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黒歴史中二病暴露

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暴露してください、それだけです。見た人は笑って励ましてあげてください、ていうか供養してやってくださいw

痛い発言、痛い暴露、痛い口調、痛い挨拶
このグループ内では演出として全て「あり」とします。
遠慮なくどうぞ。

ただし、リアル人間界の掟に反する行為
誹謗中傷や犯罪につながる告白などは当然禁止。
黒き翼をその身に纏っていても、
我々は正義の使徒でなくてはならないのだ!
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  • 死に足掻け、生き嗤え
    お前はここにいる!!
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    • 寒さで目が覚め、予報を眺めれば正午から先は雪達磨がぞろりと並んでおられる。閑古鳥な社とはいえ間違えてこられるといけないと柵を立てて今日は休み。外にも出る気はないと意気込んで暫くして一服ついでに戸を開くと、吹き抜ける風と一寸先すらも染めてしまう程に冷たい白き花々。開けた瞬間に「さっみ・・・ああ、くそ。」と呟く口から白煙が漏れる。紫煙欲しさに迂闊な事をしたと言いながら点ける火は、それに当てられた煙草の先で燻る黒煙に似ていた。

      口に含んだ煙なのか、単なる冷えた吐息なのかも分からない白煙と風に吹かれる紫煙の先に或るのは煙一つ残さず奪われた冷えた珈琲。こんな日は・・・おや?

      消えかけてるが、饅頭の真似事が巧い誰かさんが来てたようだ。煙に巻かれる前に見つけられてよかったと思える反面、アイツの丸くなった姿を思うと少しばかり饅頭を食べたくなる気分にさせられる。

      ・・・けど、多分ないだろうなあ・・・。
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      • 「聖夜といえばそうかもしれねえが・・・なあ」

        気付けば安いケーキと鶏肉で何とかなっちまう。いや、欲しがるものがあるとすれば無形な物ばかりか金券ぐらいなモンじゃあ流石に白髭の爺さんも困り果てちまう。それに、世間は聖夜だと騒いでるけど、少し頭を冷やすと年の終わりまで一回り。書こうと思い立った今頃には稼ぎ時と考えると何だかねえ・・・。そういや、今年は補充分もそれ相応・・・にはなってる筈だが、ご時世的に金運に纏わるのを増やすべくかが目下の悩みだ。

        補充した物で思い出したが、ちょいと前には病魔退散、無病息災の御守を求める声が多かったのだが、色々と落ち着いて日常が戻ってきたせいか今一度の商売繫盛と昨今の世間における懐事情が良くないのか金運向上の御守は少しずつ需要を伸ばしてる節はある。

        ただ、それでも不安に思うからか、そういった無病息災の御守を求める声も少なくはない。ただまあ、正直言えば流行病に関して言えば、現状は清潔を保つ事が一番の方法である以上・・・手に入れたとて慢心はしないで欲しいなと思う所だ。いや、これ学業もだな。流石に商売と金運は流れってのがあるから手に負えんが、出来うる術を用いた上での自信の後押しとして皆様の元で役目を全うできることを願ってる。

        ・・・なんだか、思いのままに筆を走らせたら嫌な役目を思い出してしまった。とっ散らかったのが文章だけならいいけれど、とてもじゃない・・・。

        稼ぎ時までに終わるかなあ・・・。
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        • 「・・・いつになれば秋になるやら」

          そう思った神無月。神の加護どころかツキまでどっかに行っちまったような気がした何時ぞやから気付けば霜が降り立つ月に変わった筈なのに霜の一つどころか羽虫が光に寄り付くようではまだまだ。なんてことを思ってたらなんてことはない・・・。

          「・・・さ、寒い・・・。出れる気もしねえ。」

          目が覚めたが最後、余りの肌寒さに思わず声が出た。とはいえ、布団から出て冬支度を済まさなければならぬ。熊のように巣穴に籠るにしたって腹を満たさねば籠る事も適わぬ。この様では硝子戸に張付き此の地を守る小さき家臣や、床下を我が物顔で這いずり回る大将殿あたりに「冬籠りの何たるかを教えてやる」と言われてしまう。確かに冬籠りに関しては人間が思ってるよりも過酷な事は分かってるんだが、何処かで羨ましさを感じてしまうのは己が身が人であるが故か若しくは・・・。

