実は、続き書いていましたが、

神様の気まぐれ

ただの偶然なのか。
それとも、神様の気まぐれなギフトなのかは、定かではないが、僕達は同じアパートメントのお隣さん同士の家で生まれた。
前と同じように僕は日本人で、アッシュはアメリカ人なのにもかかわらずお隣同士とは、神様からのギフトにカウントしちゃいますか！
１歳の誕生日は、僕とアッシュの家族でお祝いした。
約束したように、
「ハッピーバースデー」
と言い合う。
それを聞いていた僕の母さんが、
「これは何語なの！」
フルフルと震えていたけど、・・・・みんな無視していた。
安定の無視だよね。
「英二の母ちゃんって、いつ見ても、ファニーだよな」
にやにやして言ってくるけど、
「それやめてよ」
抗議しておいた。
だって母親だもの。
一緒に蝋燭を消して、とても楽しかったよ。
２歳の誕生日も一緒にお祝いしたし、３歳も同じように、皆にわかるようになったハッピーバースデーを言い合った。
幼稚園にも一緒に通って、園内でも一緒に遊んでいるから、
「ＥＩＪＩ！」
欲女の子たちから、
「アスランから離れなさいな！」
呼び出されるし、
「お前とアスランは不釣り合いだ」
男の子からも呼び出される事もある。
アッシュ、君って無駄にモテてるよねえ。
夏は一緒に旅行にいった。
冬は、スキーだよ。
なんかお金持ちになった気分だよ。
小学校に入学して暫くした頃
ある日、
「マジッで！」
母さんの素っ頓狂な声で、ずっと一緒が終わってしまった。
「ごめん！　マジごめん！」
土下座せんばかりの勢いで母さんが謝ってくる。
「父が倒れたから、出雲に帰らなきゃなんなくなった！」
母さんのお父さんって・・・、
「おじーちゃん！」
倒れたって、大変じゃないか！
「お父さんも一緒なの？」
聞いてみれば、
「夫君は、仕事があるから、ここに残る事になる。遠距離別居って事か！」
母さん、遠距離別居にウキウキしない。
「いつ、日本に行くの？」
アッシュの言葉に、
「来月の予定で・・、本当に・・・なんて言うか」
謝ろうとして、母さんはやめる。
別に悪い事をしている訳じゃないしね。
子供部屋で、
「ずっと一緒だと思っていたんだけどなあ」
壁にもたれて座る僕と反対に、
「ギズモなんか嫌いだ」
頬を紅潮させたアッシュが怒鳴っていて、
「ギズモじゃなくって、出雲なんだけどなあ」
ボヤくように言えば、
「そんな事じゃねえ！」
と怒鳴るから、
「アッシュは口が悪いよねえ」
わざと悲しそうな表情を作ってみる。
きっと・・・
「・・・ごめん」
泣きそうになって言ってきたから、
「ごめんね」
謝った。
僕だって君を泣かせたいわけじゃないからね。
母さんの実家のある島根に行く事になった僕は、それから１０年はＮＹに戻る事はなかった。

途中で力尽きて、日本に帰しちゃいました。
困ったものですねえ( ´∀｀ )