pixiv事務局です。
株式会社幻冬舎、株式会社テレビ朝日、ピクシブ株式会社が2016年10月27日~2017年3月31日まで開催した小説コンテスト「ピクシブ文芸大賞」の受賞作品がついに決定しました。
文芸に特化した小説投稿サイト「ピクシブ文芸」にて、これからのエンターテイメント界を牽引していく才能を探す本コンテストでは、ピクシブにおける小説コンテスト史上最多の応募総数3,600作品以上が集まりました。
力作ぞろいの中から大賞に選ばれたのは、Clock969さんの『Q&A』です。
大賞作品は、幻冬舎にて書籍化、テレビ朝日にて映像化が予定されています。
3つの特別賞として、文芸誌「小説幻冬」での連載権を獲得できる小説幻冬賞は『からっきし又右衛門』に、pixivにて表紙イラスト募集コンテストの開催を経て幻冬舎から電子書籍化されるpixiv賞は『夢渡り』と『旧暦編纂のサイダーセブン』に、テレビ朝日賞は大賞も受賞した『Q&A』に、それぞれ贈られます。
各賞についての講評は下記をご覧ください。
■大賞(幻冬舎で書籍化&テレビ朝日で映像化)
■テレビ朝日賞(アナウンサーの朗読など、応募作品により検討)
『
Q&A 』 /
Clock969さん
▼各社選評
○幻冬舎
冒頭から、ぐっと引き込まれました。被害者と犯人が交互に問いと答を出し合う「Q&A」の形式が取られるストーリーには、緊張感があり時間を忘れさせてくれます。練られた仕掛け以上に、世界の不条理や人間のありようについての強い訴えが漲っていて、世の中にこの小説を問いたいと思い大賞に選びました。
○テレビ朝日
事件があって、警察がノートを発見する。そこに「謎」がある。刑事サスペンスを入口にしながら、世の中の不条理を訴えるテーマ性に加え、数々の仕掛けを用いた高い構成力に惹きつけられました。童話的な世界観でもあり、今後様々な展開がイメージできることから、大賞とテレビ朝日賞のW受賞としております。
○ピクシブ
殺人現場に残されていたのは、被害者と犯人と思われる人物が交互に問いかけあうノート。事件の真相を知るために読み始めた警察官は、いつしか二人の過去にのめり込んでいく…。哲学的テーマを描きつつエンターテイメント性があり、大変読みやすかったです。他の応募作のどれとも似ておらず、巧みな構成力は群を抜いています。やや性急な展開にも今後の伸びしろを感じ、大賞としました。
■小説幻冬賞(文芸誌「小説幻冬」での連載権)
『
からっきし又右衛門 』 /
Y.Iさん
▼小説幻冬編集部講評
まず、時代小説として大変面白く読めました。生きていくことに付いて回る喜怒哀楽は時代がどうあれ普遍だと思いますが、その意味では現代を生きる僕らが読んでも沁みる物語だと思います。国にも個人にも、「語られる歴史」と「語られぬ歴史」があります。後者に思いを馳せる感性の持ち主であれば、たまらない読後感が味わえるはずです。
■pixiv賞(pixivで表紙イラストコンテストを開催&幻冬舎で電子書籍化)
『
夢渡り 』 /
枯河凍雨 さん
▼ピクシブ講評
夢の中で己を殺し続ける主人公と、それを救済する『獏』。巧みな描写で描かれる夢の世界は美しく、それゆえにその景色が死と結びついていることに底知れぬ恐怖を感じました。明るく個性のあるキャラクター達がすっと心に入ってくる瞬間が心地良かったです。仄暗い夢と優しい現実の狭間でさ迷う気持ちに、共感する読者も多いのではないでしょうか。イラストコンテストでは、ぜひそれぞれの『夢渡り』を描いて欲しいと思います。
『
旧暦編纂のサイダーセブン 』 /
押さん
▼ピクシブ講評
ほとんどの人類がアンドロイドに生かされ、ドラッグで快楽を貪る自堕落な生活を送る時代。歴史家の青年は、人間を初めて殺した"機械"が幽閉されている地へと赴く――。AIやシンギュラリティなど、現代的かつ普遍的なテーマに切り込んだ作品。機械が語る過去と、スピード感のある会話に思考を刺激されます。切り取るシーンによって全く違う画が浮かび、想像が広がる面白さがありました。
多くのご応募をいただきありがとうございました。
受賞作はこれから各賞ごとに映像化、書籍化、連載化に向けて動き出します。
今後の展開をどうぞ楽しみにお待ちください。
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