          そんなことを思っても先には進まないが、気が進まないのも間違いなく。何処にやったか冬羽織と嘆きながら引っ張り出して夏服を片づけて。少しずつ冬支度をを繰り返してれば少しは暖まるだろうと身体を動かすも汗の一つが垂れる事無い。それなのに風が一度吹けば己の身体と心から熱が容易く連れ去られてく。

          ある程度片付けて一服しながら思ったのが、店が営業してる事を知らせるのに春夏秋冬から秋を削って「春夏冬中」なんて表現をすることがあったことを思い出す。

          ・・・いや、何ごとも飽きが来るから前に進んだり初心に戻ったりできるのだ。頼むから来てくれ・・・。
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          • 「暦は長月・・・長月ねぇ」

            記憶が違わねば、ここ何年も九月という月に秋という概念を感じた事があまりない。いや、確かに栗や芋が美味しい季節になってきてはいる。それに陽が落ちるのも早くなり、風も少しずつだが冷たくなってきてると言われれば秋らしくもなっている。冷たい夜風に虫の声なんて言われれば確かに秋そのものだ。

            ・・・だがなあ、そろそろ神が出雲の国へ参ろうってのに天道様が空から覗けば干上がる程の熱気が地表にまで届く。本当にこの月は秋なのかとぼやきたくなる。ああ、いっそ今が葉月であればと思いたくもなる程にこの気温差というか起きれば30度を超える程の暑さに堪えている。

            そういえば、暑さに堪えてるのは何も人だけじゃなかったっけか。風の噂程度だが、35度を超えると虫ですら身動きを取れずに陰に潜むしかないって話。確かに今年は記憶違いじゃなければ先月は蚊取り線香を焚いた記憶は少ない。そうなると怖いのはこの先じゃないか?なんて話もあるが、本当であるなら考えたくも無い。

            とはいえ、この時期で本当に考えたくないのは蚊なんて小さいモンじゃなくてなあ。秋という季節は嫌いじゃないんだが、如何にも「我々が敵意と見做せば容赦せぬ」と言わんばかりの態度で空を飛ぶ奴らが本当に困る。毎年思うのだが、生活が掛かってるとはいえ何も人を殺す程の力までは持たんでも良いじゃないか。と居場所を見つけてご満悦な絡新婦に愚痴を零したくもなった。ただ、彼女に愚痴を零したとて地を這う蝦蟇を見れば「身を守るにゃ過剰なぐらいが丁度良い」と言われてしまいそうだし、そんな蝦蟇の冷や汗欲しさにやって来る山楝蛇には「何かから得るのは得意だろ?」と睨むように嗤われる。

            ホント、秋はそう考えると厄介な季節だ。・・・あ、

            「人の通り道に家建てた狼藉者を片づけてこないと。」

            不本意だが、流石に通り道には御免被る。一応、恨まれる事も考えたなら祓うとしても、誑かされて恨まれた果てに軒にでも巣を作られたら笑うしかねえや・・・。
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            • 「後の祭り・・・というわけでもなさそうだ。」

              二月も前には空蝉が転がり、陽が落ちる事も知らず、黒い空も気付けば群青にも近い青空に逆戻り。白い光が影すら灼く程だったというのに気付けば、転がる亡骸に落ち行く天道。全てを灼く程の光は余熱を残して消えていった。されど音だけは未だに一月前のらしさのまま。そろそろ黒鉄に爆ぜる油のような音には飽いた。そろそろ奏者達が夜を彩るようになる筈なのだが・・・おや?

              ・・・なんだ、調律の最中だったか。とはいえ、言われなければ気付けない程で、最初はモーターの動きが悪くなったのかと思ってしまったぐらい。とはいえ、お月様の下で黒衣を纏った踊り手が空を舞うには寂しく、途切れる合間合間で石の上で長く居たのか灰交じりの雨蛙が拍手みたいな鳴き声で出迎える音がする。

              話は変わるが、前に空を飛ぶのが趣味の紳士が育児をしていた。そろそろ肌寒くなってくる季節なので、子供たちが大きくなったら家族総出でご旅行だと言ってたっけか。南方とは言っていたけど、どこだか聞くのは忘れちまったし、なんなら家も戻ってきたら使っても良いと言ってたぐらいには大雑把だった。こりゃ土産話は無理そうだな・・・。

