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  • 【SS構想仮置き場・22】

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    > エルム 님

    「はあっ、はあっ…」

    白いセーラーワンピースの少女が、息を切らして走り続けている。
    彼女…雪風は、鳳翔が捕らえられていたとおぼしき部屋より独断で分かれ、分帰路の左側を進んでいた。
    背中には魚雷発射管とともに、鎮守府より持ってきた鳳翔の弓がくくり付けられている。

    「あの、しれ…ムグッ!?」

    「…シッ」
    (…貴女は左側を行きなさい。幸運と直感力に優れる貴女の事、左に何かあると気付いたのでしょう?
    もし先回り出来る可能性があるというなら裏手から挟撃を、そしてもしお母さんがいるというなら…連れて外界へ逃げなさい)

    正確には雪風が意見具申しようと口を開いた時、加賀が彼女の口を押さえ、ひそかに別ルートを取るよう促したのだ。

    タタタタタ…

    「はあっはあっ…。
    敵がいない…彩雲の報告とはちょっとズレてますね、これは本当にあたしの予想が…あっ!?」

    頭部に装着しているAN/SPS-10高性能捜索レーダーが反応を示した。
    やがて前方に動く白い影が1つ、もう一つ黒い影が一つ。
    5inch速射砲を構えた雪風は走るのを止めて呼吸を整え、慎重に近付いていく。

    黒い影はカンテラでも持っているのかボンヤリと周囲が明るく、その正体が戦艦棲姫であると班別出来た。
    まさかの手強い姫級との遭遇に緊張する雪風は、もう一つ白い影の正体を見極めようとして…目を見開く。

    「え…鳳翔さんっ!?」

    「・・・この声、雪風ちゃん・・・?」

    白いローブのようなものを羽織った女性が振り向く。
    髪を結い上げたその姿は確かに鳳翔で、彼女もまさかここで仲間と遭遇すると恩っていなかったのか、驚愕の表情を浮かべていた。

    同時に、鳳翔の前を進む戦艦棲姫も雪風に気付いて振り向く…どうして鳳翔が敵と同行しているのか。
    いや彼女は拉致された以上、深海側の捕虜扱いなのだからおかしくもないか…?
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      > エルム 님

      カンテラに照らされた戦艦棲姫の瞳が、暗がりからでもハッキリと動揺で揺れるのが見えた。
      雪風は一目でアレは敵意が無く他の個体とは違うと感じ、ゆっくりと近付いていく。

      「艦娘…!? 駆逐艦…ソウ…。
      駆逐艦ガココマデ来レルト言ウ事ハ、“北太平洋棲姫”ハ敗レタノネ…。
      ソシテ恐ラク防衛ニ付イテイタデアロウ、他ノミンナモ…」

      「雪風ちゃんがここにいるという事は…。
      そうですか、旦那様が…皆さんが迎えに来てくれたのですね?」

      「そうですっ!! 司令も金剛さんも加賀さんも、長門さん達もみんなっ…。
      みんな、“播磨”で迎えに来てますっ…帰りましょうっ!!」

      “播磨”まで動いているという事は、呉鎮守府全体が動いたという事…つまり軍令部、三笠元帥も動いている。
      それはつまり、連鎖的に海軍全体にまで影響が及んでいるという事になる。
      その結論に至った鳳翔は、静かに目を瞑った。

      「…ゴメンナサイ。
      今ハマダ、鳳翔サンヲコノママ帰スワケニハ行カナイノ…分カッテ下サイ」

      カンテラの頼りない灯りの中でもハッキリと、戦艦棲姫が頭を下げる様子が見て取れる。

      「なぜです…? あたしが思うに、あなたは他の戦艦棲姫とは何かが違う…少なくとも話が通じる。
      じゃあ、このままでは収まりつかない事も分かってますよね?」

