると幸いです!
初めてなので至らない点もあるかと思いますが、よろしくお願いします!
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  • 初のコピー本として同人誌発売に向けて書いてるのですが、なにぶんテーマがギリシャ神話な為にうまく伝わるかどうか不安なので、わかりにくいところをピックアップしてもらえたら嬉しいです。まだ書き途中で半分くらいなので、全部流れ書き出してからの手直しになりますが……
    よろしくお願いしますm(_ _)m

     自分はとある女神の箱の中にずっと隠されていた。暗く、狭く、少し肌寒い場所。ずっと自分はその中にいるものだと思っていた。それがある日、自分の持ち主だった愛と美と性の女神からまた別の女神に箱ごと自分は預けられた。
    「悪いけど、少しこの箱を預かっていてくれるかしら。中身は決して見ないで欲しいの」
    「構わないけど……」
    「よろしくね」
     これから先、どうなるのだろうか。ずっと震えていた。あまり箱は大きくなく、自分の体がちょうど入るくらいのサイズであまり動くことはできなかった。それが突然、頭にかかっていた蓋が取り払われた。誰かが、自分の周りの世界を破壊した。恐る恐る、上を見る。
    「まあ、美しい顔をした可愛い子!」
     預けられた先は冥界だったらしく、薄暗く寒い世界ではあったが、箱を開けた冥界の女王がとてもダンス好きで、よく相手をさせられた。常に白い服を着せられていた為に、周りからは白服と呼ばれ、2年ほど肉体が死を迎えた魂の導き方と死化粧について学んだ。死者は特に多くを語ることはなく、静かだった。少しだけある幼少期の記憶に、人間についての記憶がある。とても、騒がしくけばけばしく、必要以上の言葉を放つ。長い間箱の中に閉じ込められていた自分にとって、静かなここはとても心地が良かった。
     冥界に預けられてから数年経ち、自分がある程度大人になったとき、自分を預けた女神が冥界の門を叩き、白服を返してほしいと言ってきた。
    「まあ、どうして?数年間も貴方は一度も顔を見せずに私達のもとにこの子を置いてきぼりにしたのに」
    「預けたものを取りに来ただけよ。彼を拾ったのは私です」
     女神達はいがみ合った。美しい青年に成長した白服は、女神達も結局人間と同じように些細なことでいがみ合うのだと。
     いがみ合いは数日にわたった。何度も怖い顔で女神達は白服にどちらにつくのかと迫った。誰かと対峙して話すことができるはずもない自分に、鬼気迫る表情をした女神二人に詰め寄られてどうしてうまく答えることができようか。何を言って
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    何を言っていいかもわからない。冥界の女王には確かに長いこと世話になっている。それに自分に死者のことや化粧のことを知ってみたらどうかと提案してくれたのは冥界の王だ。面倒を見てくれたことに対する恩は量りきれない。
     かと言ってあんな家畜より少し知能があるだけの下等生物の世界から連れ出してくれた女神を無視するわけにもいかない。彼女は美の女神だ。冥界で培った自分の美学についてさらに成長できる何かを知っているかもしれない。
     口を開けて閉じてを繰り返しているだけの自分を見て、彼女達はそれにもまた腹が立ったのかその後も喧嘩は続くことがしばしばあった。
     このままでは埒が明かないと、周りの神々達の勧めもあり、彼女達は神々の裁判所に赴いた。
    「白服はどちらのものですか!公平な審判をお下しくださいませ!」
     正義の女神が、二人の話を聞き、そして白服に目を向ける。
    「お前の意見が聞きたい」と。
     鋭いいくつもの目線が刺さるように突き刺さる。元来脆かった心は、ここ最近の騒動で心労が、パンパンに膨れ上がった風船のようになっていた。向けられた視線は、鋭い針のように感じられ、耐えられなくなった白服はガタガタと震えながら大粒の涙をこぼし、その場にへたりこんでしまった。
     正義の女神はやれやれと言った表情で裁判官に命じて椅子に座り直させ、白服に気付け薬を飲ませた。白服が落ち着いたところで、よく通る声が、判決を下す。
    「判決を言い渡す!1年のうち3分の1は冥界の女王のもとで暮らし、また3分の1は愛と美と性の女神のもとで暮らしなさい。そして残りの3分の1は、白服、貴方の自由に暮らしなさい」
     天界の裁判所の判決は絶対である。いがみ合っていた女神達はこの平等な判決に黙るしかなかった。