              なんてことを思いながら、何時ぞやの喫煙所に立ち寄ったら冷たかったアイツは「珈琲買うぐらいなら此処じゃなくていい」なんて捨て台詞を吐く事も無く居なくなってた。居れば御の字とはいえ、尻尾の生えた隣人も隠れ家にでも居るのか今日は誰も居ない。

              温い風に吹かれて煙草の煙が目に沁みる、そんな日だった。
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              • 「相も変わらず嫌な季節だァ・・・。」

                そうボヤくしかなかった。袖を通すにゃ暑く、腰に縛れば寒く。陽の光に照らされりゃあ汗ばみ、風が吹けば肌が毛羽立つ。とはいえ上手く羽織ると沈むように惰眠に耽る。時が忘れるほど眠って目が覚めたら頭痛と眩暈。酒なんざ呑めねえのに何かに酔って目が覚める。己に酔える程の自信家ならとやかく・・・いや、こうしてこの場で物書きの真似事してる時点で己に酔えてるのか。

                で、今が酔いの醒める手前か。だとすれば、もう少し何時ぞやに酔えてた方が幸せなのだろうかと夜道で燥ぐ蟒蛇を遠目に紫煙の行く先を目で追う。この位置で見れば楽しいんだが、案外寄ってみるとただただ喧しい。なんなら輝かしい街並みの中は眩しすぎて眼が焼けちまう。「それだけ強い光は身を焦がすだけならいいけれど、肝心なモノを見落としてしまうの」と街灯で絡新婦が蠢く。喉か渇いたと思い、自販機に寄れば「陰者らしく行灯にへばり付くぐらいが丁度良いんだぜ」と雨蛙が嘲るように嗤う。

                「ちっ・・・この季節はこれだから困る」
                機械に文句なんざ言っても仕方ねえんだが、暖かみのねえ奴だと仕方なく冷えた缶珈琲を買って灰皿の立つ喫煙所に戻って一服。煙の流れる先を見やれば蜘蛛の警告も、蛙の進言も聞かぬ馬鹿な羽虫は俺より闇に溶ける程黒い外套を纏った死神に目を付けられてる事を知らずに舞い、気付けば一匹が絡め取られて尽きる。

                「なあ、アンタはどう思う?」
                やすらぎの地を求めるのは自分だけじゃないらしい。闇夜を駆ける程にしなやかな体躯を持ち合わせてるのにこんなところで饅頭の真似事をしてる。お前さんも何処か寂しくて心地の良い時間が好きなのかと問えばどっちなのか分からん返事をして餅のように伸びる。焼ける太陽に蝋の翼で飛ぶ馬鹿をどう思うと聞けば首を傾げてそっぽを向かれる。

                「・・・そろそろ帰るか」
                尻尾の生えた隣人は立ち上がって、ゆっくりと闇に溶けていった。手の代わりに尾を振り一鳴き。「アンタの話、また聞かせてよ」って言ってくれたか分からないがそう思わせてくれた。魔性ってのは人を指す言葉だが元々を考えたら魔・・・その幾つかは獣だったか。一応は神職やってる筈だが、人ってのは魔にゃ勝てねえもんだと苦笑を浮かべるしかなかった。

                変な時間に目が覚めて散歩して戻ったら、何か急に記したくなって此処に居る。何となく動いてみると思わぬ事もあるモンだな・・・。
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                • ごとん・・・。

                  つい一週間前か。どっかで見た事あるような気がする馬鹿でかい剣が一つ置かれてた。どっかでみたのは覚えてるが、何処で見たのか思い出せない。箪笥の中にある札遊びの類か、それとも得体のしれない供物の一つか。はたまた、供養に出せと頼まれた訳ありなのか。けど、問題はコレ・・・。

                  誰が持ってきたんだ?少なく見積もっても3尺前後、それに幅も半尺はある。確かに此処じゃ長物の一つぐらいは持ち合わせてる連中も少なくねえが、にしたって目立つ事には変わりはねえ。写真を数枚撮って、それを手掛かりに今は無き社の影を見に行こうかと外へ出たら何やら声がする。思わず声のする方へ向かうと声に混じって何やら鳴子のような木々のような音とも金属製の食器がぶつかる様な独特な音が聞こえ始める。笑い声と共にかたかた・・・とも、かんかん・・・とも聞こえる音。