      相変わらず戦艦棲姫に戦意は感じられない…まるで姿だけ戦艦棲姫で、中身は別物と表現してもいいほどに。
      恐らく、これだけハッキリとした個体差は初めて見るのでは…雪風はそう思っていた。

      「アノ人ハ…マサキ様ハ、本当ニ貴女達ヲ倒ソウトシテイルワケジャナインデス。
      本当ハ、アノ人ハ…死ニ場所ヲ…救イヲ…。
      貴女達ノ強サノ秘密ヲ知リタイダケナノヨッ…!!」

      戦艦棲姫が絶叫する。
      それまで黙っていた鳳翔は、ゆっくりと口を開いた。

      「空気の流れを感じるに、この通路は地上へ通じているのでしょう。
      ですが…どうやら、私にはやる事が出来たようですね?
      雪風ちゃん、弓…持ってきてくれたのですね。それに部屋にあった服も…」

      そして、鳳翔はトレードマークでもある蜻蛉色の着物に着替え、同じく愛用の和弓を雪風より受け取ると、キッと面を上げた。

      「戦艦棲姫さん、この通路沿いに深海磨鎖鬼の所へ通じる扉はありますか?」

      「…アノ人ヲ、オ願イシマス…」

      戦艦棲姫はコクリと頷いた。
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        > エルム 님

        チャリッ…ギュルルッ

        「ッ!? なんだこれは…鎖!? くそっ!!」

        金剛が警告を発する余裕もなく回避したため、提督は背後から足に絡みつく鎖に気付かなかった。

        ジャキッ、タタターンッ!

        だがこれで戦端は開かれた…20式小銃の三連射を100mほど離れている深海磨鎖鬼へ狙い撃ち込むと、銃床で鎖を壊そうと試みる。
        だがどんな材質なのか…金属質な音こそするものの、その硬さは尋常ではなくキズ一つつかない。

        「残念ですが…。銃で倒せるなら苦労はしないのですよ、若き提督殿」

        「マジかよ、深海棲艦相手でも駆逐艦レベル相手なら効果のある銃弾だぞ!?
        いや、もしかしたらヤツには効かないかもという予想はしていたが…」

        「Shit、マントで銃弾を防ぐなんテ…武蔵みたいなdifenceするのネ!?」

        提督が先手を打って放った小銃弾は、磨鎖鬼が紫色タキシードの上に羽織っているマント…恐らく防弾マントに弾かれた。

        「くそっ、なんつう硬い鎖だ…壊せないっ…」

        「…なら、ワタシがclose combat(近接戦闘)を仕掛けるまでヨッ!!」

        斜め中段に三笠刀を構え、やや屈み気味に全速力で磨鎖鬼の元へ走る。
        磨鎖鬼が金剛に向けて手をかざすと、どこからともなく数本の鎖の束が現れ、一斉に彼女へ殺到していく。

        「貴女が持つ“鎖”…試させてもらいましょうか。
        あぁ、それと…せっかくの美貌に物騒な得物は似合いませんよ?(笑)」

        「……ッ、darling以外にお世辞言われても嬉しくないネー(笑)」

        「金剛…。アイツ、なにげに剣さばき上手いじゃないか…隠してたのかよ」

        殺到してくる鎖を見据えるや、左右斜めに三笠刀を傾け刀のヒラで受け流したり、逆さまに持ち替えて重心を変え鎖を弾く。

        基本的に戦艦である金剛だが、あの三笠元帥の娘なのだ。
        猛者とは言えぬまでもそれなりに剣の手ほどきは受けているため、少なくともド素人ではない。

        だが・・・

        「私の鎖も頑丈だという自信はありますが、なかなかどうして…。
        金剛さん、貴女が持つその刀も並外れて硬い…ウワサに聞く、三笠刀というシロモノですかな?」

        「金剛!! ヤツの話に付き合うな、そのまま一気呵成に畳みかけてっ…ぐっ!?」
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          > エルム 님

