pixivは2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
他にも便利な機能がいっぱい!
ウェブブラウザのJavaScript(ジャバスクリプト)の設定が無効になっています。Javascriptが無効になっていると、サイト内の一部機能がご利用いただけません。
> エルムさん
もっと見る
> エルムさん
眼前にぽっかりと口を開けた、いかにもな手掘りのトンネルがある。提督は小銃を構え、ためらうことなく走り始めた。
その後を、夕立・矢矧・雪風・金剛・長門・陸奥・鈴谷・熊野・榛名・比叡・霧島・加賀が続いていく。
「Darling、急ぐのはいいんだケド…敵が潜んでるかもしれないワ。危ないワヨ!?」
「その通りだ提督。ここは私達が先頭に立つ、ゆっくり慎重に…」
金剛や長門が性急に駆けて行く提督へ声をかける。
だが提督が首を振り、足を緩めることはなかった。
「急ぐさ、たとえ進むこの道が敵の罠でも。
邪魔する敵は倒す…金剛も長門さんも俺の背中越しにサポートをしてくれ」
軍服の上着は捨ててきたため、薄暗いトンネル内に白のワイシャツが目立つ。
金剛と長門は苦笑いし、夕立や矢矧・加賀と言ったメンツは怯まない提督の背中を頼もしそうに見つめた。
「はは、指揮官先頭を地で行く…か。
いいだろう、私達が全力で支援する…提督は鳳翔を救い出す事だけに集中してくれ」
タタタタタ…
白いワイシャツ姿の提督の後を、爛々と真紅の瞳を輝かせた夕立・白い鉢巻きと刀を提げた矢矧・セーラーワンピースが眩しい雪風・防弾コートを羽織った長門・陸奥、艤装制服の白い袖をひらめかせた金剛姉妹・長大な和弓を携えた加賀が続く。
やがてトンネルの暗闇に呑まれ見えなくなったのを確認した雌犬隊の時雨、二水戦の霞は敬礼したのち、それぞれ残存の仲間へ指示を出すと一斉に回頭…艦娘母艦“播磨”へ戻っていくのだった。