                  「・・・もしやとは思うが、此処にも居るのか?」

                  遷宮して2年と半年、普段の遊びに行く道とは違えど、確かに山や川が比較的近くにあるのは間違いでもない。となれば・・・。

                   そう思ったのも束の間、白樺のような白く、風すら抜けるほど細い身体を持った陽気で脆い存在が此処にもしっかりと居た。その一体がこっちに気付いたのか知らぬが、
                  「よお、お前も棄てられたのか?」
                  と声を掛けて来た。何か少し不思議な気分がしたので
                  「向こうの川から来たんだけど、あまり変わらんな?」
                  と言い返した。そしたら、連中の話声が小声になってしまった。ただ、「向こうってあの川か。」「距離あるだろ?」「流された連中が化けてるのか?」「分からん。ただ、あそこも俺らみてぇなの居るらしいのは聞いたことある。」と何やら断片的には聞こえてくる。面白がって「新入りに聞いてみりゃ何かわかるんじゃねえか?」と言ってみた。そしたら髑髏の一体が何かに気付いたのか。「もしやと思えば神主さんかい!」と声を掛けて来てくれた。巻き上げちまった可能性がある以上、バレるとヤバいんだけどなあ・・・。
                  「そうだよ、鉄火場の黒羽織さ。そういうてめぇは?」
                  「種火すらない跡地に行っちまった。そしたら、なんだ妙な連中に追われてたんだってなあ。」
                  「で、何人連れてったんだよ。」
                  「3人かな・・・いや、一人は間違いなくやったよ。」
                  「上出来だ。・・・で、何でこっちに居るんだよ。」
                  「兄貴に頼んで連れてきてもらった。」
                  「なるほど・・・。あ、そういやここ最近で変わった事ねえか?あー、新入りが増えたとかは良いんだけど、何つうか・・・目立つような事とかって。」
                  「ここ3年ぐらい変な事ばっかりさ。」
                  本題聞いたら、俺のせいかよと思うぐらいの言われようだ・・・。遷宮する前から珍妙なの集まってたから仕方ねえといやそれまでだが・・・。
                  「いや、ホント最近で良い。3年も経つと肉のある連中にしてみりゃ昔話だ。」
                  「嘘言え、兄ちゃんだってあと10年もすりゃ5年前の事を昨日あったことみてぇに言い始めんぞ。」
                  「いや・・・まあ、確かにそうだが・・・。」
                  「ああ、でも変な奴を見たなあ。」
                  「変な奴・・・?どんなのだ。」
                  「青いあれ・・・なんだろうなあ。熊みてえな感じだけど2足で歩いてるし・・・恐竜?かなあ。なんか変なのが妙な剣持って歩ってたんだよな・・・。」
                  「あれ?いや、俺見たのは阿修羅みてえな奴だ。」
                  「そういや、何か青い獅子みてえなのも持ってたろ?」
                  「あー・・・同じの持ってた!」
                  ・・・何か当たりっぽいな。
                  「もしやとは・・・思うんだが。これがそうかい?」
                  念の為に撮っておいた写真を見せたら、喰らいつくように眺めては頷いて、色は覚えてねえだの阿修羅のは杖持ってただの言ってたが概ね当たりみたいだ。
                  「やっぱそうか・・・。いや、何故かウチに一本届いてさ・・・。心当たりが無いか?って探してたんだ。」
                  良かった・・・これで帰れる。と思ったら、首を傾げた奴が居る。何かおかしなことがあるらしい。
                  「へえ・・・あれ?でも変だなあ。」
                  「変?一体何が変なんだい?」
                  「いや、俺さ・・・青獅子の後を付けたことあるんだよ。下手すりゃ犬の玩具になるかもしれねえとは思ってたけど、アイツら何を考えてるんだって気になって仕方なくてさ。」
                  「ほう・・・それで。」
                  「そしたら、金の阿修羅と其れと・・・青い機械が同じモン持ってるんだよ。もし、全員が別の日にしか出ないならとやかく、同じ所に同じのが3本。で、社にもあるってなんかこう・・・さ。」
                  「いや、言いたい事は分かる。つーことは、あれ4本目ってことだろ・・・。で、そいつら何で集まってた?」
                  「それが分からん。だが、黒い鎧がおいてある場所に集まってたんだ。何かおぞましいような・・・。」
                  髑髏の一体が思わず「おい、そんなんあったか?」と聞いたら彼は
                  「それが、気になって翌朝に同じ場所行ったけどねえんだよ。悪夢の類じゃねえか?って思ってたけどさ。」
                  と言い返した。不可解だが気にもなる。
                  「おい、ちょいと・・・その場所に案内してくれ。」
                  そう言って彼に伝えて行きつく場所は木々を切り拓いて作ったような広い場。けれどそれ以外は何も無い。
                  「碑も土台も無しか・・・。うーむ・・・。」
                  「まさか信じて無いんじゃ・・・?」
                  「いや、目印がねえから困ってる。」
                  「目印?・・・それなら、良いモンあるぜ。ちょいと待っててくれねえか。」
                  「ああ、わかった。」
                  ・・・何か嫌な予感がするなあ。小声で「デュラハンの野郎が持ってた筈だ」とか言い始めてる。何か絶対訳のある奴だろ・・・。と思ってたら、やっぱり紐持ってきたよコイツ・・・。
                  「いやあ・・・デュラハン居ねえから自前で持ってきたよ。」
                  「何でお前さん持ってたんだ?」
                  「まあ、この近所で労災ってトコか。」
                  「なら出てくるのは虎ロープか・・・。」
                  「それも未開封品がちょいとあってね。じゃ、巻き付けて・・・さっきの場所まで戻るか。」
                  「一応、他にも結び目作っておくといいな。切られる可能性は否定出来ねえ。」
                  「まあ、連中は言うほど用心深いってわけでもねえけどな。でも、何で印付けようって?」
                  「忘れ物を取りに・・・ってとこかな。」
                  「それは大変だ。だったら、後でライト巻いとくよ。」
                  「助かる・・・。10日ぐらい巻いといてくれ。」
                  「あいよっと。」