          その瞬間、提督の足を固縛していた鎖が急激に引っ張られ、彼は壁面へ叩き付けられる。
          受け身の取れなかった提督は身体全体へモロに衝撃が走り、気を失ってしまった。

          「・・・では、これならいかがです?
          敵の攻撃というのは、必ずしも自分ばかりへ抜けられるものではない」

          「Darlingッ!?」

          背後の音と提督のうめき声で異常を察し、とっさに振り向いて息を呑む金剛。
          踵を返し、駆け寄って抱き起こそうとした時…彼女の足と脇腹を鎖が貫いた。

          「darling、しっかり…アウッ!?」

          「…そして、敵に背を向けた相手を狙わない保証もない」

          金剛の頭には既に磨鎖鬼の事など無く、ただ目の前で昏倒している提督の安否しかなかった。

          貫かれた足から血が噴き出し始め、鮮血に染まった脇腹を押さえつつ一歩一歩近付いていくが…あと数歩の所で倒れ伏す。
          杖代わりにしていた三笠刀の柄から手が力なく解け落ち、刀身が悲しげに震える。

          ビィィィン…

          「この部屋ですね、ここに深海磨鎖鬼が…金剛さんっ!?」

          久しぶりに聞く声に提督は目を覚ます。
          そして、視界に倒れ伏す金剛の姿が飛び込んできた。

          離れた場所には相変わらず磨鎖鬼が立っており、その手には血の滴る鎖…提督は絶叫した。

          「鳳翔さん!? 良かった、無事で…え、金剛? 金剛…おい?
          あ…ああああああああッ!!」

          鳳翔は悲痛に眉を歪めつつ弓を構え、矢をつがえた。
          これ以上、磨鎖鬼が引き返せなくなる前に…彼の魂を救うのだ。

          「破壊と再生の鳥よ!!
          その灼熱の炎をもち…かの者の魂を縛る鎖を解き放てッ!!」

          鳳翔が裂帛の気合を込めて叫ぶと背中に描かれた鳳凰が煌めき、洞窟内の大部屋いっぱいに巨大なオーラとなって浮かぶ。
          矢へ吸い込まれるのを確認した鳳翔は、そのまま放とうとするも…腕と指先が震えて狙いが定まらない。

          やはりまだ本調子ではないのだ…ここまできて、この瞬間に体が無理するなと悲鳴を上げる。
          気力で抑え込もうとするもうまくいかない…だがもう後には引けない、どうしたら。
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            > エルム 님

            「鳳翔さん…俺が支えます。ヤツを…」

            「旦那様…」

            鳳翔の震える手にスッと提督が重ねる。
            これでブレることなく放てる…そう確信した彼女は、指を離した。

            ヒュッ、ボォォォォ…

            「・・・・・・ッ!!」

            あやまたず深海磨鎖鬼の胸の一点へ突き刺さった矢は、そこから燃えだして彼の全身を灼熱の炎に包みこむ。

            ゴォォォ…パチパチパチッ…

            炎に焼かれながらも一歩一歩、こちらへ近付いてくる…せめて道連れにしようという魂胆なのか。
            鳳翔は本調子でない所へ全気力を矢に注ぎ込んだせいか、ガクリと膝から崩れ落ちてしまった…彼を止める方法はない。

            「…いや、まだだ。ヤツにトドメを刺す手段がまだ残っている…金剛、刀を借りるぞ」

            意外なほど冷静さを取り戻した自分に戸惑いつつも、金剛の傍に突き立っている三笠刀を握り、引き抜く…それは重かった。

            腰を落とし力を入れて構えるが、そのまま尻もちをつきそうなほど重い…やはり人間用に作られてはいないのだろう。
            それでもなんとか構えると、全体重をかけて近付いてくる磨鎖鬼の胸へ突き入れる。

            「うぉぉぉぉッ!!」

            ズンッ!

