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艦これSS倶楽部

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  • 【SS構想仮置き場・25】

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    > エルムさん

    カシャッ、パシュッパシュッ
    (弓と飛行甲板艤装カタパルトからの並行発艦)

    加賀:
    「烈風改、発艦!!
    増速装置(RATO)を全開使用…敵空母棲姫艦載機群へ突入し、対戦闘機掃討(ファイタースイープ)を行いなさいッ!!」

    鳳翔:
    「震電改、発艦。
    敵は一航戦仕様の烈風改、および一航戦仕様の熟練彗星と流星改…気を抜けばやられます。
    一瞬の気の緩みは即死に繋がります、頼みましたよ妖精さん達。
    相対する機は味方にあらず…もう一度言います、相対する機は味方にあらず、赤城艦載機ではありません。
    しかし練度は呉機動部隊随一のものと思い、全力を持ってあたりなさい」

    ━━━
    ザザザッ…ドンッ、ドォンッ!
    シュルルル…
    (降り注ぐ爆弾と忍び寄る魚雷を懸命に回避)

    瑞鶴:
    「よりによって赤城センパイと戦うなんてッ…!!
    橘花改、急速発艦!! 増速装置で最大高度まで上昇…敵攻撃機を優先に叩いてッ!!
    …翔鶴姉、大丈夫? 応急修理は…」

    翔鶴:
    「なんとか大丈夫、貴女が派手に動き回ってくれたおかげで敵機の注意が偏っていたのね…ありがとう、瑞鶴。
    景雲改、発艦準備。誘導爆弾を装備し、敵深海空母棲姫を攻撃…本艦の損傷および道中の被撃墜を顧ず、目的を遂行せよ。
    ・・・行きなさいっ!!」
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      > エルムさん

      蒼龍:
      「加賀さんから反撃開始の指令がきたわね…。
      ってコトは、私たちが発見したのって赤城先輩じゃなかったんだ?」

      飛龍:
      「…らしいね。
      空母棲姫らしいケド、赤城先輩の姿してる…意味分からないなぁ~(首振り)
      五航戦の2人は既に攻撃受けてるみたいだケド、コッチはまだサイクロンの雲切れの真下で気付かれてない。
      攻撃隊は海面飛行させていこう…友永さん、後はお任せするねっ!?」

      ブォォォォン

      加賀戦闘機隊妖精:
      「敵深海空母棲姫の艦載機を目視、これより掃討を開始。
      烈風改、日の丸、赤城艦載機隊のマーク…。
      アレは味方機じゃない、いやしかし洋上にいるのは確かに赤城さん…何かの間違いなのでは…(困惑)」

      ドドドドッ

      瑞鶴:
      「あっ、加賀サンの烈風改とお母さんの震電改…反撃始まったんだ!?(喜色)
      ってチョット…おい、イキナリ撃墜されてんじゃん!! 日の丸見て躊躇してるんじゃないのアイツら!?(憤慨)」

      翔鶴:
      「分からなくもないわ瑞鶴。だって相棒とそっくりそのまま同じ姿をした敵が、同じ艦載機で攻撃してくるんだもの…」

      シャァァァァ…ドンドンドンドンッ!

      鳳翔:「噴進弾!? どこから…あれは晴嵐? なるほど、利根さんの援護ですか」

      加賀:
      「…でもお母さん、硝煙の臭いがほとんどしないわ。
      微かにここまで香ってくるのは…カレーと焼き鳥!? これは…いったい…」

      鳳翔:
      「なるほど、同じことを考えていましたか。
      アレが赤城を模倣しているのならば…“鳳翔特製・秋の味覚爆弾”。
      この丸薬を空母棲姫の口へ叩きこみます、その隙に…」

      加賀:「…二航戦!!」

      ブォォォン…パシッパシッ

      深海空母棲姫・擬:
      「なんだ? 爆撃…ではないな、ではなんの攻撃…アッ(無意識に伸びる手)」

      ムシャムシャムシャムシャ…

      深海空母棲姫・擬:
      「ゲフッ!! なんてこと、こんな単純な手にこの私が引っかかるとは…!!」

      蒼龍:
      「ゴメ~ン、今度は美味しい爆弾じゃなくて火薬なんだケド(笑)
      もしアナタが赤城先輩を全てマネているのなら…この“戦法”は通用するよね?」

