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「はあっ、はあっ…」白いセーラーワンピースの少女が、息を切らして走り続けている。
彼女…雪風は、鳳翔が捕らえられていたとおぼしき部屋より独断で分かれ、分帰路の左側を進んでいた。
背中には魚雷発射管とともに、鎮守府より持ってきた鳳翔の弓がくくり付けられている。
「あの、しれ…ムグッ!?」
「…シッ」
(…貴女は左側を行きなさい。幸運と直感力に優れる貴女の事、左に何かあると気付いたのでしょう?
もし先回り出来る可能性があるというなら裏手から挟撃を、そしてもしお母さんがいるというなら…連れて外界へ逃げなさい)
正確には雪風が意見具申しようと口を開いた時、加賀が彼女の口を押さえ、ひそかに別ルートを取るよう促したのだ。
タタタタタ…
「はあっはあっ…。
敵がいない…彩雲の報告とはちょっとズレてますね、これは本当にあたしの予想が…あっ!?」
頭部に装着しているAN/SPS-10高性能捜索レーダーが反応を示した。
やがて前方に動く白い影が1つ、もう一つ黒い影が一つ。
5inch速射砲を構えた雪風は走るのを止めて呼吸を整え、慎重に近付いていく。
黒い影はカンテラでも持っているのかボンヤリと周囲が明るく、その正体が戦艦棲姫であると班別出来た。
まさかの手強い姫級との遭遇に緊張する雪風は、もう一つ白い影の正体を見極めようとして…目を見開く。
「え…鳳翔さんっ!?」
「・・・この声、雪風ちゃん・・・?」
白いローブのようなものを羽織った女性が振り向く。
髪を結い上げたその姿は確かに鳳翔で、彼女もまさかここで仲間と遭遇すると恩っていなかったのか、驚愕の表情を浮かべていた。
同時に、鳳翔の前を進む戦艦棲姫も雪風に気付いて振り向く…どうして鳳翔が敵と同行しているのか。
いや彼女は拉致された以上、深海側の捕虜扱いなのだからおかしくもないか…?