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「………」「…加賀、どうした?」
「…来るわね、これは…」
「来るって、何が…「走って、darlingっ!!」金剛!?」
キョロキョロと天井の見えぬ頭上の闇を見つめ、加賀が呟く。
提督が尋ねようとした瞬間、頭上の闇から一斉に深海艦載鬼が急降下してきた。
キィィィッ!
叫び声とも急降下の音ともつかぬ金切り音がこだまし、橋を渡っていた提督は思わず耳を塞ぎ立ち止まってしまう。
先に渡り終えた金剛がムリヤリ手を掴んで引き寄せるが、急降下爆撃で橋を破壊され、加賀は自分達が走ってきた対岸の台場に取り残されてしまった。
「か、加賀!? 待ってくれ金剛、加賀が向こうにッ…」
「手遅れヨッ、向こうに戻る方法がないワッ!!」
崩落した橋の残骸は深い谷のような裂け目に呑み込まれた。
加賀は表情を変えず無言で谷と対岸の提督達、乱舞する深海艦載鬼を見ると、ようやくフッと微笑を浮かべる。
「…あなた、金剛さん。私は大丈夫…お母さんを頼むわね?
早く・・・行きなさいッ!!」
頷いた金剛は折らんばかりの強さで提督を引っ張って、遠方にボンヤリとランプで照らされた扉へ駆けて行く。
「…全機発艦、空対空兵装。補給は無い…覚悟を決めるのよ、妖精さん達」
手持ちの烈風を矢に込めて全て放ち、加賀はおもむろに片腕を突き出す。
艤装の飛行甲板と弓が消え、代わりに巨大な主砲と装甲板が出現した…長門達のように防弾コートも羽織っている。
「…艤装変更。“戦艦加賀・改二”、参ります。
艦載鬼だけ飛んでいるなんて不自然だもの…そこにいるんでしょう、空母棲姫?」
「サスガ空母、気付イテイタノカ。ナラバ…火ノ塊トナッテ、奈落ヘ落チテシマエッ!!」
ドンッ!
頭上の闇へ向けて言うやいなや青白い瞳が煌めき、轟音を上げて眼前に着地する…空母棲姫の上位種だろう。
ガシャッ
「…こんな狭い台場で戦うなんて。はぁ、文字通り殴り合いになりそう。
残念だったわね空母棲姫、この時点で艦娘側に戦艦を残していたのが貴女方の誤算。
いえ、私が戦艦に艤装変更出来る事を知る者はそういないから、仕方ないわね…食らいなさいっ!!」
そういって戦艦加賀は41cm砲改を艤装から外し、砲身を持ち逆さまに構える。
本来は長門型の改良型なのだ…武蔵のような肉弾接近戦も不可能ではない。