                  この時は普通に戻ってきた。で、その3日後にその忘れ物持ってったのは覚えてるんだが・・・いや、同じ剣を持った連中に歓迎されたのは覚えてるが、あの後どうしたっけかなあ。確かあの鎧はデカいから持ち帰れねえって言ったのは覚えてるが・・・。

                  「すいませーん、宅急便ですー。」
                  「あ・・・はい。」
                  身に覚えのない宅急便には寒気がしたが荷物って程じゃなさそうだ。
                  「此処で大丈夫ですね?」
                  「ええ。・・・えっと、依頼主はどなたです?」
                  「此方の方です。・・・身に覚えは?」
                  見たら、知ってる着物屋。そういや夏羽織を修繕に出してたんだっけか。
                  「いや、思い出した思い出した。すっかり忘れてた。」
                  慌てて鯱旗を取り出して伝票に捺した。けど、ふと見直してみると商品は「修繕夏用羽織1着+夏・冬羽織セット1の合計三着」と書いてある。間違いかと思って中身を確認したら寄せ書きが記されている。
                  「この度は当社のご利用を誠にありがとうございます。今回は修繕のみという事で修繕を施しましたが、当社の製品であれば改良を施した製品への変更も行っております。しかし、羽織に関しては長く御愛顧される都合として新規に購入される方は少なく、利用される方も限られております。ですので、改良後の製品を1セット付けておきました。着用して気に入っていただければ贈呈、そうでなければ返品という形で対応しております。今後とも御贔屓の事宜しくお願いいたします。」
                  ・・・ふーむ。長らく使ってない間に何かあったのだろうか。修繕した羽織はとりあえず管理するとしても
                  問題のこの羽織・・・。ふーむ・・・そう思って広げてみたら中々に悪くない。黒と青の・・・グラデーションみたいになってて、裏地は濃い目の紫。で、金の月に松。松に乗った雪が銀が施されてる。今着てるのも良いが、これも悪くないじゃないか。それに紋付のような施しで星模様か・・・。良いねえ。あとは木興ごちだけだ。

                  そう思って羽織ったら冬用と思えない位に軽い。夏用かと思ったけど軽いなコレ・・・。ああ、何かでこれ使おうかな・・・。

                  まあ、何にしても良い頂き物を送ってもらったので、感謝の意味を込めて着物屋に連絡を送ったら、改良を施したのは違いないが羽織まで送ってないとのことだった。心配だったので、着物屋に例の着物を確認させたら「ウチと同じ加工だ・・・。」と関心してた。

