■目的のないまま手なりに進めてたりしてない？
そこそこ描けるようになった気はするけど、キャラをしっかり考える前に漠然とポーズとかをなんとなく描く、そんなことを繰り返してたりしませんか？

技術習得や練習がうまくいっている間はともかく、それも一段落し、漠然とした描き方長く繰り返しすぎると徐々に気が滅入ってくると思います。

なぜかというと、構図やポーズに目的がないので、何のために描いているか目的を見失うからです。
そうなってくるとだんだん目的と手段が入れかわって、練習のための練習やポーズのための絵を描きだしたりしてしまうことがあります。
もちろん技術的な練習としてやる分には構わないのですが、上手く描くこと自体が目的になってしまうと、楽しく描くための絵や楽しく見てもらうための絵ではなくなってくるので、描き手からも見る側からも楽しさが失われていきます。
上手いけどなんか魅力ない絵だなーと思った経験ありません？3Dで作った絵は完璧だけどなんかつまらないなーと思ったことありません？
つまりは、そういうことです、残念ながら上手さはただそれだけでは楽しさにつながらないんです。

そういう時はまず、「楽しいって何か」を一度落ち着いて考える必要があります。
多くの人のキャラ絵の場合、それは「キャラが魅力的であること」だと思ってます。
自分が頑張って描いたキャラが魅力的で、みんなにそう思ってもらえるといいなってところが多いと思います。
そうじゃない人はすいません。その場合も自分の目的をちゃんと具体的にしてみてください。

なので、まずキャラを魅力的に描くべきと考えます。
知識やデッサンが必要なのも、上手くある必要が出るのも、その魅力的と言うところを外さない上でたまたま必要だから修得するだけに過ぎません。
だってほら、関節が派手に折れたポーズのキャラを描いたら、普通は魅力的に思われにくいよね？自分でもブクマしにくいよね？
そういう一般にありえないことを描くと、見る側は違和感を感じて魅力的だというところからどんどん外れていきます。
だから外れないように知識や技術で整合性を整えるだけの話で、整合性を整える目的の絵になっちゃマズイわけです。

あれ、じゃあ見せるために描いてるの？なんか迎合っぽくてやだなあと思うそこのアナタ。そもそも絵を他人にわかってもらいたいならわかるように描く必要があります。
もし本当に自分のためだけの絵なら他人に喜んでもらってフィードバックを得る必要はないわけで、実際にそう思ってるならそこで困る必要もありません。
ほんとにそういう人は実在しますしすごく楽しそうに絵を描かれます。

でも、もし他人に喜んで欲しいと思った場合は、他人が理解できるようにする必要があります。
そのへんは会話と一緒で、他人と共通性のある話題でないとわかってもらえません。
知らないネタは面白くなるまでの過程を全部説明する必要があるのです。でも説明も、話すのも聞くのも正直ちょっと面倒だったりだよね？
だから、説明を出来るだけしないで済む範囲内、もしくは説明すら魅力になるようなところで分かるように楽しく思って貰う必要があります。

極端な話、どれだけ自分が可愛いと思っていても、身長5mで筋肉隆々、腕3本足8本のキャラをすっごい可愛いでしょ！と言っても理解してもらえないわけです。
ぶっちゃけ、守ってやりたくなるような可愛い外見、仕草や表情、ちょっとはにかんだり恥ずかしがったりもじもじするような動きや感情が出るように伝わるように描く必要があるわけです。
で、それはもちろん、構図やポーズの段階ですでに示されているべきもので、なんとなく描き始めてうまくいくものでもないです。
だから、ラフを切ったりレイアウトを決めるのは、まず魅力的だと思ってもらえる内容を自分の中で決めて、自分の腕でそれがうまくいくかどうかを確かめたりする作業だったりします。描き始めてから後付で決めるものではないし、なんかこんな感じ、といつもと同じ表情を描くものでもないです。
（もちろん細部はあとからでも可、大事なのはコンセプトを決めることなので）
上手くいかないことに関しては、コンセプトに従って、出来る範囲内で次善策をするといいです。大事なのはキャラが魅力的に見えることなので、ポーズが大幅に変わっても魅力的ならそれは問題無いです。

まず、自分の中で魅力的ってなんだろう、こういう仕草いいよねブクマして即原寸保存だよねっていうところから探すと良いと思います。
ただ、残念ながら腕が見合うところまでしか描けないので、その最大公約数をラフで確かめてみてください。