            突き入れた胸から青い鮮血が滴り、磨鎖鬼の口元からはゴポリと吐血が溢れだす。

            「そう、だ・・・それ、で・・・いい・・・。
            これ、が・・・貴方、がた、の・・・強さ・・・。
            想い・・・絆、の・・・鎖・・・」

            提督もまた本調子ではなく、磨鎖鬼に壁へ叩き付けられたダメージが回復しない上に重い刀を持ったため、突き入れたままの刀を手放し、とうとう尻もちをついてしまった。

            途切れ途切れでか細い声だったため、提督には何を喋ったのか聞き取れなかった。
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              > エルム 님

              ふいに地響きが鳴り始めた事で、提督は状況が急変した事に気付く。

              そうだ、こんな自然が急造した火山島など長持ちはしないのだ…恐らく、噴火するのだろう。
              大部屋の天井や壁面からもパラパラと破片が落ち始めてきており、脱出の時が来たと悟る。

              「金剛…」

              「う…くぅッ…」

              地面へ倒れ込み苦痛に呻く金剛…だが幸い、致命傷では無いようだ。

              「し、司令っ…」

              それまで提督・鳳翔、深海磨鎖鬼の壮絶な戦いを呆然と眺めていた雪風は、決着を見届けた後に提督と同じくへたり込んでいたが…地響きを聞いてようやく行動を起こした。
              それでもまだ腰が抜けているのか、ヒョコヒョコと力の入っていない歩みだ。

              鳳翔と雪風をここまで案内してきた戦艦棲姫(変異個体?)は、まさに彼が鳳翔の矢で射抜かれる場面で大部屋に到着し呆然自失、そして提督によって止めを刺された所で虚無状態となってしまっていた。

              「雪風!? 今までどこにいたんだ…まあいい、スマンが手を貸してくれないか?
              俺はともかく、金剛と鳳翔さんが動けない…早く脱出しなければ」

              「は、はいッ…!!(汗)」

              だが、金剛の方は出血が多い…無事に連れ出せるかどうかは疑問である。
              そう提督が懸念していると、それまで呆然としていた戦艦棲姫が懐から小瓶を2つ取り出し、手渡してきた。

              「これは…」

              「高速修復剤…ソノ塗リ薬ト服用粉末デス、コレヲ金剛サンニ…。
              鳳翔サンヲ軟禁シテイタ部屋ノ戸棚ニ、アラカジメ隠シテアリマシタ。
              マサキ様ハ決戦ノ場ニオイテ、貴方方ノ誰カガ傷イテモ、後々治セルヨウニ配慮シテイタノデス…」

              「な、なんだって!?」

              「やはり…そういう事でしたか。
              つまり一連の騒動や戦いは、全て深海磨鎖鬼の盛大な芝居だったというわけですね…?」

              悪く言えば出来レース…いや、提督達はそんな事などつゆ知らず全力で戦い奪還に動いていたから、出来レースという言葉は正しくないだろうが。
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                > エルム 님

                「本当の敵など、いなかった…っていうのか…」

                「司令、鳳翔さんっ!! 早く地上へ行きましょう…もう時間がないです!!」

                鳳翔に肩を貸した雪風が叫び、提督は失神している金剛を背負い脱出を始めた。
                道中残してきた仲間達はどうなったのか…戦い抜けたのか、そうならば無事に脱出中である事を祈るしかない。

                「戦艦棲姫、貴女はどうするんだ…?」

                「…私ハ深海棲艦デスカラ。
                全テノ深海棲艦ガ全員、敵意ト憎悪剥キダシデアルトハ思ワナイデ下サイ…。私ノヨウナ者モイルノダト…」

                提督の案に脱出を促す問いに戦艦棲艦は首を振り、残留をほのめかす。
                いかに深海棲艦といえど、こんな洞窟内で火山噴火に巻き込まれては無事で済むと思えないのだが…。
                提督は頷くと、地上へと歩を進め始めた。

                ズズン、ゴゴゴゴゴ…ドンッ!