                  鎧じゃ使ってくれねえって思ったんだろうなあ。
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                  • 「・・・あー、それはだね・・・。」

                    つい先日の事になる。世間では早けりゃ仕事納め、学生が今此処にどれだけ居るかは知らんが、冬休みって奴で人が多くなる傍らで、こっちは毎度のことながらの御守やら破魔矢に弓、護神刀といった物の補充が始まる。もはや、毎度のことではあるのだが、この作業が面倒で仕方がない。それに場所を変えてもしっかりと覚えておいでだ・・・。しっかりと納札殿にはまあ使い切った札やらは確りと返納されてる。しっかし、神聖な仕来りを行い清浄な炎で天に還すのが礼儀作法とはいえ・・・此処の邪な人間の生んだ炎に御利益なぞとも思えなくもないのだ。まあ、それは良い。

                    で、その補充に来る業者というか、こういうのも作って貰える場所ってのはある。其処に発注を頼んでるが、今年はちょいと訳があって端数が出るように頼んでいる。勿論というか、此処に来るのは割と何時もの人。だから、何か変な頼み方をするとスグに分かる。

                    「宮司さーん。サンタの代わりにプレゼントですよー。」
                    「・・・ウチは基督じゃねえぞ。」
                    「とはいえ、チキンも甘い物も好きでしょ?」
                    「それはそうだが・・・。」
                    「で、ですね・・・えっと一応、最初の注文がですね。」

                    まあ、味の好みがバレたのは別の理由ではあるのだが、何にしてもだ・・・。それで妙な事を突かれたのだ。

                    「最初はそうだったな。」
                    「あってますね。で、その後に修正する分は良いんですけど、例年だと思いの外注文があるみたいですが今年は何故か端数なのが気になってですね。」
                    「んー・・・そうだなあ。」
                    「いや、何かあったのかなーって。」

                    この時に端数に出したのは「破魔弓」「破魔矢」「無病息災」の3つ。実は、ひと月前に注文は済ませてたのだが、その4日後にまさか流行病に倒れる事になるとはこの時は思いもしなかった。日頃の態度が悪かったのだろうとは思うのだが、結果として一週間近くの殆どを寝床で過ごす事になった。

                    彼にも上記の前振りをしつつも、それを話したら納得してもらったようだった。

                    「・・・というわけなんだ。」
                    「で、肖ろうと。」
                    「そんなところだ。」
                    「神事で如何にかするとばかり思ってたけど違うんですねぇ。」
                    「そうも行かない位身動き取れなきゃそうなる。それに他所の神様仏様に頼るわけにもいかないだろう。」
                    「そうですねえ。あ、今日配達多いんだった!」
                    「だったら、神職揶揄ってねえでさっさと行け。」
                    「じゃ、失礼しまーす!」