      飛龍:「ホンモノの赤城先輩、返してね?」

      深海空母棲姫・擬態:「・・・・ッッ!!」

      ドォォォンッ!
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        > エルムさん

        黒煙を噴き上げ没していく、赤城の姿をした深海空母棲姫・擬。
        凛々しい構え姿で航行する鳳翔と加賀。
        その光景を黒雲に隠れながら観察し続ける、一機の彩雲がいた…ふいに翼を翻すとどこへともなく消えていく。

        明志提督:「うん?艦娘の反応だと…?」

        利根:「これは鳳翔殿と加賀…。無事に戦闘の区切りをつけたのじゃな」

        (通信)

        鳳翔:「先の支援のお礼に参りました。お陰様で無事、切り抜けられました事をお伝えに」

        利根:「なんじゃ水くさいのう、礼を言われることなんぞ何もしとらん。わざわざ出向いてこんでも…のう、明志?」

        明志提督:「そうだな…」

        利根:「……?」

        明志提督:「…利根、撃て」

        利根:「!?」

        カシャ(弓を構える鳳翔、戦艦艤装モードで41cm主砲を構える加賀)

        鳳翔:「………」
        加賀:「………」

        利根:「なっ…」
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          日進「母上(ははじょう)!くっ…甲標的隊、攻撃開始!ええとこぉ、ようけいただきじゃ!」

          あらかじめ周辺警戒に走らせていた甲標的隊
          そのうちの数隻が鳳翔(?)の進路上に魚雷を“流す”

          鳳翔(?)「…………!!」

          魚雷に進路を遮られる形で艦載機の発艦を邪魔される

          明志「利根!アレは偽物だ、こっちにも出たようだな」

          利根「う…うむっ、これより直ちに「待ちな!」」

          朝日が割り込む形で海面を滑ってきた

          朝日「利根、アンタは加賀の相手をしてもらうよ。アタシと日進で鳳翔のパチもんは潰す!」

          鳳翔に苦手意識を持つ利根を加賀に、ベテランにはさらにベテランを…という意図で朝日そのバックアップとして日進が鳳翔に軸先を向ける

          利根「う、うむ!心得た!!」

          日進「ほいじゃけんのぅ……朝日殿、出撃じゃ!」

          日進「朝日殿、もうちいっとゆっくり進んだほうがよろしいか?」

          朝日「構わないよ、こっちには…頼んだよ、水雷長!!」

          艤装から飛び出してくる『戦闘妖精 軍神広瀬』
          明治海軍の制服を着込み、八の字ヒゲをはやした妖精が腰のサーベルを抜いて振りかざす

          『戦闘妖精 軍神広瀬』
          砲戦力↑
          水雷力↑
          耐久力↑

          『15サンチ副砲集中配備+下瀬火薬HE弾』
          クリティカル率↓
          砲戦力↑
          炎上率↑↑

          朝日「その格好でこっちにヤッパ(刃物)向けた以上、覚悟はできてるんだろうねェ」

          制服のブラウスの前をはだけると、何本もの副砲が姿を現した

          朝日「その代償は払ってもらうよ!!!」

          刹那、戦闘妖精のサーベルが振り下ろされるとともに中口径砲の釣瓶打ちが始まる
          身体を横滑りさせつつ常に砲門を鳳翔の方向へと向ける

          ギュォォォォォォォォォッ!

          急降下してくる鳳翔(?)の彗星

          朝日「日進!!」

          日進「おぉ!!」

          朝日が放り投げた錨をシッカリと掴む日進
          鎖がピンと張って急制動のかかる朝日

          海面へと虚しく投下される250kg爆弾(25番)

          朝日「戦いは常に2手先3手先を読まなくちゃね…衝角刀!!」

          その手に現れる巨大な衝角をイメージする刀
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            メモ:

            ニセ鳳翔・ニセ加賀の正体…

            インド洋仮装遊撃姫
            (仮装巡洋艦アトランティス、トール)
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              > キタカミ@鍾馗斎さん