                八丈島に近い無名の火山島で小規模な噴火が発生したのは、それから間もなくの事である。
                さいわい、爆発の規模や火山灰の降下・マグマ流出どいった懸念などはあまり心配なく、近辺エリアの一時的な航行・飛行制限は出たにすぎなかった。
                それがかえって一連の騒動を隠蔽する役に立ったのは、喜ぶべきか否か…。

                ただ…火山性地殻変動が起きたのは確かなようで、この島の地下にあった深海補給基地は崩落により壊滅的被害を受けた。
                恐らく、深海磨鎖鬼も戦艦棲姫も呑み込まれてしまっただろう…。

                「ブリッジ見張りより。火山島の爆発を目視…規模は不明、噴煙はさほどではない模様」

                「ただちに沖合へ退避。
                艦の周囲に展開している艦娘達、島より脱出してきた本隊を収容しろ。レーダーおよび見張りは、島の様子を厳重注視!!」

                艦娘母艦・戦艦“播磨”の艦長は、見張りの報告を受けてすぐさま退避を指示。
                周囲に展開している艦娘達と島から脱出してきた、夕立や鈴谷・長門ら本隊の艦娘達を収容しながら距離を取ろうと回頭していく。

                退避していた艦娘母艦・戦艦“播磨”のブリッジから岸壁に立つ提督の姿が発見されたのは、強い海風で爆発による砂塵が晴れた時の事だ。
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                  > エルム 님

                  「艦長!! 岸壁に人影が…長官です!! 金剛夫人と鳳翔夫人を両脇に抱えていますッ!!」

                  「ご無事だったかっ…!!」

                  火山灰で汚れながらも、高速修復剤でなんとか動けるまでに回復した金剛と鳳翔を2人の腰に腕を回して抱え、その提督を雪風がバランス崩れないよう支えている。

                  金剛も鳳翔も、脱出中に落下する破片で服がボロボロになり肌もあらわになってしまっていたが、提督が自身のワイシャツや下着をかける事で彼女達の尊厳は守っていた。
                  おかげで彼の上半身は素っ裸だったが、金剛も鳳翔も愛しげに胸元へ頬を寄せている…。

                  どうやら、洞窟内で分かれた仲間達は全員脱出できたらしい…“播磨”の甲板上や周囲の海面に、見覚えのある姿が遠望出来た。
                  無事、全てが終わった事を悟った提督は雪風に頷くと、艤装に備え付けられている信号弾を撃ち上げさせるのだった。

                  パシュッ! シュルルル…
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                    > エルム 님

                    “播磨”が呉鎮守府へ帰還すると既に一報が入っていたらしく、三笠元帥や軍令部からやってきたとおぼしき一団が桟橋で出迎えた。

                    「ご苦労だった、無事に鳳翔夫人を救出出来たようだな…諸悪の根源である、深海磨鎖鬼とやらも討伐出来たとのこと。
                    これで深海どもも、少しは大人しくなればよいのだが…」

                    「深海棲艦首領の討伐、鳳翔夫人の無事救出…。
                    これらの功績に免じて、今回の独断行動の責任追及はお咎め無しという事にしよう。
                    大将への昇進、そして軍令部はその後に軍の大規模作戦の指揮を執らせ、これらの功績を下地に元帥府へ列する事も考えているそうだ…大出世だな(笑)」

                    三笠元帥、軍令部総長といった面々が次々に労いや賛辞の声をかけてくる。

                    提督は肯定とも否定とも取れぬ軽い会釈で流すと、そのまま別の桟橋に係留されているプライベート用の中型クルーザーに乗り込もうとした。

                    「…敵の首領かは分かりませんが、深海磨鎖鬼は敵ながら思慮深い智将であっぱれでした。
                    もう一度海域へ戻って、海に花を置いて来ようと思います…後の事はそれが終わったらでいいですかね?」