                    運び屋は足早に退散していった。しかしまあ、これで今年の僅かな日々ってのを少しだけ味わう事も出来そうだ・・・。
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                    • 「・・・久々に何だか分からん落とし物だなあ。」
                      ここしばらく、大した出入りが無かった。平和と言えば平和ではあったのだが、話題もこれと言ってなかった。ただ、今日はちょっと珍妙な落とし物が転がってた。
                      「こいつぁ・・・義手・・・か?」
                      とても重たい鉄の拳。肘に近い所には謎のバーニアが取り付けられているみたいだが、ボロくなって動かなくなっている。・・・その拳が向けられた先には
                      「今度は剣か・・・。けど、突き刺してねぇんだな。」
                      見覚えのない剣が転がっている。どけようと触れたら、季節らしい静電気にしてやられる。まさかとは思って剣先から少し歩くと、今度はまた腕だ。形こそ大きく違うが仕掛けは多分同じだと思う。ただ、さっきのとは関節が付いてる。とはいえ、今度は・・・。
                      「今度は砂鉄まみれだ・・・。どうすっかな・・・。」
                      砂じゃなくて砂鉄。関節に砂が毛羽立っている感じからして磁石だろう。試しに転がってた鉄拳に投げたらくっ付いた。
                      「・・・で、今度は・・・あっちか。」
                      この流れだと碌なのが出てこない気がする。悪戯にしても何だか不愉快だ。奇妙を通り越して気色が悪い。
                      「・・・なんだこれ?」
                      棘付きの円盤・・・だな。手裏剣にも見える。何にしても行き止まりにするには随分としょっぱい。とはいえ、円盤じゃあ・・・。そういや、磁力の拳も静電気も何の関係なしとは言い辛いな。まさかと思って、磁力の拳を近づけたら、磁力に反応してか、円盤が凄い速さで飛んで行った。
                      「えっ・・・は?向き間違えたら死んでたよな?」
                      飛んで行った先の草木を切刻みながら突き進み、最終的に勢いを失ったのか地面に突き刺さる。
                      「・・・で今度は剣か。・・・。剣だよな?」
                      何だか斧と混じった変な形の剣。しかも、さっきの剣と同じように転がってるって事は・・・。
                      「・・・ヤダなあ。また静電気で痛い思いする奴だ。」
                      ただ、とりあえず除けなきゃ仕方ない。こんなことならゴム手袋ぐらいすればよかったと後悔しながら触れば再びバチリと指先から稲光。
                      「・・・で、今度も剣。けど、今度は突き刺さってる」
                      とはいえ、寒空に刺さってるにしては熱気を帯びている。さらに最初に見た鉄拳がその剣を握りしめてるのも何だか不思議だ。というか・・・地面は焼けてるし、剣も良く見りゃ何だか焼けている。
                      「こりゃ・・・後回しだな。で、多分鉄拳の向き。」
                      何処まで宝探しすりゃいいんだ・・・。それに、終わりはまだ遠いだろうというのが目に見えてしまった。
                      「・・・今度は機関銃?と何だこの赤いの。」
                      何故此処に来て、銃なんだ?それに、わざわざ御誂えに赤い布が敷かれてる。良くは分からないが、銃の向きがヒントか。・・・いや、何かあるだろ。
                      「・・・わっざわざ布用意してるのはそういう事か」
                      布を除けたら馬鹿でかい斧が出てきた。で、まだ先があるのか・・・。いや、これ何処まであるんだ。とはいえ、わらしべ長者ならぬ義手長者になっちまった以上引き返すわけもいかなくなった。それを暗示するように次に出てきたのは鎖の付いた義手。何か変なため息が出てきた。何だか馬鹿にされてる気もするが、まだ先が・・・ん?
                      「人の声がする?」
                      こういうときの幻聴は多分、終わりが見えてる奴だ。これで終わりが見えなきゃキツイんだよなあ。そう思いながら歩いた先に置いてあるのはさっきと少しばかり形の違う磁石の腕。流石に仕掛けも無いかと思いながらも拳の示す先にあったのは・・・

                      「赤いマフラー・・・と、棒、それと刀か。」

                      ・・・我はまつろわぬ霊の王にして、あまねく世界の楔を解き放つ者なり・・・。

                      我が名は霊帝、全ての剣よ、我の下へ集え・・・。

                      「霊帝・・・霊帝・・・ねえ。」
                      何故か思い当たりがあった。多分だが、声の主も分かるぐらい思い当たる。それに・・・あの道標。あれも多分、あのマフラーを手にした今、はっきりと分かってしまった。・・・なるほど。
                      「此処にあったのはコイツが欲しがった幻か。」

                      とはいえ・・・ふーむ・・・問題は少ないが、対処しないわけにもなあ・・・。けど、何か引っかかってるのもある。剣というにはバラバラだったし、何より記憶違いじゃなきゃ何か偏っている気がしている。

                      何か腑に落ちない感じで境内に戻って曲を聴きながらこの話を書こうとしたときに一つだけどうしても聴きたくなった曲があった。

                      「多分、これだったと思うんだよなあ・・・。」

                      ・・・その曲を聴いた後の話になる。行き詰まって煙草を銜えてたら、さっきの落し物のあった場所から光が空へ向かっていった。そして、あの声が「我はまた現れる・・・。」とだけ伝えて行きやがった。

                      その代わりに落ちたのは悪魔の羽を模したバッジ。その真中には「Z」と記されていた。

                      「・・・てめぇ。悪者のフリしてカッコいい事してんじゃねえよ。」

                      あのマフラー持った時に気付けばよかった。あの道標は声の主自身だった・・・。手元に残ったマフラーとバッジに託された想いはきっと分かる者にだけでも伝わる熱い魂の欠片だろう。

                      ・・・さて、どう飾ろうか・・・。
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                        • 1年近く前に執筆してた夢小説の資料(その夢小説は削除済み)が出てきて悶絶してます。
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