    「他に何かなければ閉廷します」と言う正義の女神に、白服はやっと声をあげることができた。ここで言わなければ、きっと手に入らないものだと思ったのだ。
    「ぼ、僕に……もう一つ、全く違う姿をください」
     そうして与えられた姿は、真っ白なカラスの姿であった。羽の一つ一つは純白で、瞳は透き通った琥珀色をしていた。与えられたものは新しい姿だけではなかった。
    「貴方は今まで白服と呼ばれ続けてきたのでしょう。私達神にも、名があります。それなのに名がないというのは不自然でしょう。これからはイソップと、そう名乗りなさい」
     こうして新たな名と姿
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       こうして新たな名と姿を手に入れ、神たちの間でも噂される人物となった。
      「ほら、あの子よ。蛇の姿を授かって、二人の女神を虜にした青年は」
       最初のうちはこのようなものだった。だがしかし、神々もまた噂好きで話がされていくうちに尾ひれというものがつき、どんどんかけ離れたものになっていき、しまいには
      「女神二人を誑かし、周囲との交流がうまく図れないのは演技によるもの。男でも女でも関係なく手玉に取ろうとし、本来は蛇の化身であるが他の地の神を誑かした罪により姿が戻せなくなった。本当は醜悪な顔をし、鱗が残っているのを化粧術を身につけて隠している。新たな姿を望んで手にしたのが蛇の姿なのはもとの姿に少しでも戻りたいため。あの者に魅入られたら次は自分だ」などと、根も葉もない噂が飛び交った。当然、それはイソップの耳にも入り、元々社交を苦手とする彼はより一層自分の殻に閉じこもった。
       愛と美の女神と過ごしている期間の間、一度だけ音楽会に連れ出されたことがある。イソップ自身は丁重に断ろうとしたのだが、主導権は私にあると押し切られて渋々ついていった。
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        一旦話がぶっ飛びます。今までの話の先の話になるのですが順番を後に持ってきたために宙ぶらりんの状態です。自分でなんとなく読みにくいと思っててもそのなんとなくの部分がなにかわからないのでご指摘お待ちしてます

         白い庭園に咲き乱れた青、赤、紫、白のアネモネが風に揺れている。赤茶のレンガでできた道の先にあるガゼボには、球体関節人形のように節々に線が入り、また人工的に造られた美しさを纏った男が、本を開いていた。
         なんと絵になることだろう。画家がいれば、即座にこの光景をそっくりそのまま絵にしろと叫びたくなるくらいだ。
         蜂蜜色をしたガラス玉をはめ込んだような瞳からは視線を追うことはできないが、時折細い指先がパラ、とページをめくる。なにやら、怪しげな図解が記されている。彼は一体何を読んでいるのだろうか。自分の目はあまりうまいこと作られていないせいで、それ以上のことがわからない。
         ガゼボを取り囲むように植えられた花は、アネモネで埋め尽くされている。この男が、そうするようにと造らせたのだという。しかし、この男は
        「美しいとは思う。けれどアネモネは嫌いだ」と言う。
         随分と難儀な性格をしているらしい。アネモネには、諸説あるが恋の苦しみを謳う花言葉が中心である。美しいと思えど嫌いだなんていうだなんて、未だ忘れられないかつての恋人がアネモネの花が好きだったとかだろうか。
         それとも彼が昔話してくれた、自分にそっくりの双子の兄弟のことを言っているのだろうか。彼がその兄弟のことを兄弟以上の対象として好きだったのか?それとも置いていかれた苦しみから?その兄弟がアネモネが好きだったとか?何かを忘れないようにする為に植えているのか?
         いつか、アネモネを嫌いながらも植えている理由を聞いても良いだろうか。
         枯れることもなく咲き乱れ続けるアネモネ達の間を歩き、近すぎず遠すぎないところから彼を見上げる。今彼はどんなことを考えているのだろうか。
         そこに少しでも、僕のことがあったらどうしようか。嬉しすぎて、2メートルくらい飛び上がって巣に逃げ帰ってしまうかもしれない。
        「君が其処にいることくらいわかっているよ……出てきたらどうだい、白服」
         パタン、と軽い音を立てて本が閉じられる。本に注がれていた視線が、今自分がいる方に向く。彼を覗き見ていたことがバレてしまっていた。
        「いつから知っていたんですか」
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