              鳳翔、少しも慌てず二の矢をつがえて弓を引き絞った
              流星と烈風が飛び立つ

              朝日「ほほぅ、日進!アンタの紫雲を警戒してのことだろうね」

              日進「おぉ、対戦闘機戦闘はすでに織り込み済みじゃ!」

              紫雲、ギリギリ低空を飛んで追いすがる烈風を日進と朝日のGFCS連動5㌅砲と40㍉ボフォースの槍衾へと誘い込む

              日進「掛けまくも畏み……」

              すかさず日進は紫雲を式神に返し、同時にふたたび甲標的を突進させた
              攻撃にかかろうとしていた流星はあわてて鳳翔の対潜防御へと戻らざるを得なかった

              朝日「なぁ日進、アンタ『海賊戦隊ゴーカイジャー』見たことあるかい?」

              日進「こっ、こんなときになにを言うのじゃ!」

              回避機動からの対空防御を繰り返す朝日と日進

              朝日「あれで言ってるわ『性能を完璧にコピーしても魂が入ってない』
                …魂ってのはそれまでの経験と自分の性格、考え方がきちんと組み合ったものを言うのさ」

              日進「なるほど…」

              朝日「今のあの“小娘”にはそれがない、マジモンで本物の鳳翔だったらアタシ達はとっくにフカの餌さ」

              衝角刀を振りかざす朝日
              そのまま突進、と思いきや身構えた鳳翔が思わず盾代わりにこちらへ向けた飛行甲板にふたたび副砲のつるべ撃ち

              鳳翔「しまっ…」

              飛行甲板が炎上すれば、鎮火まで飛行機の発着艦は(弓が無事であっても)不能だ
              そして命中する甲標的の魚雷
              腕組みをした日進、鼻息をフンス!とさせている

              朝日「checkmate! いかにもなコイツ(衝角刀)に気を取られたのがアンタの敗因さ」

              喉元に衝角刀を突きつける朝日

              朝日「ナニかありそうな右手(衝角刀)に注意を引き付けて、タネは別のところに仕込む…手品の基本だね」

              あとは…利根しだいだね、と利根の戦っている方を望む朝日と日進

              日進「母上…」
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                加賀「あきらめなさい…あなた、16㌅砲10門に勝てると思うほど練度が低いわけじゃないでしょう?」

                利根「そうじゃのう、ハイそうですかと言ってお土産の一つも持たせて返してくれるんならそうするが」

                加賀「お土産?」

                スッ、と加賀の怜悧な目が細くなる

                利根「そうじゃ、吾輩としては明志の酒量が増えるゆえ歓迎せぬが『焼き鳥』なぞ良いのう」

                ブチッ!となにかが切れる音がしたが、それは果たして加賀の血管かはたまた堪忍袋の尾だろうか

                加賀「…………全門、斉射」

                ドドドドドドドッ!

                利根「ほいっ、そりゃっ、なんのっ!!…っと、全部ハズレじゃ、残念賞」

                加賀「頭にきました」

                利根「それはこっちのセリフじゃ!吾輩、せっかく『乙女の戦車道』とか『加賀岬』を歌おうとすると明志の奴め『加賀が歌ってるみたいでなんかなぁ』じゃと!吾輩のあいでんてぃてぃに関わる問題じゃ!!」

                加賀「それは私…関係ないんじゃないかしら?」

                利根「おおありじゃ!おかげで吾輩、いつも“一人カラオケ”じゃ」

                加賀「なら、あの世へ行って心ゆくまで歌うといいわ」

                ふたたびの発砲をひらりと躱す利根

                利根「チッチッチ、甘いぞ!吾輩、艦娘母艦の天城そして紀伊と何度も戦っておるのじゃ!」

                加賀「戦って、どのくらい勝てたのかしら?」

                利根「うっ…78戦して26…勝じゃ」

                加賀「話にならないわね…鎧袖一触よ」

                利根「怪獣一食じゃと?ナニを訳分からぬことを」

                加賀「訳のわからないのはあなたのほうね、逝きなさい」

                利根「ぬおっ!!」

                距離を詰めた加賀の16インチ砲が2発、利根に命中

                利根「はぁ、はぁ…さすがじゃな、しかし吾輩の勝ちじゃ」

                加賀「なんですっ…きゃぁぁぁぁっ!!」

                5連装酸素魚雷、そして加賀の注意が(利根の馬鹿話で)こちらに向いている間に接近した晴嵐の魚雷が命中

                利根「雷装艦に接近を許してはならぬ、たまには“実艦”で演習もよいぞ」

                加賀「うぅ…」

                利根「これで吾輩、八八艦隊計画艦に27連勝じゃな!」

                加賀「…っな、なんで…すって?」

                利根「コツを掴んでからは負け無しじゃ、聞かれなかったから答えなかったがの」

                ガックリとうなだれる加賀の小指同士を拘束帯で固定、目隠しをして引っ立てる

                利根「88艦隊計画艦が3番艦!あ、召し捕ったりぃ!!」
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                  遠くから声がする

