同時刻。
アバドン星系外縁、山南率いる地球救援艦隊。
しかしワープを阻まれたうえ、次々にゴルドルバから阻止艦隊が転送されてきて
星系内に進入できず。壁のように連なるゴルバを前に、数を徐々に削られつつあった。
さしもの山南も焦りはじめていた。
「うむ…このままではいたずらに消耗していくだけだ。
何か手を打たねば援護どころではなくなる、それに体勢を立て直していたらエラを奪われてしまう」
通信士「司令!ゲートにガミラスから支援艦隊到着、急速接近中」
それは時空竜巻効果範囲ぎりぎりまでワープした後、光速航行で山南の前に姿を現した。
ガミラスグリーンの砲艦。アンドロメダに似た特徴があった。
「こちら、ガミラス特務支援艦1号。只今よりエラ空域への突入を支援する」
女の声で通信が入った。
その艦は一瞬輝くと、地球艦隊に向け光の輪を投げかけた。
「司令!本艦の波動炉心の出力が増大しています!ほかの艦も同様です!」
「!」
みるみるエンジン出力が上がっていく。140%まで楽に上昇、波動防壁まで復活する。
「これは…あの艦、CRSシステムを搭載しているか。ありがたい」
支援艦1号が来た途端、ゴルドルバからの艦隊転送が止まった。
こちらからもワープ阻害フィールドを展開しているようだ。
「司令。このパワーと波動防壁出力なら時空竜巻の影響を受け付けずにワープが出来ます!」
「…よろしい。自動戦闘艦部隊を先頭に直ちにエラに向けワープ。
ただちにガトランティス、ガミラス艦隊の援護に入れ!」
次々にワープ態勢に入る山南艦隊。敵残存艦隊の攻撃は、支援艦1号の”支援”により防がれる…
「銀河と同じ…と言うわけか。しかし、何か違う雰囲気を感じる」
銀河のように全艦隊のパワーを一斉に増大も出来たが、
よく見ると、実に細やかに傷ついた艦に個々にエネルギーを送ったり
対空防御を行っている。
「銀河のAIとは動きが全く違う。傷んだ艦を優先して守っている。
まるで人間が指揮しているような…」
アルビレオも艦隊を守るため、砲火を容赦なく敵に浴びせる。
そしてアルビレオと支援艦1号の同時波動砲攻撃で、ついに敵艦隊は全て薙ぎ払われた。
「こちらアルビレオ。支援艦1号、来援感謝する」
「司令、残りは本艦と支援艦だけです。」
「よし。アルビレオ、ワープ!」
両艦は息を合わせてワープに入った。
支援艦1号の艦橋で指示を出すのは、ネレディアだった。
「こちらもワープ! バーガー、みんな、無事でいて…」