                    「あぁ、それは構わないが…献花してくるのは明日でも良くないか?
                    今夜は提督…キミの即日昇進祝いと鳳翔夫人の無事帰還祝いを兼ねたパーティーをしようと思っている。
                    主役がいなくてはしまらないからな…今は骨休みしていてくれ」

                    「はぁ…了解です」

                    そう答えた提督だが…
                    三笠元帥や軍令部総長他の幹部らが祝いのパーティーを準備している間、ひそかに先述のプライベートクルーザーへ私物を積み込んだ。

                    「旦那様、今晩の件はいかが致します?
                    そのご様子ですと、参加されるおつもりはない…と受け取れますが^^;」

                    「どうせナラ、このままマサキのいた島へ花束をPresentした後、アテのないcruisingするのもいいワネ(笑)」

                    鳳翔と金剛の話にも曖昧な反応…ひとしきり笑ったあとに顔を見合わせた彼女達は、真顔に戻って尋ねた。

                    「…どうしたノ、darling?」
                    「何か…思う所がおありなのですか?」

                    「仮にも出発前、軍を辞めると公言した身だ。
                    元帥も総長も目を瞑ってくれたみたいだが…俺としては階級も称号も興味が無いし、もう軍に未練もない。
                    このまま本当に辞めて実家へ帰ろうと思っている」
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                      > エルム 님

                      「そうですか…。
                      このところ深海棲艦の動きも不活発になってきておりますし、私も退役…身の引き時なのかもしれません。
                      無論、妻を置いて実家へお戻りになられるなんて事はなさいませんよね?(笑)」

                      「ワタシも連れてってくれるんデショ?
                      夫に捨てられた妻なんテ、あまりに惨めでここの居場所すらなくなってしまうワ…そうなったら恨むワヨ?(笑)」

                      「…付いてきてくれるか?(笑)」

                      無言で頷く金剛と鳳翔…そして。

                      「さっきからサ、なァーに面白そうな話してんのカナァ~?
                      “軍辞めて実家に帰る”…? アタシはどーなんの、カノジョ捨てていくん? 泣くよアタシ(苦笑)」

                      「…まぁ、深海磨鎖鬼が本当に首魁だったのなら、今後の敵出現率は減少していくのでしょうね。
                      ならば、正規空母の出番も減って手隙になるはず…私もそちらへ行きましょう。
                      全く別の生き方を模索するというのも…案外、悪くないです」

                      「軽巡の出番も減りそうよね…精鋭の二水戦も、私がいなくたってやっていけそうだし。
                      よし決めた、私も提督についていくわ…まだご両親にアイサツもしてないしね?(笑)」

                      「え!? 提督さん、帰っちゃうッぽぃ!?
                      ふーん…じゃあ飼い主に犬が付いていくのは当たり前よね、夕立ももちろん連れていくんでしょ?(笑)」

                      「今度は陸上での雌犬任務ですね…りょうかいですッ!!
                      どんな環境でも、朝潮はご主人さま第一ですのでッ…ごいっしょに♪」

                      「軍を辞めても、司令官の身辺護衛は必要ですよね?
                      最近は陸でも物騒で治安が良くない所もありますし…ってコトで、吹雪も付いていきますっ♪
                      あ、そちらの中学校への転入手続き…お願いしちゃってもいいですか?(笑)」

                      鈴谷・熊野・加賀・矢矧・夕立・朝潮・吹雪といった、提督と特に親しい艦娘達が当たり前のように同行を希望してくる。

                      思いとどまらせようと一瞬考えたが…一目で全員その可能性がない様子だと悟り、提督もまた苦笑いで手を差し出すのだった。

                      「ったく、お前らみんな付いてくるのか(笑)
                      そうだな・・・ここまで来たら人生の航海、頼むぜ?」

                      「「「「「「もちろんっ!!」」」」」

                      差し出された提督の手に、艦娘達が一斉に重ねていく。
                      それを見ていた金剛と鳳翔は、またしても顔を見合わせる。
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