                  日進「母上!さすがは母上じゃ!!」

                  朝日「そっちもとっ捕まえたかい?それじゃあ食いしん坊の赤城を引っ張り上げるかね」

                  利根「うむ!日本初の潜水救難艦、そのお手並みを拝見しようではないか」

                  遠くからラクシュミー・バー・イー搭載のヘリの音、そして応援の第4駆逐隊が水面をこちらに向かってくるのがわかった
                  武装解除を行った深海棲艦の鳳翔そして加賀は阿武隈と大鳳、それに夕立の監視のもとに天城に戻るまで拘束されることになる

                  呉艦隊から提供された情報を元に第4駆逐隊、それに利根と朝日、日進は遊撃隊編成で一路赤城の待つ海域へと向かっていった
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                    朝日「ここが赤城が沈んでるっていうポイントだね」

                    マリンマーカ(海面に発色して位置を知らせる火工品)の色がそんなに広がっていないところを見ると、発見されてまだ時が経っていないのだろう

                    朝日「ほいっ、と…それじゃあ日進、海の底の赤城にコイツを持たしてやっとくれ」

                    懸垂器のチェーン、その端を日進に手渡す
                    日進、甲標的にチェーンの端末をくくりつけると海底の赤城に向かって進発させた

                    日進「…むっ…朝日殿、どうやら呉の赤城殿に到達したようじゃのう…」

                    じっと目を閉じて甲標的からの情報を感覚的につかむ日進

                    朝日「そうかい、それじゃあ…巻き取り始め…って、うわぁぁぁぁぁぁっ!」

                    ウインチを動かし始めた途端、逆に引き込まれそうになる朝日

                    利根・日進「「朝日殿っ!」」

                    二人がかりでようやく朝日を留めることに成功

                    朝日「…ったく、なんてぇ重さだい」

                    利根「吾輩も赤城よりは馬力があるがのう…しかし、単純に海の底へ沈んでるのを引っ張り上げるとなると」

                    赤城を引っ張り上げるには単純に赤城と同程度か少し軽い重さのものを沈め、その反動で赤城を引き上げるのだが…

                    朝日「しゃあないね、ちょいともったいないが…こいつを使う羽目になったかね」

                    ふところから大きめのタッパーを取り出す朝日
                    中からは先程の『タレ』に漬け込んでラクシュミー・バーイーの窯で焼き上げた『蒲焼』が出てきた

                    利根「うなぎとは豪勢じゃのう、コレを…?」

                    朝日「深海魚さ、うなぎはきょうび高くてねぇ…しかし食感は変わらないよ」

                    日進「これを…どうするのjy」

                    日進の言葉が終わらぬうち、蒲焼を海面に近づけただけで変化は現れた

                    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

                    海面が盛り上がり、赤城が海神のごとく姿を表す
                    口にはいつの間にかタッパーから消えた蒲焼が…
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                      利根「おぉ、サルベージ成功…って言って良いのか?」

                      日進「難しいところじゃのう」

                      朝日「要は引っ張り上げればいいんだよ、引っ張り上げれば」

                      利根「コレではどちらかと言うと“釣り”じゃなぁ」

                      赤城「モグッモグッモグッ…ゴキュッ!あぁ、ご飯が欲しくなりますね…って、あら?利根さんに朝日さん、日進ちゃんも」

                      朝日「ようやく水揚げってとこかい、それじゃあ呉の皆のところまで送って行ってやるよ」

                      第4駆逐隊の面々も、目の前のやり取りに軽くため息をつきながら陣形を組み直す

                      利根「では目標、呉艦隊集結地…陣形はマルチ隊形“警戒陣”!」

                      利根の号令のもと、赤城を守るようにして進むミナモトPMSCの面々
                      遠くに今度こそ、正真正銘の加賀と鳳翔それに五航戦や二航戦の姿が見えてきた…
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